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モーター スポーツ コラム 2023年9月8日

レイがカワサキ離脱で、ヤマハ加入を発表!終盤戦がスタート | FIM スーパーバイク世界選手権2023 第9戦 マニクール(フランス) プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ヤマハへの移籍が発表されたジョナサン・レイ

ヤマハへの移籍が発表されたジョナサン・レイ

世界最高峰のプロダクションバイクレース「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」が約1ヶ月半のサマーブレイクを経て、第9戦マニクール(フランス)から再会となります。残り4ラウンド、12レースでチャンピオンを争っていくことになりますが、大逆転劇はあるのでしょうか。今回は第9戦・マニクール=9月8日(金)〜9月10日(日)のレースプレビューをお届けしましょう。

さて、終盤4ラウンドの幕開けを前に大きなニュースが飛び込んできました。6度のスーパーバイク世界選手権王者であるジョナサン・レイ(カワサキ)がカワサキワークスを離脱し、ヤマハのトップチームである「Pata Yamaha Prometeon WorldSBK」への移籍を発表したのです。すでに噂になっていた大型移籍ではありましたが、「カワサキでキャリアを終えたい」と以前本人も語っていましたし、まだカワサキとの契約が残っている状態であったため、単なる噂で終わるのではという見方もありましたから、衝撃的なニュースでした。

大型移籍の発端となったのはトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)のBMWへの移籍でしょう。その後、アンドレア・ロカテリ(ヤマハ)の残留、契約延長が発表されましたが、ロカテリはまだ優勝経験なしのライダー。ラズガットリオグルの後釜に誰が収まることになるのか注目が集まっていました。鈴鹿8耐への参戦も行わず、WSBKに集中すると宣言して、前戦・モストで今季初優勝を達成したばかりでしたから、ジョナサン・レイ(カワサキ)の電撃移籍は驚きました。サマーブレイク中に一気に山が動いたという印象です。

このジョナサン・レイ(カワサキ)の移籍はWSBKの来季のシートに誰が収まるのか、いわゆるストーブリーグの第2ラウンドのゴングが鳴ったことを意味します。今、2人ともラインナップが決まっているのは「Pata Yamaha Prometeon WorldSBK」だけで、多くのチームがまだ来季のラインナップを未発表の状態です。カワサキのレイが抜けた後釜に誰が選ばれるのか、チャンピオン争い以上に関心を集めそうです。

これから始まる終盤戦で頑張らなければいけないのは、まだシートが決まっていないWSBKのレギュラーライダーたちでしょう。そんな中、レースウィーク直前にこれまたビッグニュースが飛び込んできました。ランキング首位のアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)のチームメイトの座を掴んだのは、一つ下のカテゴリーである「スーパースポーツ世界選手権(WSSP)でランキング首位のニッコロ・ブレガです。

グランプリライダーとしてMoto2で走った後、WSSP参戦は2年目。今季はすでに9勝をマークしているライダーです。近年はダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)などMotoGP参戦経験が豊富なライダーがWSBKに転向し、すぐに結果を残す傾向にありますが、ドゥカティは若手のワークス起用を決めました。

ブレガが高評価を受けたように、スーパースポーツ世界選手権が中量級バイクだけのクラスでは無くなったことで、Moto2などグランプリ出身のライダーが増加し活躍していますから、移籍市場は例年以上に混沌としています。

特に大事なのは移籍、残留の決め手となるシーズン終盤戦再開となる第9戦マニクール(フランス)の結果でしょう。そういう意味でも今回は非常に重要なレースになることは間違いありません。

8戦を終えてランキング首位はアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)=427点。2位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)=353点に対し、74点ものリードを築いています。しかしながら、前戦・モストは3レースともウイナーが異なるレースになったりしましたし、終盤戦は一気に勢力図が変わる可能性も秘めています。BMWへの移籍が決定済みですが、肩の力が抜けたトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)が後半戦盛り返してくるのは毎年の恒例ですから、バウティスタの74点リ―ドはまだまだ安全圏とは言えません。

特にマニクール(フランス)はトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)が大の得意とするサーキット。2019年はカワサキのサテライトチームでWSBK初優勝を達成していますし、ヤマハ移籍後も優勝し、合計6勝をマークしているコースです。一気にラズガットリオグルが勢いを盛り返す可能性を秘めています。

ヤマハ移籍が決定したジョナサン・レイ(カワサキ)=251点はトップから176点差。4ラウンドでの最大獲得ポイント数が248点ですからまだチャンピオンの可能性を残しています。とはいえ、マニクールのレースが終わった時点で186点差以上開いてしまうとチャンピオン争いから脱落になりますから、マニクールで3連勝することが必須と言えます。条件的には厳しい立場に置かれていますね。

ブレガのドゥカティワークス加入が決まり、離脱を発表したのがマイケル・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)。表彰台5回のみでランキングも8位と低迷していました。一方で、プライベートチームである「Motocorsa Racing」から参戦のアクセル・バサーニ(ドゥカティ)がランキング5位、そして前戦・モストの2レースで表彰台を獲得した「Barni Racing Team」のダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)がランキング6位と急浮上してきました。

アルゼンチンでのレースがキャンセルされ、最終戦にヘレス・サーキットが加わり、4ラウンドともにヨーロッパに留まっての開催が決まったWSBK。9月は3ラウンドをこなしていくことになり、その戦いと来季に向けたストーブリーグは短いスパンで目まぐるしく動いていきそうです。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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