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開幕から7連敗となったサンウルブズは、4月16日、ニュージーランドへ旅立った。「今年のシリーズでもっともタフな2試合」とジェイミー・ジョセフヘッドコーチが言う強豪との連戦が待ち受けている。4月21日(土)には、ニュージーランド南島のクライストチャーチで昨年の覇者クルセイダーズと、そして、27日(金)には、一昨年の覇者ハリケーンズと戦う。厳しい戦いになることは間違いないが、その内容がチームのレベルアップを感じさせるものであってほしい。
「5位」という高い目標を掲げてスタートしたサンウルブズだが、序盤に負傷者が相次いだことでメンバーが固定できず、組織プレーを磨けないまま、ここまで来てしまった感がある。第8節のワラターズ戦、第9節のブルーズ戦は、ようやくメンバーを固定して戦い、ワラターズ戦で崩壊した組織ディフェンス、ラインアウトに関しては修正することができた。しかし、自信を持っていたはずのスクラム、モールでは圧力をかけられなかった。また、戦略的キックも効果的には使えず、攻撃面では課題を残した。
ニュージーランド遠征は、ここ2試合のメンバーを軸にし、NDS(ナショナル・デヴェロップメント・スコッド)で先に同国入りしていたHO庭井祐輔、WTB福岡堅樹が合流。ディフェンスの良い両選手の加入がどうチームに影響するかは興味深いところ。チームとして、ディフェンス面を引き続き向上させ、攻撃面での的確な状況判断、スキルの精度も高めたい。
21日に対戦するクルセイダーズは、ここまで5勝2敗でニュージーランドカンファレンス2位。トライ数「32」は全体の2位(サンウルブズは14位)だが、ボールキャリー(ボールを持って走った回数)は「702」で全体の14位(サンウルブズは、11位)。この数字から効率よくトライを重ねていることが分かる。7連敗のなかで攻め込んだところでのミス、反則から一気にトライを奪われているサンウルブズとしては、これまで以上にミス、反則に最新の注意を払わなくてはいけない。相手にボールが渡ったときの攻守の切り替えも素早く対応したい。クルセイダーズのディフェンスは粘り強く、簡単にはトライを許してくれない。PGを狙える位置では攻め急がず、確実にスコアしたい。
クルセイダーズには、オールブラックスのHOコーディー・テイラー(183cm、111kg)、LOサム・ホワイトロック(203cm、120kg)、FLマット・トッド(185cm、105kg)、 CTBライアン・クロッティ(181cm、94kg)など運動量豊富で、堅実な仕事人が多い。ここまで8トライをあげている22歳のWTBジャック・グッドヒュー(187cm、100kg)、爆発的なスピードを持つWTBマナサ・マタエレ(185cm、100kg、21歳)ら将来性豊かな選手も警戒したい。
一瞬たりとも気の抜けない相手だからこそ得られるものがあるはずだ。そのためには、いかに勝つかを突き詰めて戦ってもらいたい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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