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ラグビー コラム 2018年3月26日

若返ったバックスの決定力光る。クルセイダーズがブルズ下して連敗脱出。スーパーラグビー2018第6節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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クルセイダーズ vs. ブルズ

「スーパーラグビー2018」は第6節。3月23日(金)は、クライストチャーチのAMIスタジアムで、2勝2敗の昨季王者クルセイダーズ(ニュージーランド=NZ)が、1勝3敗のブルズ(南アフリカ)を迎え撃った。

ブルズは泥沼の3連敗中。しかし元NZ代表指揮官でもあるジョン・ミッチェル新ヘッドコーチ(HC)のもと、多彩なムーブも披露しており、前節はチーフス(NZ)相手に前半まで14点リード(28-14)。底力を感じさせた。

連敗脱出を試みるクルセイダーズ戦には、昨季トップリーグ12試合に出場したトヨタ自動車のジェイソン・ジェンキンス、南アフリカ代表36キャップのルード・デヤハーが両ロックに並んだ。

またリオデジャネイロ五輪の銅メダリストであるNO8ティム・アガバ、バックス陣では南アフリカ代表のSOハンドレ・ポラード、CTBジェシー・クリエル、そして昨秋代表デビューのFBウォリック・ヘラントが名を連ねた。

昨季はレギュラーシーズンを14勝1敗で駆け抜けたクルセイダーズだが、今季は開幕2連勝からの2連敗という波乱の幕開け。

NO8キアラン・リードら主力の出遅れに加え、SOリッチー・モウンガの負傷離脱などが理由として挙げられるが、迎えたブルズ戦には、LOサム・ホワイトロック主将、CTBライアン・クロッティが脳震とうから2週間ぶりに復帰。

クルセイダーズはフォワードに9人のオールブラックス経験者を揃えるが、この日はHOコーディー・テイラー、LOスコット・バリット、LOホワイトロック主将の3人のみ。

しかしPRマイケル・アラアラトア、FLビリー・ハーモン、NO8ジョーダン・タウファら、ノンキャップの実力者が穴を埋めている。

元気なのは、先発7人の平均年齢が23歳のバックスだ。

3年前の2015年度では、開幕当時で32歳だったSOダン・カーター、31歳だったSHアンディー・エリス、27歳のSO/FBコリン・スレード、27歳のWTBネマニ・ナドロら、中堅・ベテランがバックスの中心だった。

しかし近年は順調に若返りが進んでいる。

この日の先発バックスでは、最年少21歳のWTBマサナ・マタエレをはじめ、SOミッチェル・ハント(22歳)、CTBジャック・グッドヒュー(22歳)、WTBジョージ・ブリッジ(22歳)、FBデイヴィッド・ハヴィリ(23歳)がスターター。怪我人続出のチームに活力を与えている。

雨中戦となった試合では、まずクルセイダーズのフォワードの奮闘が光った。

クルセイダーズは序盤、自陣で立て続けにペナルティを犯すという立ち上がり。攻勢に出るブルズは、ペナルティーゴール(PG)を狙わず、ゴール前ラインアウトからのモールで勝負。しかし4度あったモールをすべて防がれてしまう。

一方のクルセイダーズは前半15分、この日最初の敵陣ゴール前ラインアウトから、モールを組みながらLOバリットがトライ。ブルズのラインアウトモールを4連続で防ぎ、逆にチャンスで一発で獲りきってみせた。

クルセイダーズは前半26分、PRティム・ペリーがシンビン(10分間の一時退出)となったが、左ゴール前ラインアウトの連続攻撃からHOテイラーがトライ。14人ながら2トライ目をスコアして、14-0とリードを広げた。

ブルズも直後の前半31分、WTBトラヴィズ・イスマイエルが内に切れ込みチーム初トライ。しかしここからクルセイダーズの若いバックス陣が見せ場を作った。

前半39分、敵陣右ゴール前スクラムからフェイズを重ねたクルセイダーズは、22歳のCTBグッドヒューがダブルタックルを受けながら前進。身長187センチ、体重100キロというバックロー並の体格を活かしてレッグドライブし、見事インゴールへ押さえた。

前半を21-7で折り返したクルセイダーズは、後半9分、SOハントの好タッチキックから敵陣ゴール前へ。連続攻撃からCTBグッドヒューがゴール前のギャップを切り裂き、連続トライ。28-7とした。

ブルズも後半29分、途中出場のマルコ・ファンステーデンがラック中央を突いて独走トライ(ゴール)を挙げたが、後半33分にはクルセイダーズのWTBブリッジが、クロスキックのこぼれ球を持ち込んで、自身今季5トライ目。

平均年齢26歳の先発フォワードがモールの攻防で優勢となり、平均年齢23歳の先発バックスが試合を決める格好で、クルセイダーズが33-14で勝利。戦績を3勝2敗として連敗を脱出した。

敗れたブルズは1勝4敗となり、南アフリカ・カンファレンスの最下位に転落。南アフリカに帰国して迎えるホームゲーム、4月1日(日)のストーマーズ(南アフリカ)戦で、連敗脱出を目指すことになった。

勝敗を白星先行に戻し、試合数の違いはあるがNZカンファレンス首位に立ったクルセイダーズ。しかしこれから待ち受けるのは、難所とも言うべき今季初の海外遠征だ。

まずは南アフリカに飛んで4月1日(日)、昨季決勝のリベンジに燃えるライオンズと対戦する。

その翌週の4月8日(日)には、大西洋を越えた先、アルゼンチンのブエノスアイレスでジャガーズと相まみえる。3地点間の直線距離で約2万キロの長旅だ。

苦しい序盤戦となっている王者クルセイダーズ。まずは大きな注目を集めるであろう、昨季決勝の再現となるライオンズ戦が山場だ。

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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