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ラグビー コラム 2018年4月4日

ベスト8が出揃う、混戦の春を制するのは?全国高校選抜ラグビー

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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3月30日からラグビーどころ埼玉・熊谷市で行われている、19回目の全国高校選抜ラグビー大会は3月30日に開幕し、31日、4月1日、4月3日と参加32チームがA~Hグループに分かれて予選リーグ3試合を戦った。

そして、各グループで首位に立った8チームが4月5日、7日、8日に熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われる決勝トーナメントに進出した。

なお、予選リーグに引き続いてJ SPORTSオンデマンドでは、決勝トーナメント全試合もライブで配信する。まず各グループの勝ち上がりを見てみたい。

★試合結果はこちらから

◆Aグループ:御所実業(奈良)、深谷(埼玉)、大分舞鶴(大分)、黒沢尻工業(岩手)

タレントが揃う御所実業

Aグループはやはり、FW(フォワード)とBK(バックス)ともにタレントが揃う、近畿大会ベスト4の御所実業が強く、3連勝で決勝トーナメントに進出した。グループ2位は2勝1敗の黒沢尻工業で、東北大会準優勝の力を見せた。

大分舞鶴はオープニングマッチで地元の深谷に勝利(1勝2敗)。今季から新たに山田久郎監督が就任した深谷は、最終戦で御所実を苦しめたが勝利は挙げられなかった(0勝3敗)。

◆Bグループ:流通経済大柏(千葉)、長崎北陽台(長崎)、関大北陽(大阪)、仙台工業(宮城)

Bグループは、関東大会で準優勝した流通経済大柏が長崎北陽台、関大北陽と強敵に実力で上回り、3連勝でベスト8に進出した。

グループ2位は九州大会準優勝の長崎北陽台(2勝1敗)。登録人数20人にもかかわらず力を発揮、初出場の関大北陽(1勝2敗)も荒削りながらも攻撃的なラグビーを見せた。初出場の仙台工業は残念ながら勝利を挙げることができなかった。

◆Cグループ:天理(奈良)、佐野日大(栃木)、福岡工業(福岡)、函館ラ・サール(北海道)

危なげなく3連勝の天理

Cグループは近畿大会ベスト4、花園も選抜大会でも優勝経験のある、パスラグビーを信条とする天理が、3連勝で危なげなく決勝トーナメントに駒を進めた。

実力で選抜大会への出場を果たした初出場の佐野日大は2勝(1敗)を挙げてグループ2位。函館ラ・サールは福岡工大を破って選抜大会初勝利(1勝2敗)。同じく初出場の福岡工業は、白星を挙げることはできなかった(0勝3敗)。

◆Dグループ:桐蔭学園(神奈川)、関商工(岐阜)、城東(徳島)、札幌山の手(北海道)

連覇を狙う桐蔭学園

Dグループは連覇を狙う、関東大会優勝の桐蔭学園(神奈川)が他を圧倒して3連勝で危なげなく決勝トーナメントに進出した。

初出場の関商工は東海大会準優勝の力を発揮して、2勝1敗で2位となった。四国大会優勝の城東は1勝2敗、14大会連続出場中の札幌山の手は、勝利を手にすることができず、0勝3敗で大会を終えた。

◆Eグループ:中部大春日丘(愛知)、仙台育英(宮城)、尾道(広島)、茗渓学園(茨城)

混戦が予想されたEグループは東海大会王者の中部大春日丘が、尾道に2点差で競り勝ち、3連勝でベスト8に進出した。

尾道も惜敗した試合以外は快勝し、2勝1敗と力のあるところを見せた。展開ラグビーに魅力のある茗渓学園は、FW戦で劣勢となり1勝2敗、東北大会3位の仙台育英は勝利を挙げることができなかった(0勝3敗)。

◆Fグループ:東福岡(福岡)、秋田工業(秋田)、東海大仰星(大阪)、昌平(埼玉)

予選リーグ最注目の東福岡vs.東海大仰星

Fグループは東福岡と東海大仰星、予選リーグで最も注目された試合があった。1月の花園準決勝では敗れた東福岡が、前半から東海大仰星を圧倒。34-20で勝利し、3連勝で決勝トーナメント進出を果たした。

東海大仰星も新2年生を積極的に起用し2勝1敗。秋田工業も昌平を下して1勝2敗となったが、実力のあるところを見せた。昌平は初戦の東福岡戦で得意のディフェンスが機能し、善戦するなどしたが3連敗となった。

◆Gグループ:大阪桐蔭(大阪)、日本航空石川(石川)、高鍋(宮崎)、東京(東京)

近畿を制した大阪桐蔭

Gグループはやはり優勝候補、近畿大会優勝の大阪桐蔭がFW、BKともに前に出る力が秀でており、圧倒的な強さを見せて3連勝でベスト8に進出した。

パワーのあるFW選手がいる日本航空石川、高速アタックの高鍋、前に出るディフェンスが持ち味の東京は、それぞれが特徴を出して接戦となり3つ巴の展開となり、それぞれが1勝2敗だった。

