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ラグビー コラム 2018年7月18日

3分でわかる神戸製鋼に加入した、ダン・カーターのものすごさ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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世界で最も有名で実績のある「DC」こと、元ニュージーランド代表のSO(スタンドオフ)ダン・カーターが、トップリーグの神戸製鋼コベルコスティーラーズに加入した。

カーターと言えば、2003年にクルセイダーズとニュージーランド代表「オールブラックス」でデビューを果たし、スーパーラグビーとテストマッチの両方で長い間、活躍し続けてきた世界的スター選手である。

2015年ラグビーワールドカップでは黒衣を纏い、オーストラリア代表との決勝で、21-17で迎えた後半30分に左足でDG(ドロップゴール)を決めるなど躍動し、34-17で勝利し優勝に貢献した。

また、2013年11月にオールブラックスの一員として日本代表と対戦したときもカーターはハイパントキックなどで日本代表のディフェンスを崩して54-6で快勝した試合を覚えているラグビーファンも多いはずだ。

カーターは長短のパス、ラン、タックル、そして左足から放たれるキックも正確で、ゲームコントロールにも秀でた司令塔である。

スーパーラグビーのクルセイダーズで、はロビー・ディーンズHC(ヘッドコーチ/元パナソニック監督)の下、2005年、2006年、2008年と3度栄冠に輝き、2004年と2006年にはスーパーラグビーの年間最優秀選手に選出された。

そして、2015年までプレーし続けたスーパーラグビーでは141試合に出場、通算最多得点記録(1708点)を保持している。

現在は代表の舞台からは引退したものの、ニュージーランド代表としては112キャップを誇り、現在もテストマッチで世界歴代1位の1598得点の記録保持者として君臨している。

2011年の自国開催のワールドカップこそ、大会途中で左そけい部を負傷しチームを離脱したが、前述のように2015年のワールドカップでは中心選手の一人としてオールブラックスを引っ張り、ニュージーランド代表の2連覇に貢献した。

ワールドラグビー(元IRB)の年間最優秀選手賞には5回ノミネートされ、2005年、2012年、2015年と3度受賞している。この3度の受賞は元オールブラックスのチームメイトであるFL(フランカー)リッチー・マコウと並んで最多タイである。

また、2015年のワールドカップを終えてから移籍したフランスのラシン92では、司令塔としていきなりフランスリーグ「トップ14」の優勝に貢献、同年度にはヨーロッパチャンピオンズカップも決勝まで進出している。

会見に同席した神戸製鋼の福本正幸チームディレクターは来日会見で「ダン(・カーター)は素晴らしいプレーで我々を助けてくれることはもちろん、彼の持っているリーダーシップと世界一の経験値を落とし込んでもらいたい」。

「また、真摯にハードワークして、ファンを大切にするマインドという真のプロ意識をチームのみんなに伝えてほしい」と期待を込めた。

カーター自身も「私のプレーを見れば、ラグビーのことをわからない方も(トップリーグで)私のスキルを見て、おもしろいと感じると思います。精度の部分、一貫性の部分も見てほしい」。

「ラグビーは激しいスポ-ツで、激しさの中で、私の冷静さと他の選手とコミュニケーションを取ってリーダーシップを出せれば」と語っていた。

現在、イングランド代表HCであるエディー・ジョーンズ(元日本代表指揮官)も、かつて「カーターは80分間、安定したプレーを続けることができ、一度だけだが、ひらめきのあるプレーをする。だから効果的だ」とプレーの一貫性を高く評価していた。

ただ、36歳という年齢にはラグビー選手としてすでにベテランの域に達している。

しかし、福本チームディレクターは(元オールブラックスのアシスタントコーチで神戸製鋼の総監督の)ウェイン・スミスに相談すると「(年齢は)気にする必要はない。誰よりも真摯で誰よりもハードワークでき、自己管理できる」と日本での活躍に太鼓判を押したことも獲得した理由の一つになったという。

そしてカーターが加入したことで、世界のラグビーファンが神戸製鋼、そして日本のトップリーグにより注目することになる。

「カーターの加入は来年に迫ったワールドカップにも追い風になると思います。神戸、日本のラグビーの気運を盛り上げて、ワールドカップの成功に尽力したい」と福本チームディレクターが言うように、カーターの存在がワールドカップの気運を高めるはずだ。

カーターと神戸製鋼の契約は現在のところ2年。延長の可能性もあるが、カーターはプロのラグビー選手としてのキャリアを日本、そして神戸製鋼で終えるつもりだ。

カーターの存在感、そしてSOとしての安定感あるプレーは神戸製鋼のチーム力を上げることにつながるはずだ。世界的な司令塔であるカーターが引っ張る神戸製鋼が2003年から遠ざかっているトップリーグの頂点に立つことができるだろうか。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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