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モーター スポーツ コラム 2023年10月31日

宮田莉朋選手(No.36 au TOM’S GR Supra)「絶対勝って終わろうという気持ちしかなかった」 | SUPERGT 2023 第7戦 オートポリス【SUPER GT あの瞬間】

モータースポーツコラム by 島村 元子
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宮田莉朋選手(No.36 au TOM’S GR Supra)

宮田莉朋選手(No.36 au TOM’S GR Supra)

レースウィークの出来事をドライバーに振り返ってもらう「SUPER GT あの瞬間」。2023年シーズンも引き続き、どんなドラマがあったのか、その心境などをコラムにしてお届けします!

タイトル争いが佳境を迎えた第7戦オートポリス。サクセスウェイトが半減される中、タイヤへの攻撃性が高いサーキットでは、450kmというタフな舞台が用意された。予選でまさかの下位に沈んだNo.36 au TOM’S GR Supraだったが、自分たちの強さと速さを信じ、これしかない! という戦略で臨んだという。終盤、見事なオーバーテイクショーを披露し、今シーズン2勝目を挙げてランキングでもトップに浮上した宮田莉朋選手に戦いを振り返ってもらう。

── 予選12位からの大逆転。シーズン2勝目を達成しました。

宮田莉朋(以下、宮田):12番手からのレースになりましたが、(予選)Q1を担当した坪井(翔)選手のパフォーマンスや、クルマのパフォーマンスが足りなかったということは全然なくて。サクセスウェイトの49kgはちょっと影響がありましたが、Q1は落ちないだろうというパフォーマンスはありました。そういうなか、(Q1)アタック中に、トラフィックというかウォームアップしている車両にまるまるセクター3で引っかかってたんです。僕らは(同じチームに)37号車(Deloitte TOM’S GR Supra)がいるので、37号車とデータを比較しても、全然Q1を通るタイムでセクター2まで来れてたので、歯がゆいというか……。もうこれは、レースというかトラック上でやり返すって言ったらちょっとアレですが(苦笑)、もう、相手より前でゴールして、気持ちよく終わるしかないっていう思いしかなくて……。ただ、現実的にも、オートポリスは追い抜くのが厳しいサーキットだとわかっていました。でも、(最終戦の)もてぎは、僕のイメージとして、SupraとBS(ブリヂストン)にとって悩みの種が多いコースというか、そんな相性だと思っていたので、勝つためにオートポリスへ入っていました。なので、予選をあの順位で終わったのは辛かったです。でも、とはいえ、絶対勝って終わろうという気持ちしかなかったです。

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宮田莉朋選手(No.36 au TOM’S GR Supra)「絶対勝って終わろうという気持ちしかなかった」 | SUPERGT 2023 第7戦 オートポリス【SUPER GT あの瞬間】

── 予選での出来事、そして決勝に向けて、いろんな気持ちが錯綜したんですね。

宮田:僕らは、予選での状況を判定する側ではないですが、ただ、車載(映像を)見ても、『もうこれは……』っていう感じだったので、ちょっとやるせなさはありました。決勝に向けて、『トラック上で、もう絶対抜いてやる!』って思ってたんで、もしかしたら(その悔しさをバネにして)ポジティブになってたかもしれない……それはわからないですけどね(苦笑)。でも、逆にレースには自信がありました。クルマは最初完璧ではなくて、結構悩んでるところからスタートしたのですが、450kmレースでは作戦がシンプルじゃなく、いろんな作戦ができるので、それを起点にすればチャンスがあるっていうところで、チームに対してすごく信頼を持ってレースをすることはできました。

── 今回の450kmレースを前に、どのようなレースプランを立ててサーキット入りしたのですか?

