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ラグビー コラム 2018年8月30日

ダン・カーター、イズラエル・ダグら、トップリーグを沸かせるワールドクラスの外国人選手たち

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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8月31日に開幕する16年目を迎えるジャパンラグビートップリーグ。今年は2019年のラグビーワールドカップを控えて、サンウルブズや日本代表の活動期間に充てるために、10月末までリーグ戦を行い、12月に順位決定戦を行って王者を決める短期決戦となった。

また今季から、昨季からあった外国人選手の特別枠(他国の代表歴を持っておらず、将来、日本代表になれる選手)の出場枠を1人から3人に増加し、他国の代表歴のある選手は2人、さらにアジア枠の選手も含めれば、計6人まで同時に試合に出場することができるようになった。

そのため、各チームが積極的に有力外国人選手を獲得、今年から多くの選手がトップリーグでプレーすることになった。それでは今年からトップリーグでプレーする選手を国別に見ていきたい。まずはニュージーランド出身の選手たちから。

◆ビッグネーム、ダン・カーター、イズラエル・ダグがやって来た

ダン・カーター

まず、何と言っても今季の最注目選手はSO(スタンドオフ)ダン・カーターだ。オールブラックスキャップ112、ワールドカップ出場4度を誇り、2011年、2015年大会ではニュージーランドのワールドカップ連覇に貢献した司令塔。

スーパーラグビーでも3度優勝し、あのリッチー・マコウと並び、3度、世界年間最優秀選手賞に輝いている本物だ。36歳というベテランだが、スキルや判断力は衰えていない。

フランスを経て日本にやってきたカーターは、日本でキャリアを終える予定でおり、「新しいモチベーションを見つけるためにやってきた。私のプレーを見れば、ラグビーをわからない方でもおもしろいと感じると思います。長い歴史を持ったチームに貢献し優勝したい」と意気込んでいる。

そして、もう一人のニュージーランド代表のBK(バックス)のビッグネーム、オールブラックスキャップ66を誇る、FB(フルバック)/WTB(ウィング)イズラエル・ダグがキヤノンイーグルスに加わった。

ランニングスキル、そしてハイボールに強く安定感に長けたFBだ。2009年にオールブラックスデビューを果たすと、2011年ワールドカップでは5トライを挙げて優勝に貢献。

2015年ワールドカップこそ、ケガの影響で選出されなかったが、2016年はオールブラックスに復帰を果たしていた。そして昨年、今年とクルセイダーズの連覇にも寄与したベテランのバックスリーである。

当然、来年のワールドカップでのプレーも視野に入れているダグは「来年のワールドカップでオールブラックスの一員として日本に戻ってくることに挑戦する前に、まずは、キヤノンのチームメイトに早く溶け込めるようにベストを尽くし、今季、チームのためにポジティブな貢献をすることができれば」と力強く語った。

◆マット・トッドら、オールブラックス経験者も参戦

さらに3年ぶりに王者奪還を狙うパナソニック ワイルドナイツには、6月にはオールブラックスの一員として活躍したニュージーランド代表キャップ13のFL(フランカー)マット・トッドが加入した。クルセイダーズ連覇に大きく貢献した選手だけに、運動量やラン、ジャッカルでチームの勝利に貢献するはずだ。

また、セットプレーとディフェンス力で一昨季は6位、昨季は7位と上位につけているリコー・ブラックラムズには、ニュージーランド代表キャップ3の、FLエリオット・ディクソンが加わった。運動量とハードタックルでオールブラックスまで駆け上がった選手だけにチームカラーには合いそうで活躍が期待される。

昨年8位だったNECグリーンロケッツには、2011年のワールドカップ決勝でPG(ペナルティゴール)を決めて優勝の立役者となった、ニュージーランド代表23キャップのSOスティーブン・ドナルドが加入した。「ビーバー」の愛称でも知られ、キックとゲームコントロールに長けた司令塔で、サントリー、東芝と日本で3年目のプレーだけに、不安はないだろう。

