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モーター スポーツ コラム 2023年6月5日

平川亮が耐久レースの魅力を語る「長いスプリントレース。結構、極限」| ル・マン24時間レース開幕直前 小林&平川スペシャルインタビュー

モータースポーツコラム by J SPORTS 編集部
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TOYOTA GAZOO Racing 小林可夢偉選手兼チーム代表・平川亮選手

TOYOTA GAZOO Racing 小林可夢偉選手兼チーム代表・平川亮選手

1923年の第一回大会から、今年で100年を迎えるル・マン24時間レース。J SPORTSではこのアニバーサリーな大会を徹底LIVE配信でお届けする。

2021年よりトヨタGR010 HYBRIDを走らせる我らがトヨタは現在ル・マン5連覇中。記念すべき100周年大会に勝利すれば、フェラーリが持つ6連覇の記録に並ぶ快挙だ。チケット30万枚は売出し直後にSOLD OUT!そんな世界中のモーターファンの耳目を集める今大会へ挑むTOYOTA GAZOO Racingより、小林可夢偉選手兼チーム代表と、平川亮選手に話を聞いた。全3回に分けてお届けする。(聞き手:ピエール北川氏 | 以下、敬称略)

今シーズンのWECについて

北川:WEC(FIA 世界耐久選手権)の魅力、耐久レースの魅力を教えてください。

平川:ドライバーとしては、耐久レースというよりも、どちらかと言えば長いスプリントレース(という印象)。結構《極限》だと思いますね。6時間レースとか、セブリング1000マイルもそうですけど、長い距離でも短い距離でも、ドライバーとしてプッシュする度合いは同じ。どれだけ長い時間プッシュし続けられるのか、それを高次元でできるのかチャレンジできるので、やっていて常にやりがいがあるなと思います。

北川:ドライバー同士の意識の仕方はどうですか? 《ライバル》なのかファミリーのような《チームメイト》なのか、どういった感情がありますか?

平川:7号車と8号車では、レースがはじまれば一番のライバルになってしまいますが、それまではお互いに協力をしています。去年はじめてチームに入ったときは、全く経験のない状態だったんですけど、チームメイトに助けられて、いろんなこと教えてもらいました。教えてもらった経験値で自分も成長できています。自分も日本で経験したことをフィードバックしたりして、良い関係が築けていると思います。

北川:今年はいろんなメーカーやドライバーが加わり、WEC自体が盛り上がっている印象を受けますか?

TOYOTA GAZOO Racing 小林可夢偉選手兼チーム代表・平川亮選手

TOYOTA GAZOO Racing 小林可夢偉選手兼チーム代表・平川亮選手

小林:耐久レースというものが、もう一度熱を上げているような気がします。アメリカの耐久レースも結構盛り上がっているし、この世界耐久選手権も盛り上がってきている感じもある。日本の富士24時間レースを見ても、カテゴリーは違うとしても、耐久レースの面白さみたいなもののポジションが確立されてきたんじゃないかなと思っています。いまの富士24時間レースを見ていると、例えばキャンプとか、レース以外のアクティビティも楽しめる。また、モリゾウ(豊田章男会長)さんが来たりして、いろんな開発もすることで、開発する場としての意識も増えてきていると思う。それぞれの国々で持っているものは違うと言えど、日本は開発しながらレースも楽しむ、アメリカはエンタメ専門みたいなレースもする、ル・マンであればプロフェッショナルなレベルでいろんなメーカーががっちりレースをするみたいな形で盛り上がっている。未来は明るいのかなと思っています。

北川:WECではトヨタが2連勝中。代表としてここまでの出来栄えについてお聞かせください。

小林:クルマは速いし、チームとしてすごく良いパフォーマンスを出せていると思います。間違いなく今の現状でいけば、1・2は獲れると思います。僕らにいま必要なのは、トラブルをいかに無くすかということなのかなと思っています。

北川:正直、ライバルメーカーの存在はどのように捉えてますか?

小林:例えばポルシェは、僕がF1のザウバー時代にチーフメカをしていた人が、プロジェクトリーダーとかでやっているんですよ。「ポルティマオ、速くなったじゃん」って言ったら、「ちょっと良くなったけど、お前らのところに行こうと思ったら、ちょっとのステップじゃなくて、あと50ステップくらい踏まないといけない。まだまだだよ!」って言ってくれるわけです。彼らも素人じゃなくて、レースの中の、プロ中のプロ。その人たちが今のTOYOTA GAZOO RacingのWECチームを見て「こいつら、すごいことをやってるな!」と認めてくれることは、素直にありがたいなと思う。今までやってきてくれた人が、一生懸命やってきた成果だなと思う。これからもっとコンペティティブになっていくと思うし、ライバルはもっと力をつけてくると思うので、BOPっていうレギュレーションもあるんですけど、僕たちはこの強さをできるだけ、もっと強いチームづくりを続けて行く。できることを最大限やるしかないんじゃないかなと思っています。

北川:ルール変更もありましたが、混乱は無かったですか?

平川亮選手

平川亮選手

平川:タイヤウォーマーについては、僕らはテストもあまりできなくて、テストをやっても冬場の寒い時期でした。それを経験していたので、自分としては楽しいことが増えたというか、人と差がつくところが出てくれた。スーパーフォーミュラとかSUPER GTとかでアウトラップだったりの経験はあるので、逆にそういうルールができて、そこで差がつくことは自分としてはラッキーだったなと思います。あまりネガティブには捉えていないですし、それに合わせてクルマもいろいろとアジャストできるので、やりがいはより増えたかなと思います。

北川:大変なのはチーム代表(小林可夢偉選手兼代表)ですかね?

小林:大変ですかね.......一番大変なのは平川のコントロールかもしれない。

北川:3年目を迎えるGR010 HYBRID。どこがクルマの強さだと捉えていますか?

小林:全てですよね。レースに勝つって一つ(の要因)じゃない。ドライバーも3人でクルマをシェアするわけですから、みんな横一列に並んでいるわけです。これってめちゃめちゃ重要なポイントで、チームメイトと一周0.3秒遅かったら、耐久レースだとすごい差になる。ドライバーもそうでだし、チームのピットストップもミスできない。どれをとっても負けない、これがGRチームの強いところじゃないかなと思う。クルマだけでは勝てない。ピットストップ、戦略、全て。それが揃わないとこの耐久レースでは勝てない。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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