決勝レース直前の宮田選手

決勝レース直前の宮田選手

宮田:(第6戦)SUGOが終わってから、(チームの)工場には何回か行きました。17号車の車検の件(レース後の再車検で「スキッドプロック厚み規定違反」の判定が下った)がイマイチわかってなくて。(第5戦)鈴鹿の車検のこと(23号車の再車検による失格)と、(違反の内容が)ちょっと違うなっていう雰囲気だったので。問題点というか内容を確認しに(工場へ)行ったんです。(車検の方法が)厳しくなったのか、もともとの調べ方が違うのか……ちょっとわからないですが、エンジニアも頭を抱えてる感じでした。特に、オートポリスはコースが荒れてるし、結構(走行による車体の)底打ちが多いサーキットのひとつなので、どれだけ車高を上げたらいいのか、何をしたらいいのかっていうところが未知数でしたね。当然、レースで結果を残したいけど、レース後にそういうような結果(車検による失格)になるのが一番嫌だったし。車高を上げるにしても、影響を受けないようにするには何をしたらいいのか、どのようなクルマを用意しようか、みたいなことを常に話していました。

 ストラテジーの部分は、去年、ピットスタートから僕がスタートして、今回のように(ピットインのタイミングを)長めに引っ張って、最後(のスティントとピット作業時間を)短くすることをやったんです。昨年は、セーフティカーが出るだろうと予想してレースを進めてたんですが、(結果としてセーフティカーが)出なかったので、あんまりパッとしないというか……。一応、(途中)8台抜いて前に出れたんです。去年、そういう作戦をしたから、オートポリスでは、逆にそっちの方(ピットインのタイミングを遅らせる)が、最終的に前に出れるんじゃないかなっていうことを、なんとなく感じていました。ただ、それを遂行するには、タイヤ選びだったり、クルマもオートポリスに(見合う)強いクルマを作らなきゃいけなかったので、僕とエンジニアはそのことに結構悩んでましたね。SUGOのあとから悩んでたんですけど……。実は、僕としては……スーパーフォーミュラーのタイトルもかかってる(※1)ので、(SUPER GTが)そっちのけになってて(苦笑)。オートポリスは、『とりあえずなんとかなる』ぐらいな感じでもありました。

※1:最終大会を前に、ランキング暫定トップにつけている

── チーム、エンジニアとの信頼関係がしっかりと構築できているからこそ、“お任せ”できたのだと思います。

宮田:そうですね。SUPER GTはドライバーふたりでやるレースですし。現場では、『坪井(翔)クン、よろしく!』みたいな感じでした。基本、僕は(レースの準備を)結構細かくやりたいタイプなので、工場に行って、話をしたりしたりメカニックとご飯を食べに行ったりとかするタイプなんです。今年、メカニックもSUPER GTとSF(スーパーフォーミュラ)両方が同じメカニックで、エンジニアだけがSUPER GTとSFとで違うんですが、『僕、頭の中がSFなんで、あとはよろしくです』って、多分(SUPER GT担当エンジニアに)言ってたかと。(結果的に)勝ちましたけど、それぐらい、オートポリスは、いつもよりちょっと考えが浅いぐらい感じで、現場に入ってました(苦笑)。

── だからこそ、坪井選手がQ1でアタックチャンスをつかめなかった悔しさを受け止めて、決勝では頑張ろう! というスイッチが入ったのかもしれませんね。

宮田:そうですね。自分の悔しい気持ちを、争う相手だったりチームにぶつけるのは良くないので、結構しんどかったですけど、もう、トラック上で示すしかないと僕は思ってました。そういうところで、チームメイトとしての役割を果たせたっていうのが、表現としてはいいのかなと思います。

── 一方、予選が12位になり、もともとチームとして組み立てていた戦略の見直しはあったのですか?

