粘りのディフェンスと魅惑のアタックでストーマーズを翻弄してもらいたい　ヒトコム サンウルブズ vs．ストーマーズ プレビュー

気温は30度を軽く超えている。湿度も体感では70％超。5月18日のきょうも、香港はまとわりつくような暑さだ。 サンウルブズはこの地で明日（5月19日）、今季11試合目を戦う。

会場となる旺角大球場（モンコックスタジアム）は、九龍旺角の「太子」駅近くにある。 スタジアムの脇には「フラワー・マーケット・ロード（花墟道）」があり、花屋がずらりと並んでいる。

香港初のスーパーラグビーとなるサンウルブズ戦は花野街にある旺角大球場（モンコックスタジアム）が会場となる

約6，500人収容のスタジアムは、
スタンドの傾斜が急で見やすそうだ。普段はサッカーで使用されており、ラグビー仕様の場合はフィールドの横幅がやや狭くなっている。

関係者によれば、約65m。秩父宮ラグビー場などと比べて5m以上狭い。いつも通りの感覚でボールを展開すれば、タッチライン際で詰まった感覚になるだろう。ピッチは暑さに強いグラスで表面は堅い。ボールはよく跳ねそうだ。

旺角大球場は約6,500人収容のスタジアムで、スタンドの傾斜は急で見やすそうだ

そんな旺角大球場で、サンウルブズは、18日、午後12時半からキャプテンズラン（前日練習）を行った。その直前、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチと、流大・共同キャプテンが報道陣の質問に答えた。「レッズ戦では80分間、力を出し切ることができました。強いチームであるストーマーズに対しても同じようなパフォーマンスを続けることが大事です。この暑さはチャレンジですが、特に戦い方を変えることはありません。ワイドにボールを展開してプレッシャーをかけていきたい。ストーマーズはたくさん蹴ってくるでしょう。

今回は明日の試合のためにスキルセットを持った選手が出場します。松島幸太朗は相手のキックをしっかりキャッチして相手のプレッシャーをやわらげてくれるでしょう」（ジョセフHC）。

香港特有の暑さの中でキャプテンズランが行われた

流キャプテンはこう語った。「最近は日本も暑くなっていて、この暑さは我々に有利に働くのではないかと思います。 暑さを味方にしてタフに戦いたいですね」。ストーマーズは身長2mクラスが揃う巨漢FWだが、明日はリザーブ8人のうち6人をFW選手が占め、よりフィジカルな戦いを仕掛けてきそうだ。FW戦は勝敗のカギだろう。

また、この暑さは、サンウルブズ史上もっともタフなものだ。同じように暑いシンガポールでの試合はあったが、シンガポールのスタジアムは屋根付きで空調があった。明日のキックオフは午後1時15分。頭上からの直射日光にさらされ、高い湿度の中での戦いになる。

キャプテンズランでは、体を入念にほぐしてからの全体練習でコンビネーションを確認した。

久しぶりの先発となるWTB山田章仁、FB松島幸太朗も元気に動き回っていた。この2人とバックスリーを形成するWTB福岡堅樹は、「細かくコミュニケーションをとっていきたいですね」と笑顔で話した。長らく日本代表でプレーしてきた3人だからこその呼吸のあったプレーを見せてくれるだろう。レッズ戦で大活躍のリーチ マイケルは、体重を落としたという。

「身体を絞ったら、ワークレートが良くなった。明日もワンプレーで終わらないように、たくさん仕事したいと思います」。自分のパフォーマンスが向上したことで表情も明るかった。

チケットは前売りで4，000枚以上が売れており、ほぼ満員での戦いになりそうだ。「試合内容でもアジアのラグビーファンを獲得できるようなプレーをしたいです」（流）。その言葉通り、粘りのディフェンスと魅惑のアタックでストーマーズを翻弄してもらいたい。