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ラグビー コラム 2018年6月25日

第3戦で一矢報いたイングランド。2勝1敗の南アフリカは2019年へ期待膨らむ。

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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南アフリカvs.イングランド

南アフリカを舞台に行われたテストマッチシリーズ「南アフリカ代表×イングランド代表」の3連戦は、6月23日(土)にケープタウンで行われた第3テストをもって幕を閉じた。

今シリーズで評価を高めたのは、2勝1敗で勝ち越した南アだろう。

南アは今年3月にヨハン“ラシー”・エラスマスHC(ヘッドコーチ)が新指揮官となり、最初のウィンドウマンス(国際交流期間)で復活を大きくアピールした。

先発7人が初キャップを飾ったワシントンD.C.(アメリカ)でのウェールズ戦こそ惜敗(20-22)したが、母国へ戻り、迎えたイングランドとの初戦は42-39で逆転勝利。

迎えた第2テストも、「スプリングボクス」こと南ア代表の復権を願う国民へ勝利を届けた。

第2テストを振り返ると、イングランドはニュージーランド生まれのFW第3列、ブラッド・シールズが代表初先発。

一方、ホームの南アは、黒人初のスプリングボクス主将となったFLシヤ・コリシがこの日27歳の誕生日で、「ビースト」ことPRテンダイ・ムタワリラが100キャップ到達。

メモリアルマッチを勝利で飾りたい南アだったが、この日も初戦と同様スロースターターだった。

イングランドは前半10、13分にエリア両サイドを破って連続トライ。強力FWを避けてフィニッシュする形で12点をリードした。

しかしここから南アが逆転劇。

前半24分、PRムタワリラが突破で相手DFラインを乱し、NO8デュアン・フェルミューレンがフィニッシュ。

前半29分、39分にはSOハンドレ・ポラードのショット成功で、前半を1点リード(13-12)で折り返した。

さらに南アフリカは後半10分に敵陣ゴール前スクラムでペナルティトライ。のちにショットによる3点追加で23-12とした。

この日のイングランドはペナルティを13回犯し、後半29分には途中出場のネイサン・ヒューズが、ラックで寝ながらボールをはたいて不要なイエローカード。

14人で11点差を追いかける難しい展開となり、結局23-12のまま終局を迎えていた。

イングランドはバーバリアンズ戦を含めて悪夢の6連敗。

名誉挽回を懸けて迎えた第3テストは、湾岸都市ケープタウンが舞台。

雨で滑りやすいコンディションのなか、両軍は主にキックで敵陣へ。その数は両軍合わせて第2テストの「43回」から「73回」に大幅に増えた。

ボールが濡れてハンドリングも難しい状況となり、両軍が密集戦で堅い防御を見せたこともあってロースコアの展開に。試合は双方がペナルティゴール(PG)で加点していった。

前半はイングランドのCTBオーウェン・ファレルが2本、南アフリカはSOエルトン・ヤンチースが1本のPG成功。6-3で後半へ向かった。

イングランドは後半開始直後のスクラムでのコラプシングを獲得し、さらにショット成功で9-3に。

直後、南アはFW第1列を全員変更。すると後半6分、怒濤の攻めを見せる南アは、連続攻撃からFBウォリック・ヘラントが防御裏へグラバーキック。

これをCTBジェシー・クリエルが押さえ、この日両軍通じて初トライ。SOヤンチースのゴール成功で、10-9と逆転した。

ところがこの日の南アは14回のペナルティを犯し(イングランドは6回)、CTBファレルにPGチャンスを与えた。

イングランドは後半10分にPGで再逆転し、その8分後にも3点追加。あっさりと5点のリード(10-15)を奪った。

南アは反則による失点が重荷となり、次第に苦境に追いやられると、後半32分だった。

2008年以来の代表先発となったイングランドのSOダニー・シプリアーニがターンオーバーの直後、左足からインゴールへクロスフィールドキック。

ジョニー・メイが快足を飛ばし、ボールデッドとなる直前でインゴールに押さえ、イングランドに値千金のチーム初トライをもたらした。

ゴール成功で10-22。直後にボールを保持した南アが自陣で反則を犯し、イングランドがさらに3点追加して勝負アリ。

10-25でイングランドが第3テストを制し、一矢報いる格好でシリーズ3連戦を終えた。

イングランドのエディー・ジョーンズHCは試合後の記者会見で「素晴らしいシリーズだった」と振り返り、勝ち越しの南アを「最初の2試合は本当に良く、シリーズの勝利に値した」と讃えた。

またジョーンズHCは、南アが今後さらに成長し、2019年W杯で有力なチームになるという考えも示した。

2勝1敗で勝ち越した南アのエラスマスHC。第3テストの出来については「正直なところ今日はひどかった」。

ただ、国民の期待が膨らむ2019年W杯へ向けては、「新鮮でバランスの取れた、経験豊富なチームを確保していかなければならない」。約1年3か月後の本番へ向けて意気込みを語った。

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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