人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
キャシディ2勝目でランキング首位に帰還!初開催の上海へ | FIA フォーミュラE世界選手権 2024 第11戦&12戦 上海 プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシランキングトップに返り咲いたキャシディ
東京開催が成功し、今年大きな注目を集めたモータースポーツが「フォーミュラE」。電気自動車のフォーミュラカーシリーズは10年目のシーズンを迎え、そのステータスはシーズンを追うごとに高まってきています。シーズン10のレースも残すところあと6戦。日本からも近い中国・上海で「Shanghai e−prix」が5月25日(土)26日(日)に上海インターナショナルサーキットで開催されます。今回はそのプレビューをお届けしましょう。
今季の「フォーミュラE」カレンダーの大きな特徴は常設サーキットでの開催が増えたことです。メキシコシティ(メキシコ)、ポートランド(アメリカ)に加えて今年はミサノ(イタリア)、そして今回の舞台となる上海(中国)が加わりました。
常設サーキットが増加する理由としては2つあると考えられます。まず、「フォーミュラE」の代名詞でもあった都市部の市街地コースでの開催コストです。主催する側(=うちの街でやってくださいと呼ぶ都市)にとっては、コースやインフラ整備のコスト負担が大きく、継続開催ができる予算と意欲がある都市が限られてしまっているのが現状です。
もう一つは「フォーミュラE」のスピードアップ。「GEN3」カーになってからは性能が向上し、今後はピットストップでの急速充電などが本格的に始まる未来が待っていますから、2km弱の市街地コースではちょっと物足らないものになってしまうでしょう。開催エリアやレース数を維持しながら、レースの面白さを追求するソリューションとして、現状は常設サーキットでの開催が最適解になりつつあるのです。
これまで北京やサンヤが中国での開催地としてありましたが、今回はF1中国GPの開催地として知られる上海インターナショナルサーキットでの開催です。コースレイアウトはF1のショートコース的なものであり、F1ではきつい左ターンであるターン9を左に向かわず、ターン7から続くS字コーナーの出口となって、その後ホームストレートがあるグランドスタンド方向に向かうという3.051kmのコースです。久々の開催となったF1では路面が不安視されましたが、市街地レースが多い「フォーミュラE」マシンでは問題ないでしょう。
また「フォーミュラE」の多くのドライバーはFIA WEC(世界耐久選手権)にも参戦していることが多く、元F1ドライバーをはじめとする経験豊富なドライバーたちはフルレイアウトの上海を経験しています。事前のインフォメーションは多く揃っているため、巧みなエネルギーマネージメント合戦のレースになると考えられます。
そんな上海での戦いを前に、前戦「Berlin e−prix」では第9戦でニック・キャシディ(ジャガー)が今季2勝目を達成。第10戦でも2位表彰台を獲得して、ミサノから4連続表彰台をマーク。ここまで2戦のリタイア=無得点があったにも関わらず、ランキング首位へと返り咲きました。ニック・キャシディ(ジャガー)はやはり今季の主役です。
ランキング2位に転落したのはパスカル・ヴェアライン(ポルシェ)。本人もチームも母国開催となったベルリンでは表彰台を逃す形となり、キャシディに16点もの差をつけられてしまいました。ヴェアラインは崖っぷちに追い込まれ始めたと言え、上海は彼にとって非常に重要なレースとなります。
オリバー・ローランド/ニッサン フォーミュラEチーム
そしてランキング3位に浮上したのはベルリンで連続3位表彰台となったオリバー・ローランド(ニッサン)です。今季6回目表彰台で好調ぶりを見せつけ、コツコツとポイントを貯めてきていることから、キャシディからは22点離されているものの、まだ大逆転のチャンスは十分に残っていると言えるでしょう。
ランキング4位にはディフェンディングチャンピオンのジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)。第10戦のポールポジション獲得は彼の速さを象徴するものでしたが、第9戦のリタイアでチャンピオン争いには黄色信号がつき始めています。
上位4人はFIA WECの参戦歴が少ないため、上海での経験が少なく、パスカル・ヴェアライン(ポルシェ)が1回F1で走ったのみ。逆に上海での経験が豊富なのはサム・バード(マクラーレン)、セバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・ジャガー)、ルーカス・ディグラッシ(アプト)ら長年WECに参戦してきたドライバーたちです。彼らベテランが上海で上位進出を果たすこともあるかもしれませんね。特にサム・バードとセバスチャン・ブエミは前戦ベルリンがWECとのスケジュールバッティングにより2戦欠場となりましたから、上海で巻き返したいところでしょう。
中国籍のチームとしては「ERT」が母国レースとなります。「ERT」は予選では時折、爆発的な速さを見せるチームであり、ドライバーもスーパーフォーミュラで少し走ったセルジオ・セッテ・カマラ(ERT)、ダン・ティクトゥム(ERT)とドライバーの実力は申し分ないだけに地元のレースで注目です。
常設サーキットでの開催がこれから上海、ポートランド(アメリカ)と続く「フォーミュラE」。スーパーフォーミュラ、SUPER GTでチャンピオンを獲得した実力者、ニック・キャシディ(ジャガー)が上海でどれだけの速さを見せられるかに注目ですし、「ニッサン」のオリバー・ローランド(ニッサン)の巻き返しにも期待したいですね。時差が少ないため、見やすい時間帯に開催される上海でのレースを楽しみましょう。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【カート日本最速決定戦!】RDS HYPER KART 2024
12月22日 午後12:30〜
-
GTV2024 ~SUPER GT トークバラエティ~ 【特別編】 角田裕毅、本山哲、道上龍もサポート!ハイパーカートの魅力とは!?
12月19日 午後9:00〜
-
SUPER GT 2024 第5戦(最終戦) 鈴鹿サーキット 決勝
12月8日 午後12:10〜
-
FIA フォーミュラE世界選手権 2024/25 第1戦 サンパウロ(ブラジル) 決勝
12月7日 深夜1:35〜
-
WRC世界ラリー選手権 2024 Round13 フォーラムエイト・ラリージャパン2024 レビュー
12月5日 午後2:05〜
-
12月16日 午後9:00〜
MOTOR GAMES #559 ~2024 TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ CUP Rd.7モビリティリゾートもてぎ~
-
12月23日 午前6:25〜
-
SUPER GT 2024【Team Radioプラス】 第8戦 モビリティリゾートもてぎ 決勝
12月5日 午後8:00〜
J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!