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ラグビー コラム 2018年9月4日

トップリーグは面白い。熱い戦いが繰り広げられたラグビー トップリーグ第1節

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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姫野和樹

トヨタの主将 姫野

トップリーグは面白い。多くのファンがそう実感したであろう開幕節だった。もっとも多くの観客を集めたのは、9月1日(土)、2試合が行われた愛知県の豊田スタジアムだった。第1試合は、ヤマハ発動機ジュビロがコカ・コーラレッドスパークスを、43-3で下した。FB五郎丸歩は、5ゴール、1PGを決めてリーグ通算1195得点とし、個人得点の最多記録を塗り替えた。この時点での観客は、19,023人。第2試合は、三連覇を狙う王者サントリーサンゴリアスを、地元のトヨタ自動車ヴェルブリッツが迎え撃つとあって、キックオフ前から観客が増え始め、最終的には、31,332人に膨れ上がった。トップリーグ史上最多の観客数だった。

梶村祐介

MOMに選ばれたサントリー梶村

試合内容もそれにふさわしかった。トヨタが大学卒のルーキーを4名(PR三浦昌悟、木津悠輔、NO8吉田杏、WTB岡田優輝)出場させたほか、先発15人中、13人が2年目までの選手達。生まれ変わろうとするチームの勢いを感じた。サントリーも大卒のルーキー3名(PR堀越康介、CTB梶村祐介、WTB尾崎晟也)を起用。「シンプルに良い選手を選んだだけです」とサントリーの沢木敬介監督。トヨタのジェイク・ホワイト監督も同じことを答えただろう。この試合では指揮官の期待に応えて新戦力が躍動した。

姫野、吉田

後半のトヨタのディフェンス

姫野和樹

記者会見で涙を流すトヨタ姫野

最後の10分は劇的だった。トヨタは後半18分、CTBスティーブン・イエーツがトライして25-10とリードを広げた。しかし、ここからは、やや守りに入った観があった。逆にサントリーはテンポアップ。一気に差を詰めると最後はスクラムを猛プッシュしてペナルティートライ(反則がなければトライになったとレフリーが判定)を勝ち取り、劇的な逆転勝利となった。我慢の勝利に歓喜するサントリーの選手たち。一方、トヨタの姫野キャプテンは泣きじゃくった。それを抱きしめるチームメイトたち。まるでファイナルのようなノーサイド。12月の順位決定トーナメントで再び相まみえることになったとき、いったいどんな試合になるのか。楽しみ倍増の戦いだった。

»トップリーグ第1節 その他のハイライトはこちら

他会場も激闘が相次いだ。昨年準優勝のパナソニック ワイルドナイツは、8月31日、大阪のキンチョウスタジアムでクボタスピアーズと対戦。クボタの猛攻を受けて苦しんだが、粘りのディフェンスで、15-11と逃げ切った。同日の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場では、神戸製鋼コベルコスティーラーズがNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと対戦。NTTコムは金正奎を筆頭に素早いプレッシャーで神戸製鋼にプレッシャーをかけたが届かす。神戸製鋼の新戦力SOヘイデン・パーカーは、4ゴール、2PGを100%の成功率で決めた。サンウルブズで世界を驚かせた「ゴールデンブーツ」は健在だ。

クリスチャン・リアリーファノ

秩父宮ラグビー場でのキヤノンイーグルス対東芝ブレイブルーパスも大接戦。キヤノンが昨シーズンは怪我で出場できなかったHO庭井祐輔キャプテンの活躍もあって、26-20で競り勝った。豊田自動織機シャトルズは、元オーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノの逆転ドロップゴールで勝利。再昇格のHondaHEATは、FBエイダン・トウアの先制トライなどで健闘したが、終盤はリコーブラックラムズにペースを握られて白星を逃した。両チーム合わせて11トライが生まれ、観客を楽しませる攻防が続いた。

そして、初昇格の日野レッドドルフィンズは、宗像サニックスブルースに33-3とトップリーグ初勝利を飾った。マンオブザマッチは、先制トライをあげたFLアッシュ・パーカー。東海大から加入の新人SH橋本法史の素早いパスさばきも目立ち、スクラムトライを奪うなど、トップリーグで十分に戦える実力を披露した。

蒸し暑く、汗をかきやすい気候の上、雨が降ったスタジアムが多かった。そのため全体にハンドリングミスが目立ったが、コンタクトの激しさや、攻守の切り替えの速さなどレベルアップを感じるシーンも多かった。同時に出場できる外国人枠の中で、海外での代表経験のない「特別枠」が、昨シーズンの1人から3人に増えたことは、各チームの実力差が詰まった大きな要因だろう。

9月7日、8日、9日に各地で行われる第2節も、NTTコミュニケーションズ対サントリー、クボタ対ヤマハ発動機、リコー対東芝など注目カードが多い。神戸製鋼のダン・カーターのトップリーグデビューはあるのか。各チームのメンバー編成から注目の第2節も熱い戦いが繰り広げられそうだ。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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