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昨年の感動が再び、東京都・港区、そしてラグビーの「聖地」秩父宮ラグビー場にやってくる。
ラグビーワールドカップ2019日本大会を来年に控え、6月17日(日)、東京・北青山にある秩父宮ラグビー場を中心に、試合はもちろんのこと、さまざまなイベントを通してラグビーが体感できる地域国際交流イベント「秩父宮みなとラグビーまつり2018」が今年も開催される。
今年のメインはフレンドマッチ2試合で、オーストラリアのスーパーラグビーの強豪2チーム、ワラターズとブランビーズを招く。
日本側からはトップリーグチーム2チームが参戦し、港区台場や赤坂に社屋を構えるサントリー(サンゴリアス)が昨年に続き登場し、今年は港区芝に本社があるNEC(グリーンロケッツ)も参加することになった。
本イベントの大きな特徴としては、試合開始の前から試合開始後までラグビーを軸とした地域・国際交流イベントを楽しめることにあるだろう。
昨年はラグビーイベントとしては初めてスタジアム通りを封鎖し、ワールドカップに出場する国の大使館や、2019年ラグビーワールドカップ開催都市、世界各国の食事など30団体44ブースが出展された。
特設イベントではアイドルイベントや元ラグビー日本代表選手によるトークショーが行われ、2万5000人を超える人々が参加して、まさしく秩父宮ラグビー場周辺がラグビー一色に染まった。
今年も昨年同様にスタジアム通りが封鎖されることが決まっており、スタジアム通りだけでなく、絵画館前通り(いちょう並木)にも様々なブースが出店されることになった。
ラグビーのグッズの販売があったり、世界のグルメが楽しめたりすること以外にも、元ラグビー日本代表の齊藤祐也さんと今泉清さんによるトークセッションが行われる。
その他、「KAGAJO☆7」やEBiDAN39&KiDSの選抜メンバーで構成される「BATTLE BOYS」の熱気溢れるアイドルたちのライブ、気軽にラグビーを体験できる「J:COMラグビーパーク」も実施。
また、子ども向け体力測定コーナー、ラグビーが盛んな自治体のPRブースを巡るスタンプラリーなどが企画されており、昨年以上の盛り上がりを見せることは間違いない。
他にも秩父宮ラグビー場では、試合の前には「秩父宮ラグビー場『聖地』体験プログラム」として、元ラグビー日本代表元で「秩父宮みなとラグビーまつり」アンバサダーの齊藤祐也さんによる、初心者や女子向けのラグビー講習会も実施される。
また、試合中には「スポ婚 ~Tackle toward true Love~」という、ラグビー観戦を楽しみながら、男女の出合いを創出する街コンも実施される(申し込みはすでに終了)。
メインはオーストラリアのスーパーラグビーの強豪と日本のトップリーグの2試合だ。昨年1試合だったが、今年はフレンドシップマッチが2試合となり、チケット1枚で日本のトップリーグの強豪とスーパーラグビーに所属するオーストラリアの強豪の対戦が2試合も楽しめる。
なお、スーパーラグビーチームとの試合が日本で、1日で2試合見られるのは初めてのことだという。
11:00にキックオフされる第1試合はワラターズvs. NECの対戦だ。シドニーを本拠地とするワラターズは2014年、スーパーラグビーで初優勝を果たしたオーストラリアの強豪の一つ。
2018年もスーパーラグビーのオーストラリアカンファレンスで首位に立っている。昨年も本イベントに登場して、21-19でサントリーを下したことは日本のラグビーファンも覚えていることだろう。
ワラターズのメンバーを見ると、20代前半の若い選手も多いが、FW(フォワード)には、ワラビーズ経験のあるPR(プロップ)バディー・ライアン、BK(バックス)にはオーストラリア代表2キャップで、パナソニックにも在籍したことでお馴染みのWTB(ウィング)タンゲレ・ナイヤラヴォロ。
