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ラグビー コラム 2018年9月7日

早稲田大学戦力分析:大きく成長した夏、創部100周年の優勝を目指す

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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今季、創部100周年を迎えた早稲田大学。相良南海夫監督が今季から指揮を執り、チームスローガンを『Moving』に決め、新たなスタートを切った。ディフェンスにフォーカスした春シーズンだったが、その道のりは決して平たんなものではなかった。

関東大学春季大会の開幕戦の日本体育大学戦、続く筑波大学戦とまさかの連敗スタート。さらに、6月の招待試合でも、天理大学、明治大学に敗戦。「今は成長の過程にはある」(相良監督)と、一定の成長を認めつつも、強豪校との差を痛感する春となった。

しかし、この夏。早大は成長した姿を見せた。帝京大学に対して8年ぶりに勝利を収めたのを筆頭に、大東文化大学や東海大学には敗戦こそ喫したものの、最後の最後までどちらが勝利するかわからない接戦を演じた。

その要因は、ディフェンスの粘り強さが増し、リロードが速くなったことだった。10年ぶりの『荒ぶる』へ向け、成長曲線を描いている早大の今季の戦力を見ていきたい。

◆レベルアップした司令塔

SH齋藤直人

早大のカギを握るのは、やはりハーフ団のSH(スクラムハーフ)齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)と、SO(スタンドオフ)岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)だ。

「日本代表 第二次ラグビーワールドカップトレーニングスコッド」に選出された齋藤はこの春、サントリーサンゴリアスでのトレーニングや、NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)にも参加し、この夏から早大に帰ってきた。

ハイレベルな環境でさらに一皮むけた齋藤が、持ち前の素早いパスアウトからテンポを生み出し、タレント揃いのBK(バックス)陣を統率してくれるだろう。また、エリアマネジメントを重要視している早大にとって岸岡のキックも、大きくカギを握ることになる。

実際、夏季のオープン戦では岸岡のキックによるエリアマネジメントが功を奏した部分も大きい。岸岡のキックが早大の勝敗を大きく左右すると言っても過言ではないだろう。

また、他にもBK陣には多くのタレントが揃っている。強力なタテへの推進力が武器のCTB(センター)中野将伍(スポ3=福岡・東筑)は早大には不可欠であり、春シーズン結果を残し、レギュラーに定着したCTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)もいる。

また、ルーキーながら夏のオープン戦3試合では堂々たるプレーを披露したCTB長田智希(スポ1=大阪・東海大仰星)、FB(フルバック)/WTB(ウィング)河瀬諒介(スポ1=大阪・東海大仰星)が、どのようなプレーを見せてくれるかも目を離せない。

◆FW3列目は激しいレギュラー争い

FL幸重天

一方、FW(フォワード)も昨年からAチームに定着した選手が多く残った。その中でも、注目はバックローのポジション争いだ。

ジュニア・ジャパンも経験したFL(フランカー)幸重天(文構3=大分舞鶴)、運動量が武器であるFL柴田徹(社3=神奈川・桐蔭学園)が、ペネトレーターとしてスローガンの『Moving』を体現しているが、Bチームには佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)や、西田強平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)らも控えている。

「Bチームにずっといるわけにもいかない」(佐藤真)と、最後の対抗戦へ向け状態を上げてくると思われるだけに、激しいポジション争いにより、さらにチーム力も高まってくるだろう。

ディフェンスの部分では前に出る圧力も増し、リロードも早くなったためギャップができにくくなり、大きな成長を見せた早大。

その一方で、セットプレーでは相手に大きな圧力を受けターンオーバーされる場面も散見されたり、ペナルティ数の多さなど、規律の部分ではまだまだ課題もあることも事実。

ミスやペナルティについては春シーズンから課題として挙がっているだけに、早急に改善が求められるだろう。さぁ、準備は整った。勝負の対抗戦がいよいよ始まる。

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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