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今年もこの季節がやってきた。いよいよ対抗戦の開幕が目前だ。春季大会は結果こそ、2勝3敗と満足のいく結果とはならなかった。だが、日本一への通過点としての大会と考えれば収穫も大きかったようだ。
ケガ人やU20日本代表メンバー選出による選手の流出があったため、満足のいくような戦いができなかった春季大会。だが、それが逆にプラスに働いている。
というのも、多くの選手が実践の経験を積んだことで、選手層に厚みがでたのだ。これは今年の慶應義塾大学の強みとしてあげられるだろう。
昨年のメンバーから多く入れ替わったFW(フォワード)に関しては、不動のLO(ロック)辻雄康(文4・慶應)副将を中心として、HO(フッカー)中本慶太郎(経4・慶應)やNO8(ナンバーエイト)山中侃(商4・慶應)、FL(フランカー)川合秀和(総3・國學院久我山)がコンスタントに試合に出場。
その選手たちに加えて、春季大会では新しい選手が名を連ねた。PR(プロップ)竹内翼(政4・慶應)、FL/NO8北村祐輝(経2・慶應)らだ。2人の選手について金沢HC(ヘッドコーチ)は、春季大会で「力を発揮してくれた」と話している。もちろん2人以外でアピールした選手も他にいる。
さらにFWには世界の舞台で経験を積んだ選手たちがいる。LO相部開哉(政2・慶應)、PR大山祥平(経2・慶應)、FL山本凱(経1・慶應)の3人だ。
彼らはU20日本代表メンバーに選出され、同年代のトップ選手たちと時間を過ごしてきた。特別な経験をした彼らについて金沢HCは「自信を持って帰ってきた」と評価する。
この3選手がスターター争いに絡んだことで、さらに競争が激化する。昨年から出場している選手、春季大会で活躍した選手、U20日本代表の3選手の力を中心に、強いFWを形成する。
FWに比べるとスターターが固定されてきたBK(バックス)。昨年から活躍しているSO(スタンドオフ)古田京(医4・慶應)主将、SH(スクラムハーフ)江嵜真悟(商4・小倉)、WTB(ウィング)宮本瑛介(経4・慶應)、FB(フルバック)丹治辰碩(政4・慶應)、CTB(センター)栗原由太(環3・桐蔭学園)らの存在感は大きい。
春季大会は上記にあげた選手の数人が、ケガで戦線を離脱していた間に、その他の選手の出番が増加。実践を積み、さらに結果を残してきた。
その中でも、CTB三木亮弥(経2・京都成章)やWTB/FB高木一成(商3・慶應)、WTB/FB宮本恭右(環2・慶應)らはチームに大きく貢献。これから始まる対抗戦での出場も大いに期待される。
さらに、CTB/FB豊田康平(総4・國學院久我山)や、CTB/WTB小原錫満(総4・東海大仰星)らがおり、BKも競争が激しい。
ただ、どの選手が出場しても、慶大のスタイルは変わらない。3つの柱として掲げているディフェンス、ライズ(運動量)、フィアース(コンタクトでの激しさ)を徹底的に行うことで勝利を手繰り寄せる。
慶大の対抗戦初戦は日本体育大学。対抗戦で優勝し、大学日本一になるためには初戦を落とすわけにはいかない。初戦で弾みをつけて、これからの戦いへのいい流れを作って欲しい。
文:田中壱規(慶應スポーツ)
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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