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モーター スポーツ コラム 2024年6月14日

2ヶ月ぶりのレースはドゥカティのお膝元で開催! | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第4戦 ミサノ(イタリア) プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第4戦 ミサノ(イタリア)

FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第4戦 ミサノ(イタリア)

市販スポーツバイクをベースにした車両で争う「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」が約2ヶ月ぶりに再開します。2024年シーズンの第4戦はイタリアのミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで6月14日(金)〜16日(日)に開催されます。今季もJ SPORTSでは全12ラウンド(36レース)を生放送。今回は第4戦・ミサノのレースプレビューをお届けしましょう。

4月の第3戦・アッセン(オランダ)以来の開催となるWSBK第4戦。サマーブレイクを除くとシーズン中にこれだけブランクが開くことも珍しいです。今季はヨーロッパ中心のカレンダーの中、オリンピックの開催も影響してか、多くのレースが秋に固まっており、変則的なスケジュールになっています。

さて、2ヶ月ぶりということで、今シーズンの序盤3戦を振り返っていきましょう。2024年はライダーの大型移籍が相次いだだけでなく、レギュレーション面でも様々な変更が加えられたために、昨年以上の混戦になると予想されていました。蓋を開けてみると、それは狙い通り。チャンピオンのアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の圧倒的優位性は無くなり、様々なライダーがトップ争いに絡むシーズンとなっています。

2021年のWSBKワールドチャンピオン、トプラク・ラズガットリオグルが加入した「BMW」は昨年までの不振が嘘のような進化ぶり。一方で共にチャンピオンを数多く獲得してきたジョナサン・レイが離脱した「カワサキ」は開幕戦からアレックス・ロウズが2勝を含む3度の表彰台を獲得するなど活躍。「ヤマハ」に移籍したジョナサン・レイは逆に元世界王者とは思えないほど苦戦を強いられるという状況になっています。

また、「ドゥカティ」には昨年のスーパースポーツ世界選手権チャンピオンで、ルーキーのニッコロ・ブレガが加入。いきなり現役チャンピオンのチームメイト、アルバロ・バウティスタと優勝争いを展開するまでになっています。

アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は今季メインレースではまだ1勝を飾っているのみで、スーパーポールレースと合わせても僅か2勝に止まっていることからも分かる通り、簡単には勝てない状況に追い込まれています。

しかしながら、バウティスタが絶不調というわけではなく、第2戦・バルセロナ、第3戦・アッセンでは全て表彰台に登壇。アドバンテージがない状況でも最善を尽くし、上位フィニッシュを続け、コツコツとポイントを貯めていくというチャンピオンらしい序盤戦となりました。

その甲斐あって、3戦9レースを終えて、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)はランキング首位。6点のビハインドでトプラク・ラズガットリオグル(BMW)が続きます。こちらは乗り換えたばかりなのに、チームメイトを凌駕し、優勝すら難しかったBMWをトップグループへと導いています。昨年までのBMWのランキングを考えると、ヤマハからのBMW移籍はそんなに早く成功しないだろうと多くの人が考えていましたから、改めてラズガットリオグルの凄さを見せつけられていますね。

第4戦の舞台はイタリアのミサノ。今回のレースはエミリア・ロマーニャラウンドと名付けられていますが、エミリア・ロマーニャ州最大の都市はボローニャ。そう、ドゥカティの本社がある街です。ボローニャからはミサノよりもイモラサーキットの方が近いのですが、今年からイタリアラウンドはイモラから北部のロンバルディア州にあるクレモナサーキットに開催地が変わることになったため、ミサノは正真正銘のホームレースということになります。

ドゥカティ勢ではアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)だけでなく、イタリア人のルーキー、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)が大活躍中。デビューウインを飾っただけでなく、3ラウンド連続で表彰台に登っており、首位のチームメイトからは14点差と素晴らしいパフォーマンスを見せています。

また、プライベート体制で今季久しぶりにレースに復帰したアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)も常にトップ争いに絡む走りを展開し、優勝するのは時間の問題と見られています。イタリア製バイクにイタリア人ライダーという組み合わせが目立っている今季、地元のファンの大きな期待が寄せられます。

地元という意味では、ヤマハの実質的エースになりつつあるアンドレア・ロカテリ(ヤマハ)もイタリア人でホームレースに挑みます。今季はWSBK参戦4年目のシーズンで勝負の年。これまで2位、3位は何度もありましたが、優勝は一度もありません。新チームメイトのジョナサン・レイ(ヤマハ)が得意のアッセンではポールポジションを獲得するなど少しずつリザルトが向上してきていますから、ロカテリとしては早く1勝目をマークしたいところでしょうね。

また、イタリア関連という意味では日本の「カワサキ」に大きな動きがありました。今季限りでカワサキとしてのワークス活動は終了となり、来季からは2019年に傘下に入れたイタリアのバイクメーカー「ビモータ」を全面に押し出し、「Bimota by Kawasaki Racing Team」として参戦することになりました。エンジンはZX−10RRのものが使われるそうです。

ビモータは元々様々なバイクメーカーのエンジンを使用してオリジナルモデルを作り上げてきたフレームビルダー。ミサノサーキットのあるリミニ県が地元であるため、来季以降の参戦に関する新たな情報も発せられるかもしれませんね。今季、優勝も飾っているアレックス・ロウズ(カワサキ)、そして今季カワサキワークスのシートを掴みながらシングルフィニッシュは1回だけと苦戦しているアクセル・バサーニ(カワサキ)にとってみれば来季以降はチームのホームレースとなるミサノで良い結果を残したいところでしょう。

例年以上に混戦状態になっている「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」の2024年シーズン。シーズンはまだ序盤ですが、ミサノはシーズンの流れを作るためには誰にとっても重要なレースとなります。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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