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ラグビー コラム 2018年8月23日

【ザ・ラグビーチャンピオンシップ】南アフリカ代表、スプリングボクスの注目選手

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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先週開幕したザ・ラグビーチャンピオンシップ。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの4カ国が南半球No.1を賭けて戦う。その注目選手を紹介するコラム。今回は南アフリカ「スプリングボクス」だ。

◆決定力が高い、24歳の世界最高峰フッカー
 マルコム・マークス(Malcolm Marx)

所属:ライオンズ
ポジション:HO(フッカー)
身長/体重:189cm/112kg
生年月日:1994年7月13日
キャップ数:13

24歳にして世界最高峰のHO(フッカー)の呼び声が高いマルコム・マークス。スクラムでの強さはもちろんのこと、ボールキャリア、そしてラインアウトから自らモールでトライを取る決定力も高く、ジャッカルも上手い。

南アフリカのFW第1列としては小柄ということで、高校までは主にFL(フランカー)だったが、テンポの速い現代のラグビースタイルに合うということで、2015年ワールドカップを指揮した南アフリカ代表ハイネケ・メイヤー ヘッドコーチの勧めでHOに転向。それがライオンズの攻撃的なスタイルにうまくフィットして才能を開花がした。

10代前半から注目されていたが、2016年に南アフリカ代表の中軸だったアドリアーン・ストラウスの後継HOとしてスプリングボクスに招集されて瞬く間にスターダムにのし上がった。2017年は南アフリカ最優秀選手、最優秀若手選手、南アフリカのスーパーラグビー最優秀選手の3冠を獲得した。

所属のライオンズ、そして南アフリカ協会も契約を延長し、2019年ワールドカップに不可欠な存在としての評価は揺るがない。また、早くも今年のワールドラグビーの年間最優秀賞選手の最右翼とも言われている。

今年もスーパーラグビー開幕から絶好調だったが、5月に負傷してしまい、6月のテストマッチシリーズは欠場。しかし、スーパーラグビーのプレーオフで復帰し、準決勝で2トライを挙げるなどライオンズの3年連続準優勝の原動力となった。

ザ・ラグビーチャンピオンシップでの活躍も期待されており、オールブラックスHOデイン・コールズと世界最高峰のHO対決はみどころの一つとなりそうだ。

女手一つで育てられたこともあり、母親をとても大切にしているという。少年時代は水球をしていたそうで、その時についたヘラジカを意味する「ムース」(moose)がニックネームだ。

◆南アフリカ代表史上初の黒人キャプテン
 シヤ・コリシ(Siya Kolisi)

所属:ストーマーズ
ポジション:FL(フランカー)
身長/体重:188cm/102kg
生年月日:1991年6月16日
キャップ数:31

今年、南アフリカ代表史上初の黒人のキャプテンとなったFL(フランカー)シヤ・コリシ。攻守にわたって激しいプレーが持ち味で、ラインプレイクを繰り返す。ワークレートもパススキルも高く、リーダーシップに長けており、昨年の南アフリカの選手が選ぶ最優秀選手賞にも輝いた。

早くに父親を亡くし、祖父母のもと幼少期は貧しい家庭で育ったが、12歳の時に出場した大会でスカウトされて、奨学金を受けて進学してラグビーを続けた苦労人だ。高校南アフリカ代表、U20南アフリカ代表を経験し、2011、2012年にはU20ワールドチャンピオンシップに出場した。

18歳の時にウェスタン・プロヴィンスに入団し、2012年にそのままストーマーズでスーパーラグビーデビューを果たした。2013年にはスプリングボクスに初招集されてからは、2015年ワールドカップにも出場するなど、コンスタントにインターナショナルレベルでもプレーを続けている。

昨年2月からはストーマーズのキャプテンに任命され、今年、代表のキャプテンにも就任し、6月のイングランド代表戦で2勝を挙げるなど、チームの中軸の一人として活躍。今後もリーダーとしてフィールド内外で南アフリカ代表を引っ張っていくはずだ。