今季、トップリーグに初めて参戦する日野レッドドルフィンズには、チーフスやブルーズで活躍した、ニュージーランド代表2キャップのSH(スクラムハーフ)オーガスティン・プルが加入。ボール捌きだけでなく、身長180cmの体格を活かした突破力も武器だ。

◆ヘイデン・パーカーら、ノンキャップにも注目

ヘイデン・パーカー

ノンキャップのニュージーランド出身の選手も各チームに来日している。神戸製鋼にはカーター以外にも、サンウルブズでゴール成功率96%と脅威の数字を叩き出した、SOヘイデン・パーカーが加入。

7人制ニュージーランド代表経験のある20歳のCTB(センター)チャーリー・ローレンス、ハイランダーズでプレー経験のある身長LOトム・フランクリン、パナソニックで2年間プレーした万能BKリチャード・バックマンも加わった。

パナソニックには、サンウルブズで全試合に出場し、スクラムだけでなく突破力も魅力のPR(プロップ)クレイグ・ミラーが入団。東芝ブレイブルーパスはチーフスの若きCTBジョニー・ファアウリが加わった。

また、リコーには過去4年間、コカ・コーラでもプレーしたCTBティム・ベイトマンが入団した。宗像サニックスにはサンウルブズでも活躍したU20ニュージーランド代表経験のある万能BKジェイソン・エメリー、激しいプレーがウリでハイランダーズでもプレーしたFLダン・プライヤーが加入した。

コカ・コーラレッドスパークスには、ニュージーランドだけでなくイタリアやイングランドでプレー経験のあるSOジェームズ・マーシャルが、Hondaにはスーパーラグビーに116試合出場しているLOジョシュ・ベックハイスとスーパーラグビーで優勝も経験しているCTBショーン・トレビーが加入した。

◆現役南アフリカ代表のNO8、フェルミューレンがクボタに加入

続いては、近年、多くの選手が来日している南アフリカ出身の選手たちを見ていきたい。

ニュージーランドのカーター、ダグが今季のBK(バックス)の目玉選手であれば、FW(フォワード)は6月にもスプリングボクスとして活躍し、今季からクボタ・スピアーズに加わった南アフリカ代表40キャップを誇るNO8ドゥエイン・フェルミューレンが最注目選手だろう。

フェルミューレンは南アフリカ代表の指揮官ラシー・エラスムスとは師弟関係にあり、「11月はスプリングボクスでプレーする」と公言していた。

ノンキャップだが、同じく南アフリカ出身のLO(ロック)ルアン・ボタ、LOジャン・ドロースト、CTBバーガー・ オーデンダール、サンウルブズのFBゲラード・ファンデンヒーファーもクボタに加わっており、フェルミューレンが先頭に立ち、3年目となるフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)のラグビーを体現するはずだ。

そしてもう1人、ヤマハ発動機には、7人制南アフリカ代表としてリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得し、6月には15人制でも初キャップを獲得した、FLクワッガ・スミスが加入。

清宮克幸監督も「いままでスミスのような気の利く選手はいなかった」と絶賛している。運動量はもちろんのこと、ジャッカルも上手く、トライへの嗅覚もあり、すぐにヤマハ発動機のラグビーに適応するはずだ。

◆多くの南アフリカ出身選手がトップリーグに

ノンキャップでも南アフリカ出身の能力の高い選手が来日している。パナソニックにはスーパーラグビーで準優勝したライオンズでプレーしていたCTBハロルド・フォスターが加入。

ヤマハ発動機には、チーターズでプレーしていた、キック力とフィジカルに長けたSOニール・マレーを筆頭に、SO/CTBヘンダス・ファンデルヴォルト、FBゲリー・ラブスカフニが入団した。

東芝にはチーターズに在籍していたFLヘンコ・フェンターが加わった。そして神戸製鋼はサンウルブズでもプレーした、LOグラント・ハッティング、宗像サニックスはPRジョン・ロイ・ジェンキンソンを獲得した。