宮田:いや、全然変更はありませんでした。僕としては、もう絶対(ピットインのタイミングを)引っ張った方がいいっていうことをチームには伝えました。そこは、もう何があろうと変えるなというか。レースを見たらわかると思うんですが、結構早めにピット入ったクルマのペースが良くて、(自分たちがピットインしたあとには)逆転されるということを予想して、多分ピットに入った車両もいたと思うんですよね。僕は2スティント目以降から(のドライブ)だったので、1スティントの様子からレース展開が見えてきました。その時、『結構僕ら(の順位が)上がるな』と思ったんです。順位がどこであれ、自分たちの作戦の方がいいって思いましたね。オートポリスはタイヤがきついので、坪井クンには、『(ピットインを)引っ張るから、最初は多分集団(の中)でずっと走ると思う。GT300車両のトラフィックが来て、追い抜くチャンスがあればそこで抜いてほしいけど、そのチャンスがなかったり、GT500車両の“トレイン状態”とか、抜くこともできずダウンフォースが抜けるぐらいだったら、燃費とタイヤを稼いでほしい。前(のクルマ)がピット入ったら、そこでプッシュして、また追いついたら、そこでタイヤを守って燃費もセーブするっていう走りさえすれば……(行けると)。自分の勘だと行けると思うから』ということは伝えてました。僕としては、順位の関係なしに、そうしようって決めてました。もう、(事前の)ミーティングとかじゃなくて、SFも含めて、自分の去年の経験で、そうしました。

── 一方、序盤には、他車との接触によるフロントバンパーの破損という、ちょっとヒヤリとするシーンがありました。

宮田:オフィシャルさんがチームに来ました。『(破損したパーツが)取れちゃうものなのかどうか、要はオレンジディスクを出さなきゃいけないものなのかを教えてほしい』って。メカニックは、当然ストレートで(クルマの様子を)見て、『全然あれは問題ないです』っていうことは伝えてました。ただ、1回目のピットストップでどう修復というか、何をするかをチーム内で話していました。破損箇所のパーツが取れるものなのか、いつもどおりガムテープで補強するのか。そっちの方で結構バタバタしていました。(接触したのは)インパル(No. 1 MARELLI IMPUL Z)かな? インパルに抜かれた時、多分、2周目か3周目の1コーナーなんですけど、坪井クンが一瞬トラブってるみたいなことを無線で入ったりしてて。一瞬、僕も『決勝も乗れないまま終わったら最悪だな』って、なんかもうやるせない気持ちになってきて……(苦笑)。でも、結果的になんにも問題なくて。ピット作業で修復というか、取れるものは取りました。

── 無事に周回を重ね、最初のピットインはGT500車両では一番最後の34周終わりに実施。“初志貫徹”でしたね。また、コースイン後は、タイヤへの攻撃性が高いと言われるコースで、次々とポジションアップを果たす走りを披露しました。

宮田:(ピットインのタイミングを)伸ばすようにしたというか、伸ばすためには何をすべきかっていうことを目指してやってきたと言うのが正しいですかね。クルマのセットも、タイヤもそうだし。あとは、それに対してのドライビングだったり、レースの進め方をふたりでやれたかなっていう感じですね。

 予選、決勝ともに、ちょっと予報よりも寒かったので、そこだけが悩みというか、温度レンジ的にタイヤが大丈夫かなという悩みありましたけど、今シーズンは、そういう時でも、なんだかんだうまく行ってレースを組み立ててる感じで進められてたんです。だから、ちょっと不安はありましたけど、走り始めてしっかりタイヤの温まりが来た時からは、『これ、多分大丈夫だ』っていう感じで行けました。

── 終盤、さらに怒涛の追い上げを見せて70周目には3位へ上がり、表彰台圏内へ。目の前にライバルが見えて、よりいっそう“スイッチ”が入りましたか?

宮田:(スイッチが)入りますし、その前のスティント……僕の1回目の走行の時には、もう3号車が前にいる状況で。目の前ではないんですが、2つぐらい前のポジションで、見えるところでずっと走ってました。なので(目前のクルマに対しては)『もう頼むから、もう除けてくれ!』ぐらいの思いしかなくて。(自分たちは)3号車の前でゴールしたいという思いで(レースに)来てますからね。当然、(コース上で争っている)相手なんで、除けてくれることはないんですけど、『除けるか、早くピットに入ってくれれば、こっちは速く走れる』ぐらいな感覚でいました。まぁ、そのスティントでもしっかりコース上で追い抜くことはできましたした。そこらへんは、ある意味、冷静に対処できました。

──77周目には、ホームストレートで3号車とサイドバイサイドになり、第1ヘアピンでついに逆転。狙いを定めていましたか?

