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【ハイライト】FIM スーパースポーツ世界選手権2023 第2戦 決勝 全2レース マンダリカ(インドネシア) SSP600クラス
その活躍が注目され、昨年は25倍の排気量となる1000ccマシンに乗り、鈴鹿8耐に初出場。Kawasaki Plaza Racing Teamから参戦し、なんとクラス優勝を成し遂げました。
近年は彼のような海外思考の強い若手ライダーが増えつつあります。MIE Racing森脇緑代表の勧めに後押しされたとはいえ、岡谷にとってコロナ禍になってもヨーロッパに留まり、挑戦を続けたことは岡谷のキャリアを大きく前進させたと言えるでしょう。
岡谷は今季、「Prodina Kawasaki Racing WSSP」からカワサキZX−6Rでの参戦。昨年は最高位8位を記録したチームで、まずは「FIMスーパースポーツ世界選手権」について学ぶシーズンになるかと思いますが、初戦からガンガン行って欲しいものですね。
そして、もう一人、阿部真生騎(ヤマハ)が「VFT Racing Yamaha」から参戦します。阿部真生騎は伝説のライダー、ノリックこと阿部典史さんの息子として知られ、典史さんと同じく祖父で元オートレーサーの阿部光雄さんから指導を受けて全日本ロードレースST600を戦ってきました。
昨年、バレンティーノ・ロッシが主宰する「VR46ライダーズアカデミー」を受講して経験を積んだ阿部真生騎。ロッシは父、典史さんの走りに憧れ、自らを「ロッシフミ」と呼んで欲しいと言ったほど。亡き父の代わりにレースの帝王学を教えてくれる偉大な存在が阿部真生騎にはいるというわけです。
とはいえ、阿部にとってヨーロッパでは初レース。コースの習熟を含めて立ちはだかるハードルは非常に高いものになるかもしれません。しかし、フル参戦するチームメイトのニコラス・スピネリ(ヤマハ)がいきなり2位表彰台を獲得するなどチーム体制はかなり恵まれていると言えますから、阿部が急激に秘めた実力を示すタイミングがやってくるかもしれません。
MotoGP、スーパーバイク世界選手権と同様にイタリアのドゥカティが強さを見せている「FIMスーパースポーツ世界選手権」でカワサキとヤマハに乗る2人の日本人ライダー達がどんな走りを見せるか、今季は非常に楽しみなシーズンになりそうです。
文:辻野ヒロシ
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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