◆Hグループ:報徳学園(兵庫)、東海大相模(神奈川)、佐賀工業(佐賀)、新潟工業(新潟)

近畿大会準優勝の報徳学園

Hグループは、やはり近畿大会準優勝の報徳学園が頭一つ抜けた存在であり、持ち前のアタック力を見せつけ、3連勝で決勝トーナメントに進出した。

伝統校の佐賀工業と近年実力を付けている東海大相模の対戦は、33-33で引き分けとなり、ともに1勝1敗1分となった。なかなか得意のFW戦に持ち込むことのできなかった新潟工業は、残念ながら3連敗となった。

予選リーグを振り返ると混戦となったEグループ以外は概ね予想通りと言えよう。近畿大会上位4チーム(大阪桐蔭、報徳学園、天理、御所)、関東大会のファイナリスト2チーム(桐蔭学園、流通経済大柏)、九州大会(東福岡)と東海大会(中部大春日丘)の優勝チームがそれぞれベスト8に駒を進めた。

大会4日目の終了後、抽選によって決勝トーナメントの組み合わせが決まった。4月5日の準々決勝のカードは下記になった。

左の山には関東勢2チーム、九州、東海の2チームが、右の山には近畿勢4チームが集まった。なお準々決勝以降の会場は、いずれも熊谷スポーツ文化公園陸上競技場である。

◆準々決勝組み合わせ
・第1試合:10:00 桐蔭学園 vs. 東福岡
・第2試合:11:20 流通経済大柏 vs. 中部大春日丘
・第3試合:12:40 大阪桐蔭 vs. 御所実業
・第4試合:14:00 報徳学園 vs. 天理

※4月7日は第1試合と第2試合の勝者、第3試合と第試合の勝者が準決勝で対戦し、8日に決勝が行われる

準決勝1試合目は前年度覇者の桐蔭学園と、一昨年度の王者・東福岡が激突することになった。関東大会王者の桐蔭学園は今年もSH(スクラムハーフ)小西泰聖(3年)を中心にボールをしっかり展開しつつ、相手のスペースや隙を突くのも上手い。

一方の東福岡は「横だけでなく縦のスペースも突く」と、藤田雄一郎監督が言う通り、今季はキックも交えつつ、立体的に攻めている。キャプテンHO(フッカー)福井翔、CTB(センター)宝田悠介(ともに3年)らボールを持って前に出る力もある。いずれにせよ好勝負が期待できそうだ。

2試合目は流通経済大柏と中部大春日丘と、全国常連の2チームの対戦となった。流通経済大柏は、WTB(ウイング)永山大地、FB當眞慶(ともに3年)ら決定力のある選手がおり、「今年はBKに力がある」と相亮太監督が言うように得点力は高い。決勝トーナメントでもアタックで相手を上回りたい。

一方の中部大春日丘は判断力に長けたキャプテンSH岡本泰斉を中心にゲームを組み立てる。予選リーグでは接戦をものにしてきただけに、まずは失点を抑えてクロスゲームに持ち込みたいところだ。

3試合目は近畿大会の準決勝と同じ、大阪桐蔭vs.御所実業というカードになった。なお近畿大会では大阪桐蔭が、32-14で勝利している。

「花園で準優勝した去年のチームより強いのでは」という大阪桐蔭は、SO高本幹也、キャプテンCTB松山千大(ともに3年)、FL奥井章仁(2年)ら能力の高い選手がおり、FW、BKともに前に出る力が強い。

一方の御所実業もキャプテンSO青木拓己、SO/CTBメイン平、CTB谷中樹平(いずれも3年)らBKにタレントが揃い、FWを見ても伝統のモールは強く、PR(プロップ)島田彪雅(2年)、LO(ロック)田中謙太朗らも突破力にも長けている。

近畿大会で負けているだけにリベンジの気持ちも強いだろう。大阪桐蔭がやや有利と見るが、試合巧者の御所実業だけに楽しみな一戦である。

4試合目は報徳学園と天理の対戦となり、この試合も近畿大会準決勝と同じカード。この時は報徳学園が26-12で勝利している。報徳学園は。主将のNO8(ナンバーエイト)福西隼杜、SH丸尾祐資、SO森元翔紀(いずれも3年)ら昨年度の花園で活躍したメンバーがチームを引っ張る。

展開ラグビーが持ち味の天理はキャプテンFL(フランカー)照井悠一郎(3年)を軸に、SH山脇一真(2年)、SO水野景介(3年)、決定力の高いWTB豊田祐樹(2年)らが好調であり、全国の舞台で近畿大会の雪辱を果たしたいところだ。

強豪チームは予選リーグで主力選手を温存し、選手をローテーションしながら戦っていたチームも目立った。きっと「準々決勝からが本番だ」と思っている指揮官、選手たちも多いはずだ。

「今季の高校ラグビーは混戦模様」と言われている中で、決勝トーナメントを全勝で駆け上がり、春の王者に輝くチームはどこになるか。2019年ラグビーワールドカップの開催地である熊谷の現地で、もしくはJ SPORTSオンデマンドで、高校生ラガーの熱い戦いを見届けてほしい!

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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