宮田:最終コーナーで、(3号車が)GT300車両に引っかかったらチャンスがあると思っていました。どんな手とは言わないですけど(笑)、(3号車の走行ラインが)僕と違うなってところが(うしろを走って)よく見えたので。1コーナーで抜くのは、結構難しいかなと思ったんですけどね。セクター3は、結構GT300車両も速くて、決勝ではGT500車両との大きな差がないんです。 コーナー進入で並びかけることができれば、GT300車両を抜けるぐらいなんです。距離感として、『(3号車がGT300車両に)最終コーナーで引っかかったら、第1ヘアピンあたりで(3号車に)並べる』という感覚でした。今回のオートポリスに限らず、僕らは(サクセスウェイトに合わせた)燃料リストリクターを今まで積んで走ってきて、ストレートスピードが遅かったから、コーナーで相手に抜かれないようにする/相手を抜けるようにするっていう経験があった。なので、オートポリスでは、それを踏まえて活かしたという感じですね。

── 続く16号車には、87周目の第2ヘアピンで間隙を縫うようにトップを奪取。“してやったり”のパフォーマンスでした。

坪井選手とトロフィーを掲げる宮田選手(右)

坪井選手とトロフィーを掲げる宮田選手(右)

宮田:ちょうど100Rで、向こうがGT300車両に引っかかったというか、コーナー出口で加速していきたいところにGT300車両がいたので、ダウンフォースが抜けるっていうのはわかってました。こっちがどれだけ早くアクセルを踏めるか、さらに加速で勝れば(16号車を)抜けるっていう感覚でした。ただ、同じように加速されるとちょっとホンダの方(16号車)が速いと、その前の1コーナーに向かうホームストレートで感じたので、少しでもこっちの加速が良ければ、追いついて射程距離内に入るかなっていう感じでしたね。それがうまくいったというのもあります。あとは、もう第2ヘアピンしか狙いを定めてなかったです。実際、もうちょっと前の周にチャンスが見えてて……。抜ききれなかったら、多分(その後は)ここ(のライン)を閉められるなって……。ある意味、自分の手を見せないことに意識していました。ただ、『あー、ここでもっと早く抜けば良かったな』っていうのは、レースが終わってから自分の中で思ったことはいくつかありました。

── 外から見ていたら一瞬で簡単に仕留めたように見えるものであっても、実は何周も前から、勝負しているというわけですね。

宮田:クルマのブレーキだったり、コーナーに自信があったから、それができました。あとは、過去にそういうことをしたかったけど、何回もトライして閉められたり……そういうチャンスをつかめなかった経験もあるので。そういう経験もあって、いつ手の内を出すか、一発で仕留めるか(を学んだ)。1回で仕留めることが大事なんで、そういう意味で言うと、もっと早いタイミングで抜ければもうちょっとギャップも築けただろうし。でも、相手に気づかれずにしっかり1回で仕留めれたってことが大きいですね。

── ついに念願のトップへ。チェッカーまでの間、どういう思いで走っていたのでしょうか?

トップでチェッカーを受ける36号車

トップでチェッカーを受ける36号車

宮田:簡単に引き離せないだろうなとは、思ってはいました。前のスティントもそうですし、最後のスティントもそうだったんですけど、追い上げているとはいえ、燃費も稼がなきゃいけないスティントでして。逆に、僕の技量的には、そこしか旨味がないと思ってたので(苦笑)。僕は、追い抜くことにあまり自信がない人間なんで。どっちかというと、燃費を稼ぐとか……要は耐久レース向きだと思ってたので(笑)。だから、燃費を稼ぎながら速く走ることの方が自信があるというか、なんとなく想像がつきやすい感じだったんです。なので、最後の10周も、追い抜いたとはいえ、追い抜く時もそうだったんですけど、燃費を稼ぎながらああいうことをしてたので、『燃費を稼がなくて大丈夫だよ』っていう無線が入れば、そこからプッシュというか、抜かれないように、GT300クラス車両のトラフィックにも当然気をつけながら速く走って、あとを引き離すようにしたかったんです。ただ、それをやって、燃費が足りなくてガス欠で終わるっていうのが1番最悪だと思ってたので、もう、残り5〜6周ぐらいは、ちょっと燃費走行しつつも速いラップ(タイム)で走れるようにっていう感じで走ってました。逆に、その後の2〜3周かな!? GT300車両のトラフィックで、結構(16号車との)ギャップが縮まったり広がったりっていう感じだったので、縮まったらちょっとプッシュしました。ちょうど良かったのは、残り4周から3周で、GT300車両のトラフィックがまったくなかったんです。(車両が)いてもホームストレートで抜いたり、ところどころだったし、その時は、(16号車に対して)僕らの方がパフォーマンスがあるっていうことがわかってたので、燃費走行に徹して走りました。

