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4月28日(土)。慶應義塾大学蹴球部の春季大会初陣の日だ。今年も慶大が目指す戦いのスタイルは変わらない。それはディフェンス、高い運動量、コンタクトプレーでの激しさの3つ。この3つを磨いて慶大が目指すのは日本一だ。
昨年も今年同様に日本一を目指してシーズンを戦った。その戦いぶりは慶大ファンに日本一を期待させるものだっただろう。なぜなら明治大学からは勝ち星をあげ、当時大学選手権8連覇中の帝京大学に3点差まで詰め寄ったのだ。
最終的に対抗戦を明大、早稲田大学と同率2位で終え、得失点差の関係のため対抗戦3位通過という形で大学選手権に乗り込んだ。
初戦の相手は立命館大学。試合を有利に進め、101点を奪い勝利することができた。日本一へ残り3勝とした慶大だったが、準々決勝で大東文化大学が立ちはだかった。
スクラムで劣勢に立たされた慶大は、一時リードを奪った場面もあったが及ばず。1トライ差で敗戦した。
昨年は大東文化大をはじめとして、帝京大、早大とわずかな点差に泣いた慶大。
今年は「なぜ勝てないか」(古田京主将=SO・スタンドオフ/医4・慶應)を話し合い、「勝利の執念が足りないことと、細かいミスの積み重ねが2、3点差につながっている」(古田)という自分達なりの答えを出した。
その答えが慶大を変えた。以前は聞こえることの少なかった厳しい声を出すことを意識するようになったのだ。
ミスに厳しく接することで、堅実なプレーがより生まれ、堅実なプレーができれば勝利がぐっと近くなる。その効果はすぐに表れるものではないが、確実に日本一へ歩みを進めている。
その慶大が春季大会で戦うグループは、強豪ひしめくAグループ。王者・帝京大をはじめとして、大東文化大、流通経済大学、明大、東海大学が属している。
初戦の相手は大学選手権で敗れた大東文化大。いきなりのリベンジマッチだ。 大東文化大はLO(ロック)タラウ・ファカタヴァ、NO8(ナンバーエイト)アマト・ファカタヴァのファカタヴァ兄弟や、1年生ながらSH(スクラムハーフ)を任されていた南昂伸など、昨年のメンバーが多く残っている。
昨年のレギュラーメンバーから抜けたのはFW(フォワード)1人、BK(バックス)2人の計3人のみ。そのため、この時期から高いチーム力を持っているだろう。
対して慶大は、核となるポジションに大舞台を経験している選手たちが残っているが、それ以外のポジションは新戦力で戦うこととなる。
特に選手の入れ替わりが激しいのはFW陣。対抗戦で多くの試合を経験したのはLO(ロック)辻雄康(文4・慶應)のみだ。そのため、スクラムの仕上がりやラインアウトの精度は「まだまだ発展途上の段階」(中本慶太郎=HO・フッカー/経4・慶應)である。
昨年の大舞台で、大東文化大に圧倒されたスクラム。厳しい組みあいになると思うが、「FW陣全員で練習の合間の休憩時間などを使って追加練習」(中本)している成果をこの試合で発揮してくれるはずだ。
そのスクラムの優劣が勝敗を分ける大きなポイントになりそうだが、それだけではない。大東文化大のタラウ、アマトなど個の力の高い外国人選手への対応の良し悪しも試合に大きく関係しそうだ。
その外国人選手と東日本大学セブンズで対戦した金堂眞弥(環2・城南)は「やはり強いというのが最初に感じたことです」と話す。
しかし、「今日の試合(セブンズ)でもあったように2人、3人でかかっていけば止められると感じました」と話したように、必要な場面では1対複数人の状況を作り、慶大自慢の低いタックルで優位さを生み出したい。
簡単には勝つことができない相手に、慶大はこれまでの練習の成果を発揮し、勝利することができるだろうか。いよいよ慶大の春季大会が開幕する
慶應義塾大学と大東文化大学の対戦は、4月28日(土)午後1:00から、J SPORTSオンデマンドでLIVE配信される。
文:田中壱規/写真:田中壱規、川下侑美(慶應スポーツ)
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