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モーター スポーツ コラム 2024年5月10日

勝つためには、やはり総合力が必要~SUPER GT第2戦~

今日も今日とてプッシュ&ルーズ by 高橋 二朗
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GWに快晴の富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第2戦。

今年のSUPER GT第2戦(富士)は、予選/決勝の入場者は両日で88,400人との公式発表がありました。発表がある前に具体的な数字は分からなくとも決勝のスタート前にグリッドからグランドスタンドを見上げれば、【相当入っている】と感じました。

2024年に新たなレースフォーマットを実施しているGTアソシエイションは、シリーズ初の時間レースを導入。スタートから3時間を経過後にGT500クラスのトップマシンにチェッカードフラッグが振り下ろされてレースは終了。時間制レースは同シリーズでは初トライですが、かつて1982年に本邦初の世界耐久選手権レースが今回と同じ富士スピードウェイで6時間レースとして行われている。そしてモータースポーツファンでなくともル・マン24時間レースはご存知でしょう。これは、世界で一番有名な時間レースですね。

優勝したNiterra MOTUL Zが117周して約534キロを走破した。昨年の富士は450キロレース(100周)だったので、時間にして26分、80キロ以上も距離が長くなった。これも、SUPER GT Green Project 2030の環境対応ロードマップ2024年~2026年=各種燃費向上技術の開発促進。GT500/300両クラスにカーボンニュートラルフューエルの使用。持ち込みタイヤセット数のさらなる削減を具現化したもの。各車の燃費がどうだったかを知りたいけれど、これは簡単には明かしてくれないでしょうね。それは、勝負の分かれ目となるから…。また、給油を伴うピットインを2回行わなくてはならず、一人のドライバーが2時間以上コース上で走行してはいけないという規定が加えられている。レースフォーマットの3時間レースというパラメーターが与えられたので、自ずと導き出される他の勝つための数値が決まって来る。

ピットイン時にピットロード入り口から出口までの所要時間は、ドライバーの走行時間には加算されないけれど、二人のドライバーで参加した場合には規定を確実にクリアーするために必然的にパートナーが1時間以上をドライブしなくてはならず、仮に決勝中の富士におけるラップタイムが平均1分30秒とした時に40周を走らなければならない。優勝チームと同じ周回数をクリアーしたチームの1スティントを担当したドライバーの平均周回数は、約41周だった。実際に各チームのピットインタイミングは集中していたが、周回を重ねる毎に各車の差が生じる。それは、コンシスタントなラップタイムの良さとピットでの停車時間の短さ=給油時間と他の作業時間の短さ。給油時間の短さは燃費の良さ、作業時間はメカニックさんの迅速なパフォーマンスの良さの結果。

勝つためにはドライバーだけではなく、マシンづくりの技術力とメカニックさんたちの支える力の総合力が改めて実証された一戦だった。

文:高橋 二朗

高橋 二朗

高橋 二朗

日本モータースポーツ記者会。 Autosport誌(英)日本特約ライターでもあり、国内外で精力的に取材活動をするモータースポーツジャーナリストの第一人者。1983年からルマン24時間レースを取材。1989年にはインディー500マイルレースで東洋人としては初めてピットリポートを現地から衛星生中継した。J SPORTSで放送のSUPER GTのピットレポーターおよび、GTトークバラエティ「GTV」のメインMCをつとめる。

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