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ニュージーランド(NZ)遠征中のサンウルブズは、4月27日(金)、同国の首都ウェリントンで現地時間の午後7時35分より、ハリケーンズと対戦する。ハリケーンズと言えば、一昨年のスーパーラグビー王者で、サンウルブズが昨年の開幕戦で17-83という大差で敗れた相手だ。世界最高のSOボーデン・バリットほか、ラグビー王国屈指のタレントが揃い、観客を魅了するプレーを連発する。
今季もハリケーンズは、6勝1敗の好成績で順調に勝ち点を伸ばしている。現在の順位はNZカンファレンスの2位。1位のクルセイダーズよりも消化試合が1試合少ないにもかかわらず、勝ち点差「2」で追いかけている。得点力も高いが、失点が15チーム中一番少なくディフェンスも良い。前節、サンウルブズが11-33で敗れたクルセイダーズよりも手ごわいと言っていいだろう。
警戒しなければいけない選手をあげればきりがない。大黒柱はもちろんボーデン・バリット(187cm、92kg)。2016年、2017年に2年連続でワールドラグビーの最優秀選手に選ばれたプレーメイカーだ。ハリケーンズは前節、試合がなかったが、その前の第8節で怪我から復帰したばかり。正確なキック、パスだけではなく、WTB並みのスピードも要注意だ。
今季9トライをあげているWTBベン・ラムは、193cm、109kgというサイズで100mを10秒台で駆け抜ける。オールブラックスで54キャップを誇るWTBジュリアン・サヴェア(192cm、103kg)、CTBンガニ・ラウマペ(177cm、103kg)、ヴィンス・アソ(185cm、97kg)に加え、怪我で休んでいたオールブラックスのWTBネヘ・ミルナースカッダー(180cm、90kg)が復帰の可能性がある。最後尾のFBは、ボーデンの弟のジョーディー・バリット(196cm、96kg)。大きなストライドでの突進は止めづらい。不用意なキックはカウンターアタックのチャンスを与えてしまうだろう。オールブラックスのSH、T・Jペレナラは膝の怪我で欠場中だが、脅威のBKラインが形成されることは間違いない。
FW陣も攻撃的な選手が多い。何度もボールを持って突進するFLブラッド・シールズ(193cm、111kg)、ヴァエア・フィフィタ(196cm、111kg)、LOマイケル・ファティアロファ(199cm、116kg)は怖い選手だ。ハリケーンズは、自陣の22mライン内からの攻撃で一気にトライを獲り切る力を持つ。サンウルブズとしては、自陣での反則、ミスだけではなく、攻め込んだ場面でのミス、反則も命取りになる。
これとって欠点のないハリケーンズに対しては、自分たちがボールをキープしてコントロールする時間をどれだけ多くできるか。無駄な反則を減らす規律も大切になる。サンウルブズは今季、一つのミス、反則が即失点につながるスーパーラグビーレベル(特にNZカンファレンス相手の試合で)を嫌というほど味わってきた。不用意なプレーを無くし、ハリケーンズのスーパープレーを封じることができるのか。一戦ごとに成長する姿をファンの皆さんにも見せてもらいたい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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