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今週はスーパーラグビー2018第16節が各地で行われ、サンウルブズは、6月3日、オーストラリアのキャンベラでブランビーズと戦う。ブランビーズは、AUSカンファレンスで3位(4勝8敗)。第9節のハイランダーズ(NZ)戦から5連敗していたが、前節はアウェイでブルズ(SA)を38-28で破った。試合内容も、24-25と1点差でリードされている状態で後半残り20分となり、ここでレッドカードが出て、14人で戦うことになったが、FBトム・バンクス(186cm、93kg)の独走トライなどで逆転勝ちを収めている。チーム状態は上り調子と言っていいだろう。
公式サイトのプレーヤー・オブ・ザ・ウィークにも、ブランビーズからSHジョー・パウエル(177cm、83kg)と、トム・バンクスが選出された。パウエルはトライをアシストしたほか、4回のボールキャリーで35mを前進するなどチャンスを作った。バンクスは出色の活躍で、10回のボールキャリーで109mをゲイン。クリーンにディフェンスを破った回数も3回あり、8人のディフェンダーのタックルを外した。2人は、6月にアイルランド代表を迎え撃つオーストラリア代表スコッドにも選出されている。この他、ブランビーズからは、PRスコット・シオ(187cm、115kg)、アラン・アラアラトア(182cm、120kg)、FLデイヴィッド・ポーコック(183cm、103kg)、CTBテヴィタ・クリンドラニ(192cm、102kg)ら6名がオーストラリア代表に入った。ここに名前をあげた選手はサンウルブズ戦にも出場する。特に突破力あるクリンドラニ、絶好調のバンクスは要注意だろう。
サンウルブズは、第14節で2連勝を成し遂げて以降、日本代表選手が大量に離脱。第15節でレベルズに敗れた後も、LOグラント・ハッティング、CTBマイケル・リトルらが怪我で離脱し、今回は苦しい布陣になると思われていたが、発表されたメンバーを見ると、怪我の癒えた立川理道がインサイドCTBで先発し、本来はCTBのジェイソン・エメリーとコンビを組むなど楽しみな組み合わせが多い。アレックス・ウォントン、フェツアニ・ラウタイミ、ゲラード・ファンデンヒーファー、石井魁の4人は出場すればスーパーラグビーデビューとなる。日本代表とサンウルブズをほぼ同じスコッドで戦っているゆえのメンバー変更で難しい戦いが続くが、コンビネーションが合わずにミスが多発した前節と同じ状況に陥らないよう、シンプルなプレーでミスを減らし戦いたい。
両チームは第2節で対戦し、このときはブランビーズが32-25で勝ったが、サンウルブズも7点差以内の負けに与えられるボーナス点を獲得した。ここまでのスタッツ(統計数値)で両チームを比較すると、ディフェンス突破は、ブランビーズの「224」に対して、サンウルブズは「268」。ボールを持って進んだ距離「キャリーメーター」も、4681m対4881mでサンウルブズが勝っている。数字上は遜色ない戦い方ができるはずだ。
ヘッドコーチ代行のスコット・ハンセンは、「今週は一週間を通して良い準備ができていますので、週末の試合でも良いパフォーマンスを見せてくれると思います。ブランビーズはとてもいいチームですが、我々は自分たちのパフォーマンスにフォーカスし、ゲームをしっかりコントロールしたいと思います」とコメント。キャプテンを務めるFLヴィリー・ブリッツ、LOサム・ワイクスら経験豊富な選手のリーダーシップがカギだろう。立川理道は「アウェイでの初勝利をつかみ、また新たな歴史を作れるよう、日曜の試合に挑みたい」と話した。香港でのストーマーズ戦勝利は、実はサンウルブズのホームだった。新たな歴史を作る試合となるか、選手たちの奮闘に期待したい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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