ボクスとストーマーズのチームメイトのLO(ロック)エベン・エツベスとはプライベートでも一緒に出かけるほどの大の仲良し。2016年に結婚した夫人との間に生まれた息子と娘がいるが、彼を若くして産んだ母はすでに他界しているため、2人の異父兄妹を養子に迎え入れて一緒に育てている。今ではコリシ一家は南アフリカの新しい家庭の象徴的な存在となっている。

◆すべてにハイレベルな若き司令塔
 ハンドレ・ポラード(Handre Pollard)

所属:ブルズ
ポジション:SO(スタンドオフ)
身長/体重:189cm/97kg
生年月日:1994年3月11日
キャップ数:29

6月のテストマッチシリーズでスプリングボクスにあらためて必要な選手であることをあらためて証明したハンドレ・ポラード。常に冷静で決断力があり、パス、ラン、キックとすべてがハイレベルな若き司令塔である。

早くからその才能が見いだされ、2013年、18歳で出場したU20チャンピオンシップで優勝に貢献。2014年にはキャプテンとして同大会で準優勝を果たし、世界のジュニア選手の最優秀選手に選出されたほどだ。

同年にブルズでスーパーラグビー初出場し、その勢いのままとスプリングボクスでデビューを果たした後は、南アフリカ代表のレギュラーとしても定着し、2015年ワールドカップにも出場。2015年ワールドカップ終了後にトップリーグのNTTドコモで1シーズンプレーした。

2016年シーズンはケガに悩まされ、スプリングボクスに招集されず、ブルズのキャプテンとなった2017年も精彩を欠き、代表の正SOの座をエルトン・ヤンチースに譲った。しかし、今年はスーパーラグビーでチームが苦戦する中も144点を挙げて気を吐いて、6月のテストマッチシリーズではSOのレギュラーを奪い返し、イングランド代表戦の2試合で28点を挙げる活躍を見せた。

ラグビー面だけでなくメンタル面でも大きな成長を遂げたポラードの正確なプレー、そしてプレースキックはライバルにとって大きな脅威となる。

趣味はゴルフ。好きな食べ物は肉。もともとはストーマーズのホームであるケープタウンの出身だが、2015年ワールドカップで指揮官を務めたハイネケ・メイヤーに見出されて、ブルズでデビューを果たした。今年2月、同郷の幼馴染で10代から長く交際していた元陸上選手の恋人と結婚するなど公私ともに絶好調だ。

◆敵陣を切り裂くスピードスター
 ウィリー・ルルー(Willie Le Roux)

所属:ワスプス
ポジション:FB(フルバック)
身長/体重:186cm/90kg
生年月日:1989年8月18日
キャップ数:44

ディフェンスを寄せ付けないスピードとステップで敵陣を切り裂く俊足FB。キャッチやパスなどの総合的なスキルも高く、プレースキックにも定評がある選手がウィリー・ルルーだ。南アフリカ代表の正FBとして、2015年ワールドカップではチーム3位の原動力となった。

ワールドカップ終了後の2015-16シーズン、トップリーグのキヤノンでもプレーし、NTTドコモ戦ではマンオブザマッチに輝き、開幕戦から3試合連続でトライをとるなどチームのLIXILカップ(1~8位決定トーナメント)進出に貢献する活躍を見せ、翌シーズンもプレーした。

2016年、スーパーラグビーではチーターズからシャークスに移籍したが、秋にはイングランド・プレミアシップのワスプスに移籍し、欧州でも持ち前の能力の高さを発揮し、25試合に出場して20得点を挙げ、チームのベスト4進出に貢献した。

昨年は代表でのプレーはなかったが、今年6月に1年半ぶりにスプリングボクスに復帰を果たし、対イングランド代表3連戦すべてに出場してトライも挙げるなど、BKには欠かせない存在としてアピールに成功した。

イングランドでのプレーでキック、ハイボール、キャッチング、ディフェンスと大きく成長できたと感じているルルーは、南半球の強豪相手にも切れ味のいいランを披露することができるか。

好物は寿司で、自分のプロフィールには必ず書くほど。7歳でラグビーを始め、憧れの選手は元オールブラックスのカルロス・スペンサー(現・宗像サニックスBKコーチ)。3人兄妹で妹が2人いる。ワスプスのファンにも大人気で、試合や練習後はいつも大勢のファンに囲まれている。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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