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ラグビー コラム 2018年6月21日

世界4位のオーストラリアvs.2位アイルランドの3連戦、1勝1敗で迎える最終戦

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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世界のラグビーシーンでは6月、11月は代表月間である「ウインドウマンス」と呼ばれ、6月は北半球の国々が、南半球に遠征してテストマッチに挑んでいるが、いよいよ終盤を迎えている。

世界ランキング4位の「ワラビーズ」こと、オーストラリア代表が、今年のシックス・ネーションズ(欧州6ヵ国対抗)全勝優勝で同2位アイルランド代表をホームに迎えて3試合を行っており、6月23日(土)にはシドニーのアリアンツ・スタジアムで最終戦が行われる。

第1戦はブリスベンのサンコープスタジアムで9日に行われ、アイルランド代表はSO(スタンドオフ)に22歳のジョーイ・カーベリーが先発。

そのカーベリーのPG(ペナルティゴール)で前半2分に先制するが、その後、オーストラリアがPGで同点とし、25分に再びアイルランド代表がPGで3-6とする。

だが、アイルランド代表にミスが続くと、33分、ワラビーズのSOバーナード・フォーリーがトライを挙げて8-6と逆転。

後半はオーストラリアの激しいディフェンスの前に、アイルラインド代表なかなかゴールラインを破ることができない。それでも15分にPGで再びアイルランドが8-9と逆転し、SOに大黒柱のジョナサン・セクストンを投入。

だが、オーストラリア代表がSOフォーリーのPGと、2016年の6月以来、代表に復帰したFL(フランカー)デーヴィッド・ポーコックのトライを挙げて18-9で勝利した。

メルボルンで行われた第2戦では、オーストラリア代表はマイケル・チェイカHC(ヘッドコーチ)が就任してから初めて前の試合と同じメンバーで臨み、一方のアイルランド代表はSOにセクストンが先発。

この試合ではまずホームのワラビーズが、CTB(センター)カートリー・ビールのトライで先制するが、その直後にWTB(ウィング)マリカ・コロインベテが危険なタックルでイエローカードをもらいシンビンに。

数的有利となったアイルランド代表は、ラインアウトからモールを継続してトライし同点にすると、さらにPGで7-10と逆転する。

その後もオーストラリア代表がペナルティを重ね、アイルランド代表はSOセクストンの2つのPGで7-16とオーストラリア代表を引き離しにかかる。

だが、ホームのオーストラリア代表もペナルティトライで14-16と2点差まで追い上げる。さらにアイルランドはPR(プロップ)ティーグ・ファーロングがスクラムでシンビンとなる。

それでも勢いは数的不利な状況のアイルランド代表にあり、PRシアン・ヒーリーのトライとPGで14-26と突き放す。

オーストラリア代表も最後にPRタニエラ・トゥポウのトライで意地を見せるが、セクストンがプレースキックで16点を挙げる活躍を見せたアイルランド代表が、26-21とワラビーズに雪辱。39年ぶりにオーストラリアからアウェーで白星を奪取した。

1勝1敗となった両者の決着は、最終戦のシドニーまで持ち越されることとなった。

20日(水)は休息を取って、選手は家族や友人と過ごしたというオーストラリア代表は、チェイカHC(ヘッドコーチ)が「セレクションが最も重要」と話し、基本的にはこのシリーズはメンバーを固定して戦う方針だ。

ただ、第2戦でPRヒーリーと衝突したSH(スクラムハーフ)ウィル・ゲニアが右腕を骨折し、戦列を離脱。

先発にはニック・フィップスが入り、またFLカレブ・ティムに替わりルクハン・トゥイが入る2名の変更にとどまった。またSHジョー・パウエル、FLネッド・ハニガンがリザーブに入った。

◆オーストラリア代表 先発予定メンバー

【FW】(フォワード)
1 スコット・シオ 2 ブランドン・パエンガアモサ 3 セコペ・ケプ
4 アイザック・ロッダ 5 アダム・コールマン
6 ルクハン・トゥイ 8 デーヴィッド・ポーコック 7 マイケル・フーパー(C)

【BK】(バックス)
9 ニック・フィップス 10 バーナード・フォーリー
12 カートリー・ビール 13 サム・ケレヴィ
11 マリカ・コロンインベテ 14 デイン・ハイレット-ペティ 15 イズラエル・フォラウ

【リザーブ】
16 トル・ラトゥ 17 トム・ロバートソン 18 タニエラ・トゥポウ 19 ロブ・シモンズ 20 ネッド・ハニガン 21 ピート・サム 22 ジョー・パウエル 23 リース・ホッジ

一方のアイルランドは、ジョー・シュミットHCが「このオーストラリア3連戦は招集した選手すべてにチャンスを与えるつもりだ」と表明していたように、5人の先発を変更。

FWから見ていくと、第1列はPRヒーリーに代わり、ジャック・マクグラス、HO(フッカー)ニール・スカンネルに代わり、ショーン・クローニンが入った。

バックローは先週NO8(ナンバーエイト)に入っていたCJスタンダーが6番に、ピーター・オマーニーが6番から7番に移動し、第2戦ではメンバー入りしなかったジャック・コナンがNO8のポジションに入った。

BKは、CTBギャリー・リングローズとWTB(ウィング)アンドリュー・コンウェイがケガのため、11番にジェイコブ・ストックデール、12番にバンディー・アキが先発する。

リザーブには先週初キャップとなったLO(ロック)ティーグ・バーンと、まだキャップのないWTBのロス・バーンがベンチに座ることになった。

◆アイルランド代表 先発予定メンバー

【FW】
1 ジャック・マクグラス 2 ショーン・クローニン 3 ティーグ・ファーロング
4 デヴィン・トナー 5 ジェームズ・ライアン
6 CJ・スタンダー  8 ジャック・コナン 7 ピーター・オマホニー(C)

【BK】
9 コナー・マレー 10 ジョナサン・セクストン
12 バンディー・アキ 13 ロビー・ヘンショウ
11 ジェイコブ・ストックデール 14 キース・アールズ 15 ロブ・カーニー

【リザーブ】
16 ニール・スカンネル 17 シアン・ヒーリー 18 ジョン・ライアン 19 ディーグ・バーン 20 ジョーディー・マーフィー 21 キーラン・マーミオン 22 ロス・バーン 23 ジョーダン・ラームール

アイルランド代表が勝てば、オーストラリア代表に対して敵地での歴史的な連勝になる。一方のオーストラリア代表もホームで、ランキング的に格上の欧州王者に勝ち越して、来年のワールドカップに弾みをつけたいところだ。

雌雄を決することになった、オーストラリア代表vs.アイルランド代表の最終戦は6月23日(土)、シドニー・アリアンツスタジアムでキックオフ。

午後6:45から、J SPORTS 4で生中継、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。世界ランキング2位と4位の激突は、第3戦も世界のラグビーファンを魅了する熱戦となりそうだ。

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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