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モーター スポーツ コラム 2023年6月28日

バウティスタ旋風を誰も止められないのか? | FIM スーパーバイク世界選手権2023 第6戦 ドニントンパーク(イギリス) プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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第5戦も3連勝を飾ったアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)

第5戦も3連勝を飾ったアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)

MotoGPだけでなく、こちらでもドゥカティの勢いは止まらない!といった感じになっている「FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)」。1ヶ月のインターバルを経て第6戦がイギリスのドニントンパーク・サーキットで開催されます。今回はシリーズの中でも最も熱いファンが見守るドニントンパークで開催の第6戦=6月30日(金)〜7月2日(日)のレースプレビューをお届けしましょう。

ドゥカティのお膝元、イタリアのミサノで開催された第5戦はまたもやアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の3連勝。これで今季の15レース中14勝をバウティスタがマークするという連勝街道を突き進み、無双状態。ランキング2位のトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)も表彰台でのフィニッシュを続けるしかないお手上げ状態になっています。

今回のドニントンパークでのレースはどうでしょうか? 昨年もそうだったのですが、ドニントンはシーズンの流れが少し変わるレースとしても知られています。というのも、ここではイギリス人ライダーが強さを見せることが多いからです。

昨年もアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)が各ラウンドで少なくとも1勝はマークしてシリーズをリードする展開でしたが、ここドニントンではバウティスタは優勝を飾ることができず仕舞い。レース1では転倒を喫してリタイアになってしまいました。代わって勢いづいたのがここで3連勝を飾ったトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)でした。

ラズガットリオグルがシーズンのスロースターターであることはなぜか毎年恒例の行事のようになっていますが、今季もここまでマンダリカ(インドネシア)のスーパーポールレースで1勝を飾ったのみ。実際に去年もスーパーポール1勝という勝ち星だけでドニントンにやってきて、ここから勝利数を増やしていったのです。今年もそんなパターンがまた生まれることになるのでしょうか。去年はまだアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とジョナサン・レイ(カワサキ)、そしてトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)の3人によるトップ争いが展開される3強状態でした。しかし今年はジョナサン・レイ(カワサキ)が未勝利どころかポールポジションすら一度も無しという状況で、ランキング4位。完全にチャンピオン争いからは脱落しています。

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ニューカラーのバウティスタ10連勝!【ハイライト】FIM スーパーバイク世界選手権2023_第5戦 _ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ(イタリア) レースハイライト

そういう意味ではドニントンで、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の脅威となるライバルは例年よりも一人少ないと言えます。特にジョナサン・レイ(カワサキ)はイギリス人ライダーということで、ドニントンパークを得意とするライダーですから、チャンピオン争いという点ではポイント差はかなり大きく(169点も!)開いていますから、心理的には楽な気持ちになるでしょう。

ただ、昨年は予選でポールポジションを獲得し、地元のドニントンでは敵は見当たらない速さを見せていたジョナサン・レイ(カワサキ)。しかしながら、決勝レースではトプラク・ラズガットリオグル(ヤマハ)に完敗してしまいました。

同じイギリス人では昨年、アレックス・ロウズ(カワサキ)が復調の兆しを見せたレースでもありました。昨シーズン初となる3位表彰台を獲得することになりましたが、その後は年間合計4回の表彰台にとどまってしまったのが残念でした。カワサキは今季も苦戦しており、ロウズの表彰台は3位が1回だけ。鈴鹿8耐のワークス参戦を休止してまでWSBKでの活動に集中せざるを得ないシーズンになっています。

鈴鹿8耐という意味ではホンダのイケル・レクオーナ(ホンダ)、シャビ・ビエルゲ(ホンダ)が昨年優勝のホンダワークス「Team HRC」から参戦することが発表されました。鈴鹿8耐4勝の高橋巧とトリオを形成し、鈴鹿8耐の連覇に挑むことになります。

シャビ・ビエルゲ(ホンダ)は鈴鹿8耐に初出場。昨年もテストで鈴鹿は走りましたが、残念ながら正ライダーには選ばれませんでした。しかし、今季のビエルゲは第2戦・インドネシアで3位表彰台を獲得し、コンスタントにシングルポジションでフィニッシュを続けており、その安定感に評価が高まっています。

MotoGPでも厳しい戦いが続いているホンダだけに、市販車ベースのワークスマシンを投入する鈴鹿8耐は是が非でも勝たなくてはならない状況。そんな中でグランプリから転向してきた若手ライダー2人はホンダにとって貴重な人材ですから、彼らにチャンスをという考えもきっとあるのでしょう。

また、鈴鹿8耐ではプライベーターの「MIE Racing」で走るマレーシア人、ハフィス・シャーリン(ホンダ)がスズキのチーム「オートレース宇部 Racing Team」でテスト走行を行いました。どうやらホンダ本体との契約が無いようで、シャーリーンはスズキのチームでテストすることが実現したようですが、同チームは合同テストのトップタイムを獲得。

シャーリーン自身も久しぶりの鈴鹿ながら好タイムを連発し、8耐用のブリヂストンタイヤにもすぐに順応。鈴鹿8耐への参戦が正式に決定すれば、彼のキャリアにとって良い流れが来そうな予感がします。

8月の鈴鹿8耐を見る上でも見逃せないWSBK。ドニントンパークではバウティスタ無双の現状を打ち破るライダーが現れるでしょうか?

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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