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石巻で開催された慶明戦。地元の人、遠征した人など多くのお客様で会場は賑わった。会場付近ではイベントが催され、普段の春季大会とは異なる雰囲気の中で試合は行われた。
この明治大学戦ではSO(スタンドオフ)古田京(医4・慶應)主将が今季初先発。実戦から離れているだけにどのようなプレーをするかが注目された。
試合開始から慶應義塾大学が敵陣を果敢に攻める。9分、自陣22mライン付近でのスクラムからボールをもらったCTB(センター)栗原由太(環3・桐蔭学園)が大きくゲイン。
ハーフウェイラインを越えたあたりで前に蹴り出すと明大がたまらずタッチに蹴り、慶大は相手インゴール前でラインアウトを獲得。マイボールをしっかりキープし、モールを形成する。
モールからボールを出して、中央へパスをつなぎ、数フェーズ経て最後は相手を引き付けたFB(フルバック)高木一成(商3・慶應)からパスを受けたLO(ロック)佐藤航大(理4・國學院久我山)がグラウンディング。先制トライをあげる。
しかし、去年の対抗戦の雪辱に燃える明大は徐々に攻勢を強めていく。22分、SH(スクラムハーフ)福田健太(法4・茗渓学園)の絶妙なパスで突破を許すと、オフロードパスで繋がれ一気に慶大のインゴールへ。同点とされる。
続く37分、インゴール前で明大が猛攻。ラックサイドを執拗に突いてくる攻撃に対し、慶大は気迫のこもったディフェンスで粘るも、逆転のトライを許してしまう。
さらに前半終了間際、相手のNO8(ナンバーエイト)にボールキャリーされ、自陣まで攻められると、そこから右に展開され、楕円球は大学ラグビー界を代表するWTB(ウィング)の山村知也(経営3・報徳学園)の下に。
慶大の選手が次々かわされ失トライ。連続でトライを奪われてしまい、7-21で前半を折り返す。
巻き返しを図りたい後半。14分、敵陣で、マイボールラインアウトでボールを確保すると、右サイドに数的優位な状況を作る。中央にいた古田の飛ばしパスはWTB中山和政(総4・桐蔭学園)に渡り、そのまま中山がトライ。
しかし、反撃はここまでだった。その後、敵陣奥深くまで攻め込むも、ミスが出てしまい、トライに結び付けられない歯がゆい展開に。一方の明大はこの状況に乗じて、優位に試合を運んでいく。
21分、インゴール前で明大が誇る重量級FW(フォワード)に押され、追加点となるトライを奪われると、直後の26分、WTB山村に2つ目のトライを取られ、試合は完全に明大ペースに。
31分、挽回したい慶大は順調にフェーズを重ね、敵陣22mライン付近まで攻め上がるが、ミスでボールを失ってしまう。ここから相手のカウンターで攻め込まれ、トライを献上。
それでも慶大は諦めず、必死に敵陣のインゴールを目指して、前進する。38分、NO8山中侃(商4・慶應)が敵陣まで攻め込んだ。
しかし、味方のサポートが間に合わず、またもターンオーバーされる。ここをきっかけに失トライ。慶大は最後に意地を見せるが、ノックオンでノーサイド。王者帝京大学を破った明大の前に敗北を喫した。
先制トライをあげるも、逆転され、後半に点差が広げられてしまった明大戦。前半では「アタックに関しては、いつも通りにやれば点を取ることができるということがわかった」と佐藤航が言うように、自分たちの攻撃が通用するという手応えは得られた。
しかし、後半では敵陣インゴール前まで近づくも、なかなかトライを取りきることができなかった。「トライを取りたくて焦ってしまった」とCTB沖洸成(総2・尾道)。焦りが肝心なところでのミスに繋がってしまった。
次戦、慶大は東海大学と戦う。東海大は大学生ながら日本代表に選出されていた野口竜司の代が引退して、迎えた新チームで思うような結果を残せていない。
東海大は春季大会2戦を終えて、2敗。ここまで対戦したのは明大、帝京大と、グループで1つ頭が抜けた存在であるようなチームだ。しかし、明大には約30点差、帝京大には約60点差と水をあけられている。
対して慶大は3試合を終えて、1勝2敗。勝利した流通経済大学戦ではBK(バックス)陣の活躍もあり、得点を重ねていったが、敗北した大東文化大学、明大に対しては12点と得点があまり取れていない。
この先の日本一への戦いに向けて、東海大戦ではトライを目の前にして、熱くなるばかりではなく、冷静なプレーを見せてほしい。
春季大会2勝目を目指す慶應義塾大学と東海大学の対戦は、6月3日(日)午後0:55から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:萬代理人、田中壱規/写真:川下侑美、田中壱規(慶應スポーツ)
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