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ラグビー コラム 2018年8月24日

オールブラックスが勝ち越しを決めるのか?ワラビーズが意地を見せるのか? ザ・ラグビーチャンピオンシップ第2節の見どころ

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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南半球最強の4カ国による戦い「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」が今週末、第2節を迎える。8月18日に行われた開幕節は、ニュージーランド代表オールブラックスがオーストラリア代表ワラビーズを38-13で下し、南アフリカ代表スプリングボクスはアルゼンチン代表プーマスに34-21で勝った。ともに大きくボールが動く展開で、観客を楽しませる内容だった。ホーム&アウェイで行われる同選手権は、同じカードが2試合続く。1週間で敗れたチームがどう修正してくるかも見どころだ。

ニュージーランドvs.オーストラリア

1戦目はオールブラックスが勝利。ブレディスローカップもかかる2戦目はワラビーズの巻き返し成るか?

オールブラックスとワラビーズの試合は、両国伝統の定期戦ブレディスローカップもかかっており、今週末もオールブラックスが勝てば16年連続のカップ保持が決まる。もし、ワラビーズが勝った場合は、日本(横浜・日産スタジアム)で行われる第3戦にカップの行方は持ち越されることになる。

第1戦はワラビーズのホーム、シドニーで行われたが、第2戦は8月25日、ニュージーランド最大の都市オークランドのイーデンパークで開催される。第1戦はワラビーズの出足が良く、前半はCTBリース・ホッジの先制PGなどで6-5とリード。しかし、オールブラックスは後半3分、WTBワイサケ・ナホロがタックルと同時に相手ボールをもぎとり、自陣22mライン内から攻め、CTBジャック・グッドヒューが逆転トライをあげた。終盤はワラビーズの運動量が落ちたこともあり、突き放した。

第2戦も同じ展開になるのか。ワラビーズがイーデンパークで最後に勝利したのは、1986年のこと。オールブラックスがこの場所では17連勝中である。ワラビーズが勝つためには、FWがいかにボールを確保できるかにかかっている。第1戦では、スクラム、ラインアウトともに圧力をうけ、ラインアウトは確保が5回、ボールを失ったのが8回と苦しんだ。それは最後に足が止まる要因にもなっていた。

第2戦のメンバーはスクラム最前列のPRを変えてきた。第1戦で先発したワラターズのPRトム・ロバートソン、セコペ・ケプをリザーブに下げ、PRスコット・シオ、アラン・アラアラトアのブランビーズコンビを先発させる。これがスクラムにどう影響するか。BKでは、FBイズラエル・フォラウが怪我で欠場となり、第1戦でWTBに入っていたデイン・ハイレットペティがFBに回り、リザーブだったジャック・マドックスがWTBで初先発する。先週はデビュー戦でトライをあげたマドックスは持ち前の決定力を発揮できるだろう。

迎え撃つオールブラックスは、FWについては第1戦と同じ先発メンバー。BKは怪我のため2名の変更がある。ライアン・クロッティに代わり抜群の突破力を誇るンガニ・ラウマペが先発し、グッドヒューとCTBコンビを組む。また、WTBリーコ・イオアネに代わっては、FBからベン・スミスが上がり、FBにはジョーディー・バレットが入った。技巧派のクロッティからラウマペへ。その突進力はワラビーズを苦しめるだろうし、ジョーディー・バレットは長距離プレースキッカーだ。第1戦とは少し違った組み立てで得点をあげるだろう。オールブラックスの攻守の切り替えの素早さに、ワラビーズがどこまでついていけるのか。立ち上がりから目が離せない戦いだ。

個人記録では、オールブラックスの3番オーウェン・フランクスが、同国史上9人目の100キャップとなる。面白いのは、フランクスが99のテストマッチ(国代表同士の試合)に出場して一度もトライをしていないことだ。これは、ノートライの世界記録で、このまま100を越えてほしい気もするが、100キャップ目で初トライも見てみたい。今回はフランクスにも注目である。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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