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モーター スポーツ コラム 2023年7月27日

今季初めて!バウティスタが通常レースで負けた | FIM スーパーバイク世界選手権2023 第8戦 モスト(チェコ) プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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前戦イモラで速さを見せたトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)

前戦イモラで速さを見せたトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)

世界最高峰のプロダクションバイクレース「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」は第8戦がチェコのモスト・サーキットで開催されます。モストでの開催は3年目。今やすっかりレースカレンダーに定着しつつあるコースですが、このサーキットを得意としているのがランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)。前戦・イモラで今季初めて通常レースでの勝利を飾り、勢いに乗ってモストのレースを迎えます。今回は第8戦・モスト=7月28日(金)〜7月30日(日)のレースプレビューをお届けしましょう。

先述のように前戦・イモラではドゥカティのお膝元イタリアでの開催ながら、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の3連勝とはなりませんでした。「WSBK」は土曜日のレース1、日曜日のレース2が90kmほどの距離で争われ、レース2の日曜日レース2のポールポジションを決めるスーパーポールレースはその約半分の距離でレースが行われる1大会3レース制が設定されています。

スーパーポールレースは通常レースとなる土曜日のレース1、日曜日のレース2に比べて短いため、獲得ポイントも半分以下となるため、スーパーポールレースよりも通常レースの方がやはり重要視されるレースと言えるでしょう。

タイヤが全員ピレリのワンメイクタイヤを装着しているため、距離が長い通常レースではタイヤのマネージメントも重要な鍵になってきます。前半はタイヤにダメージを与えすぎないように温存し、後半に勝負できる余力を残しておく。あるいは前半で猛烈に攻めて、後半までに他のライダーが追いつけないようにマージンを作っておく。タイヤのことを考えたライディング、マシン作りが勝負の鍵と言えます。

今季の前半6戦で通常レースの勝利は全てアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)でした。スーパーポールレースではトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)が2回優勝していましたが、通常レースでは一切勝てませんでした。今季のバウティスタとドゥカティの組み合わせは最強で、ラズガットリオグルとヤマハがどれだけ頑張っても最後には負けてしまうというレースが続いていたのです。

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ラズガットリオグル(YAMAHA)今季 初優勝!【ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権2023 第7戦イモラ(イタリア) Race【1】. SuperPole. Race【2】 ハイライト

イモラのレース2ではオープニングラップでアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が転倒した事により、トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)に風が吹き、今季初めて通常レースでの優勝となりました。

ドゥカティ・パニガーレV4Rは性能調整によりレブリミットが250rpm引き下げられたにも関わらず速さを見せています。ライバルたちとの差は大きなマージンではなくなり、幾分か縮まったようにも感じますが、非常に乗りやすいマシンであるドゥカティ・パニガーレV4Rは相変わらずのポテンシャルを見せています。

例年、後半戦になって元気が出てくるトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)ですが、今回の勝利はバウティスタの転倒に助けられたラッキーな部分はあるかと思います。今彼がやれることはしっかりレースをフィニッシュし、ポイントを重ねていくことでしょう。バウティスタの転倒により、ポイント差は70点になりましたが、依然大きなものであることは変わりありません。

今季は今回のモストを含めて5ラウンド=15レースという事になりますが、最終戦のサンファン(アルゼンチン)のレースが大統領選挙開催の関係でキャンセルになりました。代替戦が用意される方向で準備が進められているという事です。しかし、今回のモストでラズガットリオグルがバウティスタに勝てなければ、最終戦を待たずしてチャンピオンが決定してしまう可能性がさらに高まります。

モストでは過去2年レースが開催され、トプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)が6レース中4勝。その他の2勝はアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とスコット・レディング(2021年/当時ドゥカティ)によるものでした。レブリミットが引き上げられたカワサキのジョナサン・レイ(カワサキ)はここでまだ一度も優勝なし。ただ、レイはドニントンパークに続いて表彰台を獲得する好調な走りを見せているので、トンネルから本格的に抜け出すことを期待したいですね。

このモストが終わると9月のマニクール(フランス)まで長いサマーブレイクとなります。モストの翌週には鈴鹿8耐が鈴鹿サーキットで開催されますが、ホンダワークス「Team HRC」のラインナップが変更され、チャビ・ビエルゲ(ホンダ)が鈴鹿8耐のラインナップに加わり、イケル・レクオーナ(ホンダ)はアレックス・リンスの代役としてMotoGPイギリスグランプリに参戦する事になりました。

また、鈴鹿8耐参戦ライダーとしてはスズキの「オートレース宇部」から参戦が決定しているハフィス・シャーリン(ホンダ)は7月の鈴鹿8耐テストで転倒。怪我の影響で前戦・イモラを欠場しました。今回もドクターストップにより欠場するようですが、心配です。

さて、サマーブレイク直前のチェコ・モストでの闘いはシリーズの流れを変える1戦となるでしょうか。熱いバトルに期待しましょう!

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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