トヨタ自動車は南アフリカ出身の指揮官であるジェイク・ホワイト監督が率いていることもあり、今年は「PRO14」のチーターズから身長197cmのLOレニエル・ヒューゴ、身長200cmのLOカール・ウェグナー、CTBクリントン・スワートの3人。

そして、ブルズからFLジャネス・カースティンが加わった。いずれもフィジカルに長けた選手でホワイト監督にとっては頼りがいのある選手たちだろう。

過去、多くの南アフリカ出身選手が在籍してきたNTTコミュニケーションズにも、今季は準優勝だったライオンズのLO/FLロバート・クルーガー、スピードがありランが魅力のSOガース・エイプリルが加わった。

また、今年から前南アフリカ代表HCのアリスター・クッツェーが率いるキヤノンにも、身長198cmのLOジャン・デクラーク、身長2mのLOリニーア・ベルナルド、そして南アフリカA代表の経験もある司令塔SOフレッド・ゼイリンガが入団している。

◆豪州からはリアリーファノ、ハリスら司令塔が続々加入

続いてはオーストラリア出身の選手だ。まずはワラビーズキャップホルダーから見ていきたい。

東芝には、ワラビーズキャップ10を誇る、身長186cmの大型SOマイク・ハリスが加入した。FWに強みのある東芝だけに、ハリスのキックやコントロールがチーム躍進の鍵を握ることになろう。

また、豊田自動織機シャトルズには、ワラビーズキャップ19を誇り、白血病を克服したことでも知られるスキルフルな、SOクリスチャン・リアリーファノが入った。やはり、リアフィーファノがゲームコントローラーとしてチームを引っ張るはずだ。

キャップホルダーではないが、オーストラリア出身の有力選手も各チームに加わっている。サントリーサンゴリアスにはセブンズオーストラリア代表でならしたSHマット・ルーカスが入団。

103キャップのSO/CTBマット・ギタウ、26キャップのCTBショーン・マクマーンらワラビーズ経験者がチームにいるだけに、サントリーのラグビーに慣れるのも早いはずだ。

ヤマハ発動機ジュビロには、双子の兄弟・LOローリーがワラビーズでプレーするリッチー・アーノルドが加入した。身長208cmはチーム史上最高身長の選手で、セットプレーが信条のチームには心強い存在だ。

リコーには、今季ワラターズで17試合に出場したSOブライス・ヘガティ、NECには身長2mのLOサム・ジェフリーズ、キヤノンには身長182cmの大型SHマイケル・ドーセット。

NTTコミュニケーションズには、レッズの若きHO(フッカー)アレックス・マフィ、Hondaにも同じくレッズで活躍していた大型WTBのクリス・クリンドラニと、FBエイダン・トウアが入団した。そして宗像サニックスは、今年はサンウルブズでもプレーしたLOジェームズ・ムーアを獲得している。

◆トンガ代表FLラトゥが再びトップリーグに

2015年ワールドカップでベスト4に入った国と言えば、もう1つアルゼンチン代表があるが、今季はアルゼンチン出身のトップリーガーはいない。

アイランダーの3ヵ国では、トンガ代表53キャップを誇り、かつてNECでもプレーしたFLニリ・ラトゥが今年から日野に加わった。同時に日野にはラトゥの親戚で、チーフスやブルーズでプレーしたPRパウリアシ・マヌも入団。

また、フィジー出身者では、リコーにセブンズフィジー代表経験のあるWTBネタニ・ヴァカヤリア、宗像サニックスに北海道バーバリアンズから、FL/LOサム・チョンキットが加わっている。

日野にはイングランド出身の大型CTBマックス・ステリングも加入し、Hondaにはイングランド出身だが、ニュージーランドでプレーしていたSOヘイデン・カーが今季から入団し、チームをけん引している。

いずれにせよ各チームに海外から新戦力が補強された。上位に進むためには、監督やヘッドコーチが外国人選手と日本人選手を上手く起用することが欠かせないだろう。

そして、各国のスター選手が国際舞台で得た経験とスキルを日本のトップリーグでも発揮して、試合を盛り上げてほしい!

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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