── 今回でシーズン2勝目。ポイントでも逆転し、2位に7点リードで最終戦を迎えることになりました。最終戦への意気込みを聞かせてください。

宮田:もてぎは、バンドウで参戦していたときにヨコハマタイヤでポールポジションを獲った(※2)サーキットでもありますし、そんなに相性悪くはないとずっと思ってたんです。ところが、最近もてぎで悩むことが本当に多い印象で。去年も、ギリギリで一応チャンピオン争いには加わって、予選から前へ、という思いで臨んだつもりが、もう全然予選がダメで。でも、決勝は力強いレースができて14番手から6位か5位ぐらいまで追い上げれたんです(正式には6位)。だから、予選さえ前に出られたらチャンスはあるだろうと思ってます。あとは、ミシュラン勢とホンダのBS勢が速いと思うんで、そこが手ごわいかな。去年もホンダのスタンレイ(No.100 STANLEY NSX-GT)が優勝してますし、3号車も結構力強いレースをしていたし。多分、みんな速いでしょうが、自分たちは3号車の前でゴールしなきゃいけないと思います。去年、僕は悔しいというか残念な結果で終わってしまったので、しっかりその反省を踏まえて、まずは予選を前(の順位)で終わっていい流れに乗って、決勝も優勝を目指して頑張りたいなと思います。

※2:2021年第7戦。No.19 WedsSport ADVAN GR Supraで自身2度目のポールポジションを獲得

── では、最後にこの企画恒例である「24時間以内のちょっとした幸せ」を教えてください!

宮田:最近、日に日に思うっていうか、しっかり自分で言ったことが現実として起きてることが嬉しいなと思っているんです。レースの時もそうですし、私生活でも、基本、『こうします』とか『何々します』みたいな発言をしてから、物事がそういう風に動いてるなとすごく思いますね。自分に自信があるということもないですし、僕自身ネガティブタイプなんで、結構、考えちゃうし、現実を見ちゃうタイプなんですよね。だから、今回のレースもそうですけど、現実的には勝つことが難しい状態だったけど、心の中では勝ちたいっていう葛藤があったんです。でも、自分が目指したいポジション……自分がこうなりたいっていうことを言って、それに対してやってみたら、なんか最近いい感じだな、っていうことがあるんですよね。

── そういえば、風のウワサで、今、いろいろと来シーズンの話が聞こえていますね(笑)。

宮田:多分、いつかは発表になるだろうっていう感じでしょうけど。まあ、多分そうなるかもしれないんで。とはいえ、人生何があるかわからないですし、自分の将来というか、未来を作るのも自分だと思っています。自分がやりたいって思ってることを自分はやってるつもりですし、逆にその背中を押してくださってるトムスだったり、TGRの皆さんだったり……そういった関係者の皆さんには感謝しかないです。それにしっかり応えるのがレースだと思うので、そういう意味でも、本当にオートポリスの優勝はすごくうれしかったですね。

文:島村元子

島村元子

島村 元子

日本モータースポーツ記者会所属、大阪府出身。モータースポーツとの出会いはオートバイレース。大学在籍中に自動車関係の広告代理店でアルバイトを始め、サンデーレースを取材したのが原点となり次第に活動の場を広げる。現在はSUPER GT、スーパーフォーミュラを中心に、ル・マン24時間レースでも現地取材を行う。

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