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全勝を成し遂げ、単独優勝の栄冠を手にする。関東大学春季大会をここまで4連勝の明治大学。残すは最終戦、大東文化大学との一戦のみとなった。
過去6度の春季大会では、帝京大学が全て優勝している。現在、勝ち点でもトップをひた走る明治。王者の牙城を崩せるか。より一層の期待がかかる。
宮城県石巻市で行われた前節、慶應義塾大学との「明慶戦」。接点を制圧し、勝負を決定づけた。前半の立ち上がりは我慢の時間が続いた。ゴール前でディフェンスラインのギャップを突かれ、先制トライを許してしまう。
しかし、そこで相手にリズムを作らせなかった。「グラウンドを立体的に使ったアタック」(SH/スクラムハーフ 福田健太主将・法4=茗溪学園)を意識することで、相手ディフェンスに徐々に対応。次第に前へと出られるようになった。
前半23分、敵陣22mライン付近でCTB(センター)齊藤大朗からオフロードパスを受けたFL(フランカー)繁松哲大(政経2=札幌山の手)が一気にゲイン。そのままインゴールに飛び込んだ。その後、2トライを追加し、前半を21-7で折り返す。後半も攻撃の手を緩めない。
20分にはゴール前でのピックアンドゴーでPR(プロップ)祝原涼介がトライ。明治得意のFW(フォワード)戦で粘り強くトライをもぎ取った。
最終的に45-12となり快勝。「チームとして我慢ができるようになった」(田中澄憲監督)。見事に勝ち切り、次戦に向けはずみをつけた試合となった。
次戦、強豪・大東大をいかに攻略するか。カギを握るのは「スクラム」だ。昨シーズンの大学選手権準決勝、明治は梶村祐介選手(平30政経卒・現サントリーサンゴリアス)の獅子奮迅の活躍などで勝利を収めたが、スクラムでは終始苦戦を強いられた。
ファカタヴァ兄弟を含めた強力なFW陣が大東大の生命線。また、SH南、SO(スタンドオフ)大矢のハーフ団がゲームをコントロールする。明治の「重戦車」が大東大の強力FWにどこまで対抗するかが、勝負の明暗を左右する。
明治のスクラムのキーパーソンとなるのはHO(フッカー)武井日向(商3=国学院栃木)だ。セットプレーの絶対的な存在であり、NO8(ナンバーエイト)の経験を活かした強烈なキャリーを武器に、1年生のころから対抗戦に出場。明治不動のHOとして君臨してきた。
今季は関東学生選抜にも選出されるなど、伝統明治の第1列にふさわしい活躍を見せている。田中澄憲監督も「取り組む姿勢が良くて、みんなの信頼を受けている」と太鼓判。
第3節の流通経済大学戦では2トライを挙げる活躍を見せた。優勝を懸けて迎える大一番でさらなる真価を発揮してみせる。
帝京大学撃破からはや1ヵ月が経った。「Exceed」を掲げスタートした今シーズン。春季初優勝へ向け福田組の真骨頂が問われる一戦が間もなく始まる。
この最終戦で確実に勝利を収め、秋の対抗戦、そして昨年苦杯を喫した大学選手権へと勢いをつなげていきたい。
明治大学と大東文化大学の一戦は、6月3日(日)午後1:55から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:清水康佑/写真:横手ゆめ(明大スポーツ)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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