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ラグビー コラム 2018年7月16日

「ラグビー界のスーパースター」ダン・カーター、神戸製鋼に加入。トップリーグ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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7月16日(月・祝)、神戸市内にて、ラグビー界の世界的スーパースターSO(スタンドオフ)ダン・カーターが、神戸製鋼コベルコスティーラーズでプレーするために来日し、記者会見が行われた。

カーターはニュージーランド代表「オールブラックス」のキャップ「112」を誇り、2015年ラグビーワールドカップでニュージーランドの2連覇に貢献し、ワールドラグビー年間最優秀選手にも3回輝いたスーパースター。

今シーズンから最低2シーズンは神戸製鋼でプレーし、自身のラグビー選手としてのプロキャリアは日本で終えるつもりだという。

まず、カーターは日本語で「コンニチハ、ダン・カーターです。日本、そして神戸に来ることができて嬉しいです。よろしくお願いします」と緊張した面持ちで挨拶した。そして、カーターは日本、そして神戸製鋼でプレーすることになった経緯をこう説明した。

「今日、会見で日本語を話すことは、明日の練習に集中できないくらい緊張していました。日本に今回来たのは4回目です。以前に来たのはオールブラックスの試合やイベントの関係で来たことがあります」。

「日本は特別な場所というイメージです。フランスの(ラシン92との)契約が終わって、もう1つプレーしたい国が日本だったので、日本に来たいと思いました。神戸製鋼コベルコスティーラーズに入れることができて、エキサイティングな気持ちで過ごしています」。

「2019年ワールドカップは日本で開催されるので、これ以上の場所はないです。日本に住みながらプレーするのは楽しみです。今朝、楽しみにしていたチームメイトに会うことができ、午前中の練習に参加することができて、エキサイティングな気持ちですし、新しいモチベーションになっています」。

「学校が始めるときのような気持ちになっています。新しいことがたくさんあって、新しいモチベーションになっています。(プロ選手として)16シーズンプレーを続けて、これだけラグビーをしていますと、新しいモチベーションが必要になってきて、ここでモチベーションを見つけることができました」。

「今年、自分のスキル見せることができたらと思います。早めにシーズンに始めたいくらいエキサイティングな気持ちでいます」。

今シーズンの意気込みをカーターは「神戸製鋼は長い歴史を持ったチームです。私が入って来て、チームに貢献して、是非とも新しい歴史を創りたいと思っています」とコメント。

「2003度年、始めてトップリーグで優勝しましたが、そのときから勝っていないので、優勝したいと思っています。優勝することは簡単なことではないと思いますし、トップリーグは強いチームがたくさんあると思いますが、ハードワークして優勝したい」と力強く語った。

また、カーターは日本ラグビーの発展にも積極的に協力する心づもりだという。「本当に日本のラグビーに貢献したいと思っています。ラグビーというスポーツは本当に美しいスポーツだと思います。そのスポーツがさらに成長できるようにやっていきたい」。

「自分の経験をチームに活かして、若い選手の成長に貢献したいと思っています。来年、日本でワールドカップがあるので、日本でラグビーの興味が高められるようにできることをやっていきたい」。

その後、カーターはメディアの質問に次のように対応した。

―― 神戸製鋼で何年くらいプレーする予定ですか?

(36歳と)歳としてはもう若くないので、2シーズンの契約を結んでいます。その後のことはわかりません。1つ決まっていることは、自分のキャリアを神戸で終わらせようと思っています。

ただし、それは何年後か今のところわかりません。今まで素晴らしい成功したチームでキャリアを積んで来ましたが、最後を神戸でプレーすることを楽しみにして、一番いいプレーをしたい。

―― 日本のラグビーについてチームメイトなどに聞いていましたか?

日本に来る前に神戸製鋼のチームメイトや、ニュージーランド人に話を聞いていました。日本のラグビーは速いペースでやっていると聞いています。もう1つ、毎シーズントップリーグのレベルが上がっていると聞いています。

逆に言いますとフランスやヨーロッパは激しいプレーはありますが、日本は激しさプラス、スピードがあると聞いています。日本でやるのが楽しみです。今年の(神戸製鋼の)スタイルは速さもありますし、ファンのみなさまが見て楽しめるようなラグビーをしていきたい。

―― あらためて神戸製鋼に決めた経緯、一番の決め手は何ですか?

経緯について説明すると、私は日本でプレーしたいと思っていて、神戸製鋼がそれを聞いて話しに入りました。そしてオファーがあって神戸製鋼に決めました。

その理由はいくつかありますが、(アンドリュー・)エリス(神戸製鋼)に話を聞きましたし、よく対戦したアダム・アシュリークーパー(神戸製鋼)にも相談しました。それ以外にニュージーランドのコーチングスタッフからもいろいろ聞いていて、優勝できる体制があると自信を持ちました。

それと神戸製鋼のビジョンが好きでした。今まで成功できるチームに参加していました。オールブラックス、クルセイダーズでプレーしていましたが、神戸製鋼も優勝したいというビジョンを持っています。

プレーオフまで行きたいというものではなく、優勝したいというビジョンを持っていますので、是非、そのビジョンに貢献したいと思います。最後に優勝してから時間が経っていますが、優勝したい。

―― 外国人選手が新しい環境に馴染むために大事なことは何ですか?

