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モーター スポーツ コラム 2023年2月23日

初開催の南アフリカで新たなウイナー誕生なるか? | FIA フォーミュラE世界選手権 2023 第5戦 ケープタウン プレビュー

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ジャン・エリック・ヴェルニュ(DSペンスキー)

ジャン・エリック・ヴェルニュ(DSペンスキー)

電気自動車の世界選手権フォーミュラカーレース「フォーミュラE」のシーズン9(2023年)。前戦インドに続き、またもやフォーミュラE初開催となる南アフリカのケープタウンで第5戦が開催されます。新型マシンGen3シャシー初年度でまだまだ勢力図がクッキリとは見えてこない新生フォーミュラE。今回は第5戦ケープタウン(2月25日予選・決勝)のプレビューをお届けしましょう。

フォーミュラEにとって初開催の地となるケープタウン。南アフリカの南西端に位置する岬、喜望峰のある場所としても知られています。ポルトガルのディアスが発見し、ヨーロッパからインドへの航海ルートの要所となった歴史的な地です。インドから南アフリカ喜望峰へと転戦してくるフォーミュラEのレースは波乱の展開になっていくのでしょうか?

前戦は初開催となったインド・ハイデラバードでのレースは新たなウイナーの誕生となりました。オーバーテイクポイントが非常に限られるトレイン状態のレースの中、上位勢はアタックモードを使いあう激しい攻防戦となり、これまでの3レースにおいて決勝で順位をグイグイ上げてきたポルシェパワートレイン勢の独走をライバルたちが許さない展開に。

優勝を飾ったのは今季からペンスキーと組むことになった「DS Penske」のジャン・エリック・ヴェルニュ(DSペンスキー)。DSパワートレイン勢にとっては今季初優勝、チャンピオン経験もあるヴェルニュにとっては2021年のローマ以来、2年ぶりの優勝ということになりました。シーズン立ち上がりの3戦で表彰台にすら登れず苦戦していたヴェルニュはこれでランキング3位に浮上したのです。

インド・ハイデラバードの第4戦で2位表彰台を獲得したのは日本でもお馴染みのニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)。今季で3年目となるフォーミュラEキャリアですが、デビューから3年連続で表彰台を獲得したことになります。

3位表彰台は今季ポルシェに移籍してなかなか結果が残せなかったアントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)がようやく初表彰台。4位にはサウジアラビアで2連勝を飾ったパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が入り、やはりポルシェパワートレイン勢が強さを発揮する形になっています。

また、ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)はレース終盤に追突されてタイヤとボディワークを壊してピットイン。表彰台獲得のチャンスを失うという不運に見舞われました。

これでランキングではパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)=80点、ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)=62点と大きな差がつき、チームランキングでもダコスタの好走でポルシェワークスが一歩リードする形になっています。

初開催の地となるケープタウン

初開催の地となるケープタウン

初開催コースが続くということで、まだまだ勢力図は変わっていく可能性が大いにあります。ケープタウンの市街地コースは2.7km。コーナーは12しかなく、直線的なコースを繋いだストップアンドゴーと言えるレイアウトです。またもや激しいバトルの連続になることは間違いありません。

こういう初コースではやはりフォーミュラEの経験が豊富なベテラン、チャンピオン獲得経験者が強さを見せることがインドのレースでも明らかになりました。3位でチェッカーを受ける好走を見せたセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・ジャガー)はレース後にドライブスルーペナルティに相当する17秒加算で上位の結果を得られませんでしたが、激しいバトルの中でもしっかりレース展開を見極める巧さを見せました。

ジャン・エリック・ヴェルニュ(DSペンスキー)、アントニオ・フェリックス・ダコスタ(ポルシェ)らが上位に入ったことでも分かる通り、フォーミュラEは9シーズン目ということもあり、この短期決戦フォーマット、市街地コースでの切り抜け方、引くところは引く見極めなど、こういうレースで結果を残せるドライバーたちはやはり限られていると感じるレースでした。

日本期待の日産勢はマクラーレン・ニッサンがチームランキングで4位につけているものの、ワークスチームの方はランキング9位と低迷中。今季から日産勢に加わったサッシェ・フェネストラズ(日産)はインドのレース序盤で上位争いを展開したものの、ポイント獲得はなりませんでした。ただ、サッシェ・フェネストラズ(日産)の速さは日本のスーパーフォーミュラ、SUPER GTで証明されているとおり。フォーミュラEのレース展開に慣れくれば、きっと期待以上の結果を残してくれるでしょう。ケープタウンのレースが日産勢躍進のレースのなることを期待しましょう。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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