そして、セブンズでリオ五輪に出場した万能BKキャメロン・クラーク、元豊田自動織機のSO(スタンドオフ)ブライス・ヘガティーらが入った。
国内で初めてスーパーラグビーチームと単独で対戦する昨年トップリーグ8位のNECは、今年からチームに入団した元ニュージーランド代表SOスティーブン・ドナルド、元日本代表FL(フランカー)細田佳也、リオ五輪のセブンズ日本代表のエースWTB後藤輝也など実力のある選手たちも出場しそうだ。
また、今年から共同キャプテンを務める8年目のSO森田洋介、2年目のFL亀井亮依の2人がチームを引っ張り、11年目のFB(フルバック)吉廣広征、10年目のLO(ロック)廣澤拓、CTB(センター)釜池真道といったベテランたちのいぶし銀のプレーにも期待したい。
ワラターズは、現在、テストマッチを戦っているワラビーズ組が抜けているため、チームの連携はさほどよくないはずだ。NECとしてはホームの地の利を活かして、持ち前のディフェンスやスクラムを武器にリズムを掴み、ボールを広く動かすアタックで勝利を目指したい。
14時からキックオフされる試合はブランビーズとサントリーが対戦する。キャンベラを本拠地とするブランビーズ2001年、元日本代表ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズ氏が率いてスーパーラグビーで優勝を経験するなど豪州の雄で、伝統的に華麗なパスワークが武器とする。
現在、スーパーラグビーのオーストラリアカンファレンス3位と、どうにかプレーオフ出場圏内にいる。
ブランビーズのメンバーを見るとPRベン・アレグザンダー、LOサム・カーター、LOブレイク・エネヴァー、共同キャプテンで今年から豊田自動織機シャトルズ入りがきまったSOクリスチャン・リアリイファノ、CTBカイル・ゴッドウィン、WTBヘンリー・スパイトとオーストラリア代表経験者がずらり。本気度合いが伝わってくる。
対する、一昨年度、昨年度とトップリーグと日本選手権2冠のサントリーは、昨年負けた悔しさをバネに、日本代表組以外はほぼベストに近いメンバーで、ブランビーズを迎え撃つ。
FWは、第1列は今年からチームに復帰したPR金井健雄に、畠山健介、垣永真之介と日本代表キャップホルダーが並んだ。HO(フッカー)は売り出し中の北出卓也、帝京大から加わったルーキーの堀越康介。
さらにLOはニュージーランド出身でスーパーラグビー優勝も経験しているジョー・ウィラー、FLには元日本代表のツイ ヘンドリック、NO8(ナンバーエイト)にはオーストラリア代表26キャップのショーン・マクマーンが入った。
BKはSO小野晃征、CTB村田大志、WTB長友泰憲といった日本代表キャップホルダーに、オーストラリア代表103キャップのCTBマット・ギタウも顔を揃えた。
FWとBKに隙のないメンバーで、武器とするアタッキングラグビーでトライを量産し、今年こそオーストラリアの強豪に勝利することができるか。
昨年は約1万人のラグビーファン、スポーツファンが秩父宮ラグビー場を訪れた。今年も是非、世界のスーパープレーを大いに堪能してほしい。
この秩父宮みなとラグビーまつりは昨年生まれた「繋がり」を「拡げる」ことで、日本にラグビーの文化が広がり、しっかりと地域に拠点となるレガシーが残ることを目指している。
いずれにせよ、朝から夕方まで、ラグビーの国際試合を軸にしたイベントを楽しみ、2019年ラグビーワールドカップを控えて500日を切った今、ラグビーを肌で感じてほしい!
◆秩父宮みなとラグビーまつり2018 放送予定
・6月17日(日)午後5:00 NEC vs. ワラターズ J SPORTS 3
・6月17日(日)午後7:00 サントリー vs. ブランビーズ J SPORTS 3
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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