もちろん新しい環境、国に来てチャレンジの部分もありますし、日本でやっているラグビーに挑戦しないといけない部分が出てくると思います。トップリーグが始まるまで7週間しかないので、早めにチームに慣れて貢献できるようにしたい。

シーズンが始まっても短いシーズンなので、どの試合でも重要だと思います。最初の試合からハイパフォーマンスでいかないと行けないと思っていますし、ハイパフォーマンスを出すために周りの選手のサポートが必要だと思っています。

エリスやアシュリークーパーが、いろいろサポートしてくれると思います。ニュージーランドのコーチも数名いるので、神戸製鋼のやろうとしているラグビーがニュージーランドに似ている部分たくさんあると思います。是非ともニュージーランドでの自分の経験も含めてチームに貢献したい。

日本のラグビーに慣れる選手、慣れない選手がいると思います。私は複数の国でラグビーをプレーする経験をしてしますが、ハードワークしないといけないと思っています。

神戸製鋼のスタイルで自分のラグビーができるように(来日する)前からハードワークしてきました。

―― あまりラグビーを観たことがない人はダン・カーター選手のどこを見るとラグビーを楽しめるでしょうか?

日本では他のスポーツと比べてラグビーはそこまで人気はないかもしれませんが、神戸で私のプレーを見れば、ラグビーのことをわからない方も私のスキルを見て、おもしろいと感じると思います。

精度の部分、一貫性の部分も見てほしい。例えばキックはどのキックも精度高く蹴ろうと思っていて、どのキックでも精度、完成度を出そうとしています。ラグビーは激しいスポ-ツで、激しさの中で、私の冷静さと他の選手とコミュニケーションとってリーダーシップを出せればと思います。

(スタンドオフというポジションは)例えばアメリカンフットボールのクォーターバックのようなポジションなので、周りの選手とコニュニケーションして、オーガナイズするところが、みどころかと思います。

―― パナソニックにはロビー・ディーンズ監督や、マット・トッド選手、東芝にはリチャード・カフィ選手、サントリーにはマット・ギタウ選手などがいます。誰と対戦するのが楽しみですか?

トップリーグにはワールドクラスの選手たくさんいますが、その中で一番対戦相手として楽しみなのは、トッド、カフィら以前チームメイトだった選手と対戦するのが楽しみです。

以前、同じチームでやっていたのでライバルだと感じると思います。彼らのチームに勝ったら「今回は僕の方が勝ったぞ」と言いたいですね。仲のいい選手がいるチームには負けたくないという気持ちも強いですね。

トップリーグのどのチームにも、知り合いや以前対戦した選手がいるので、彼らとトップリーグ対戦するのが楽しみです!

―― 今まで一番印象に残っている試合とその理由を教えてください?

記憶に残っている試合は、ニュージーランド人なら誰でもオールブラックスになる夢を持っていて、私がそれを実現できたのは2003年のことです。昨日みたいに思い出せることができます。

あの試合からオールブラックスの選手と言えるようになったので、私にとっても家族にとっても、テストマッチにデビューできた日は特別です。

それ以外に印象に残っている試合は2005年の(ブリティッシュ&アイリッシュ)ライオンズとの試合です。今までのベストパフォーマンスを出せたと思います。

今まで長くオールブラックスの試合をして、もう1つ覚えているのは、私の最後のオールブラックスの試合となった2015年ワールドカップ決勝は印象に残っています。

プロスポーツでは何も保証されていない。だから、あのような素晴らしい試合で、オールブラックスのキャリアを終わらせることができて本当に嬉しく思います。その試合に勝つことができてワールドカップを2度、ニュージーランド代表が取ることができたので本当に印象に残っています。

―― 来日して日本食を食べているということですが、一番何を食べたいですか?

一番好きな食べ物は寿司です。日本の寿司は世界で一番だと思います。日本で日本の寿司を食べられることとは楽しみです。ニュージーランドにいる栄養士からもっと納豆を食べろと言われます。もっと納豆が好きになるように頑張ってたくさん食べます!

―― 先ほど「新しいモチベーション」という話をしていましたが、他に国になくて日本にあるものとは何ですか?

私ほど長くプレーをするとチャレンジが必要になっています。新しいチャレンジが来ると、モチベーションが自然に上がってきます。オールブラックスやクルセイダーズでは、長くプレーしていて居心地のいいところだったと思いますが、新しいチャレンジが欲しかったのでヨーロッパに行きました。

フランスでの3シーズン終わった後、あと2年間、ヨーロッパでプレーするか他でするかという中で、日本に来るチャンスがあったので、日本で新しいチャレンジをものにしたいと思ったし、日本のラグビーはさらに成長していると思いますので、自分のモチベーションになっています。

新しい環境でプレーすることになると、チームメイトにも自分のスキルを見せないといけないし、自分ができること証明しないといけないこともモチベーションになっています。

(神戸製鋼では)ウェイン・スミス以外にはコーチされたことないので、新しいコーチ、友人、文化、環境でプレーすることもモチベーションが高まっています。

トップリーグというコンペティションに関しては知識不足なところはありますが、まだわからないことがあることは、楽しみにもモチベーションになっています。

2003年度以降、神戸製鋼は優勝していないので、優勝するということもモチベーションになって、エキサイティングな気持ちでいっぱいです。私としてはプロ選手としてプレーするのは日本で最後です。

今までキャリアの中で一番ハードワークしたいと思いますし、日本でプレーするのを楽しみたい。

ダン・カーター選手の神戸製鋼コベルコスティーラーズ入団会見は、J SPORTSオンデマンドで無料配信中。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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