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モーター スポーツ コラム 2023年2月9日

【FIA フォーミュラE世界選手権 2023 第4戦・予選 ハイデラバード(インド):プレビュー】見えてきたGen3勢力図、初開催のインドで波乱はあるか?

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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ディルイーヤ(サウジアラビア)で行われた前戦

ディルイーヤ(サウジアラビア)で行われた前戦

世界選手権のタイトルがかけられた電気自動車のフォーミュラカーレース「フォーミュラE」のシーズン9(2023年)。新型マシンGen3シャシーの導入で注目が集まっている今季は早くも4レース目の大会を迎えます。「J SPORTS」ではフォーミュラE世界選手権を全戦放送中。今回は初開催インドが舞台となる第4戦(2月11日)のプレビューをお届けしましょう。

ここまでメキシコシティで1レース、ディルイーヤ(サウジアラビア)で2レースが終わったGen3シャシーによるフォーミュラE新時代。今季が開幕するまではいったいどのチームがシーズンの主導権を握ることになるか、全く予測不能の状態でした。

しかしながら、パーマネントサーキットの路面となるメキシコシティ、市街地コースの路面となるディルイーヤで合計3レースが開催されたことにより、今季の勢力図が見えつつあります。その主導権を握っているのはズバリ、ポルシェのパワートレインを使うドライバー達です。

開幕戦のメキシコシティでは伏兵とも言える「アンドレッティ」のジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)が優勝。そしてディルイーヤでは「ポルシェ」ワークスのパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が2戦連続の優勝を果たし、ポルシェのパワートレインを使うチームのドライバー達が2つの異なる特性のコースで変わらぬ速さを見せました。

3レースともに1位と2位はポルシェパワートレインのジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が独占。新レギュレーションをうまく読み、合わせ込んできたという印象です。決勝レースでは両者とも数多くのオーバーテイクショーを披露し、最後まで接戦のスリリングなレースを見せています。決勝での強さがポルシェ勢にはあり、特に彼ら2人のペースは他を圧倒しているのです。

ポルシェはシーズン6(2019−20)からフォーミュラEに参戦を開始。今季が4シーズン目ということになりますが、過去3シーズンで優勝は僅か1回のみ(2022年)。モータースポーツのDNAをブランドの核とするポルシェですが、意外にも電気自動車レースでは苦戦してきました。今年、形成逆転のビッグチャンスとなったGen3シャシー導入のタイミングで、急激にポルシェが躍進したのは流石という印象です。大きく勢力図を変えたと言えるでしょう。

パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)

パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)

2位、優勝、優勝と来て、ランキング首位は文句なしにポルシェの新エース、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)=68点。ランキング2位は優勝、2位、2位と開幕からのダッシュに成功したジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)=62点。彼らの活躍もあり、チームランキングでも「アンドレッティ・ポルシェ」=76点、「ポルシェ」=74点と1−2状態を築いています。

ただ、予選での速さは過去3戦のポールポジションを見ても、開幕戦がルーカス・ディグラッシ(マヒンドラ)、第2戦がセバスチャン・ブエミ(エンヴィジョン・ジャガー)、第3戦がジェイク・ヒューズ(マクラーレン・ニッサン)と3レースともに異なっています。予選では上位に来ないものの、ポルシェ勢はオーバーテイクのリスクをたくさん切り抜けながら最終的にはトップ争いを展開するパターンになっています。

おそらく今季はジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)の2人が軸になっていくと考えられますが、第4戦の舞台はどのチームにもコースデータがない新コース。インド南部のIT産業の大都市、ハイデラバードの約2.8kmの市街コースでの開催となります。

初開催で様々な未知数な部分がありますが、長いストレートの後にやってくるターン2(ルンビニヘアピン)でのオーバーテイクショーは見どころの一つと言えるでしょう。バトルがたくさん起こりそうなレイアウトです。

インドでのフォーミュラEは早くから検討されていました。それもそのはず、インド国籍のチームとして「マヒンドラ」が早くからフォーミュラEに参戦していたからです。「マヒンドラ」はインドの自動車メーカーとして1945年に設立された歴史ある会社で、SUV車を中心に製造しています。かつてはバイクレースに投資し、MotoGPの軽量級クラスに参戦していたこともありました。

フォーミュラEには2014年から参戦。飛躍を遂げたのはシーズン3(2016−17)で、この当時は現インディカードライバーのフェリックス・ローゼンクビストの大活躍もあり一躍トップチームに急上昇。しかし、ローゼンクビスト離脱後の「マヒンドラ」は低迷していました。

それが今季は開幕戦でルーカス・ディグラッシ(マヒンドラ)がポールポジションを獲得して3位表彰台。チームメイトのオリバー・ロウランド(マヒンドラ)も昨年2位表彰台を獲得していますし、優勝経験がある実力派ドライバーを2人擁するチーム体制に。地元の声援を受けて走ることになる「マヒンドラ」の復活にも注目したいところです。

とにかく未知数な要素が多い初開催のコース。インド・ハイデラバードのレースは新しい流れが生まれるレースになるかもしれません。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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