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ル・マン24時間で成功した元F1ドライバーたち。レッドブルのマルコ博士もル・マンウイナーだった | FIA 世界耐久選手権(WEC) 2023 第4戦 ル・マン24時間レース(フランス) プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシマルコ博士も元F1ドライバーであることは有名ですが、実は彼のF1デビューはル・マン24時間レースのウイナーとなった後のこと。ル・マンで勝って、F1に乗るチャンスをつかんだのです。マルコ博士は翌1972年にはレーシングドライバーを引退し、同じオーストリア出身のゲルハルト・ベルガーらのマネージャーを務め、後にレッドブルの若手育成のプロフェッショナルとしてマーク・ウェバー、セバスチャン・ベッテルら数多くの優秀なドライバーを見出すことになりました。まさにル・マンに勝ったからこそ今があると言えます。
1970年代には「フェラーリ」のF1ドライバー、ジャッキー・イクスがル・マン24時間にも参戦していました。イクスはフェラーリがル・マンから撤退した後はポルシェから参戦。80年代までに6度のル・マン優勝を達成し、耐久王と呼ばた名ドライバーです。ル・マンの印象が強すぎて、F1での活躍はあまり語られませんが、実はイクスはフェラーリ時代にF1で8勝もマークした凄い人なのです。
1980年代になると、現役F1ドライバーがル・マン24時間のドライバーを兼任する二刀流の時代は終焉を迎えました。グループCカー規定が導入され、耐久レースのシリーズ戦がスタート。1000馬力を誇るプロトタイプカーで強烈な予選アタックを行い、決勝では燃費を考えながらエネルギーマネージメントして走るという、スプリントのF1とは異なる技術が求められる時代になりました。時を同じくして「F1世界選手権」もバーニー・エクレストンの手によって興行としての整備が進められ、レース数も増加。F1と耐久レースはそれぞれの餅屋に頼る時代になっていったのです。
そこで白羽の矢が立ったのが、才能がありながらもF1ではチーム体制に恵まれずになかなか成績が残せなかった元F1ドライバー達です。70年代にF1を走った元F1ドライバー達がベテランとしての実力を頼りにされ、耐久のスペシャリストになっていきました。「ポルシェ」「メルセデス」「ジャガー」「トヨタ」「日産」「マツダ」などF1ではなくスポーツカー耐久レースに価値を見出したメーカーが元F1ドライバー達を雇い、鎬を削ったのが80年代でした。
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