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フェラーリが半世紀ぶりにル・マン総合優勝を狙う!F1とル・マンの密接な関係 | FIA 世界耐久選手権(WEC) 2023 第4戦 ル・マン24時間レース(フランス) プレビュー
モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ無料動画
小林可夢偉&平川亮が語る今年のル・マン24時間
その後、1965年まで最強を誇ったフェラーリは、映画「フォードvsフェラーリ」で描かれたようにフォードGT40にル・マンで敗北を喫し、プロトタイプカー全盛の時代になっても結局勝てずじまい。1973年を最後にル・マンへの挑戦を辞めてしまうことになりました。今年はそれから50年という節目の年。100年の歴史の中の半分を休んでいた跳ね馬がHYPER CARクラスのフェラーリ499Pで復活するというわけです。
1950年代〜70年代は「F1世界選手権」がまだ今のように興行としてちゃんとオーガナイズされていなかった時代で、自動車メーカーはどちらかというとスポーツカー耐久レースに価値を見出していました。70年代になって、ほとんどのF1チームがフォード・コスワースV8を使用する中、独自の12気筒エンジンでF1に挑戦を続けていたのがフェラーリです。ル・マンを辞めて、メーカー色の薄いF1に参戦し続けたことで、フェラーリはF1のアイコン的存在になっていったとも言えます。
当時からF1は「グランプリ」のタイトルで開催される、世界最高峰のレースとして位置づけられていたことは間違いありません。80年代になって、F1がバーニー・エクレストンの手によってオーガナイズされ、世界各国でテレビ中継が楽しめるようになるとF1のバリューは上昇していきます。市販車のイメージ作りに直結するスポーツカーレースに積極的だった自動車メーカーも80年代のF1の盛り上がりに乗じて、F1への参戦を模索し始めます。
その転機は90年代の前半に訪れます。ル・マン24時間レースの華形だった「グループCカー」規定をFIA(国際自動車連盟)が変更。F1と同じ3.5・NA(自然吸気)エンジンを採用した耐久レースを発足させました。SWC(スポーツカー世界選手権)です。
「ジャガー」「メルセデス」「プジョー」「トヨタ」「マツダ」「日産」といったル・マンに挑戦していた自動車メーカーがF1と同じ3.5L・NAエンジンを開発し、新しいチャレンジを始めました。しかしながら、F1と同じ高回転のエンジンではル・マン24時間レースの勝利は難しく、自動車メーカーの関心を惹きつけ続けることは難しく、このシリーズは僅か2年という短命に終わってしまいます。
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