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モーター スポーツ コラム 2023年1月25日

【FIA フォーミュラE世界選手権 2023 第2&3戦 ディルイーヤ:プレビュー】Gen3初陣はポルシェ勢が速さを見せた!

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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メキシコシティの開幕戦

メキシコシティの開幕戦

電気自動車の世界選手権フォーミュラカーレース「フォーミュラE」のシーズン9(2023年)は1月14日(土)にメキシコシティで開幕し、新型マシンGen3シャシーでの新たな時代に突入しました。新メーカー、新チームの参戦もあり、大きな注目が集まっていた開幕戦に続き、フォーミュラE世界選手権を全戦放送中の「J SPORTS」で新時代のフォーミュラEをお楽しみください。今回はサウジアラビアに舞台を移して行われる第2戦(1月27日)、第3戦(1月28日)のプレビューをお届けしましょう。

メキシコシティの開幕戦は1レースのみの開催でしたが、今回のサウジアラビアでのレースは2レース開催ということで、シーズンの流れができ上がる重要なラウンドになりそうです。メキシコシティでは昨年までのレイアウトにシケインが一つ加わるという変更がありましたが、今回のサウジアラビア・ディルイーヤは基本的にはレイアウトが同じ。昨年までのGen2とGen3ではシャシーもパワートレインもタイヤもレースフォーマットも変わりましたから、勢力図は振り出しに戻った印象ですが、昨年までと同じコースで、しかも2日に渡って行われるレースということで、チームはGen3に関するデータをたくさん蓄積、解析することができるでしょう。そういう意味でも非常に大事なレースということになります。

新型Gen3による初陣を制したのはなんと「アンドレッティ」のジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)でした。昨シーズンまではBMWのパワートレインを使用した同チームですが、今季からはポルシェにスイッチしてサテライトチームになりました。チームには残留する形になったジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)は予選でもいきなりポールポジション争いを展開しました。

決勝ではポールポジションからレースをリードしたルーカス・ディグラッシ(マヒンドラ)をオーバーテイクすると、そのあとは独走状態を築いて優勝したジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)。フォーミュラEに参戦して3年目ながら、キャリア4勝目をマークすることになりました。

開幕戦を制したジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)

開幕戦を制したジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)

ジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)はフォーミュラEへの参戦前は決して華々しいキャリアを歩んできたドライバーではなかったのですが、その才能は2020-2021年にBMWからデビューしたフォーミュラEで開花。ルーキーで初モノづくしの状態で2勝をマークし、ランキング3位を獲得。BMWの撤退によりプライベーターに戻ったアンドレッティで昨シーズンも優勝するなど、近年の若手の中では最も成功したフォーミュラEドライバーになっています。

一方、2位でチェッカーを受けたのはポルシェワークスのパスカル・ウェーレイン(ドイツ)。昨年はメキシコでポールポジションから優勝していて、相性の良いコースで予選6番手からポジションアップして2位。プライベーターのジェイク・デニス(アンドレッティ・ポルシェ)に先行されましたが、ポルシェパワートレイン勢が1-2となった開幕戦でした。

そして、息を吹き返したのがインドのメーカー「マヒンドラ」です。開幕戦のポールポジションはベテランのルーカス・ディグラッシ(マヒンドラ)。昨年はチームランキング8位と大苦戦したマヒンドラが形成逆転でヴェンチュリから移籍したディグラッシが決勝3位表彰台を獲得しました。

一方、事前テストの結果に比べて期待はずれに終わったのが「マクラーレン・ニッサン」と新規参戦の「マセラッティ」です。新人のジェイク・ヒューズ(マクラーレン・ニッサン)が予選3番手を獲得するも、表彰台には登れずでしたが、ヒューズは驚くべきポテンシャルを披露したので、今後が楽しみです。

また、ヴェンチュリのリソースを受け継いで新規参戦となった「マセラッティ」はテストでの好調ぶりは何処へやら。予選から大苦戦し、決勝でも初ポイント獲得を逃しました。

日産勢では日本でもお馴染みのサッシャ・フェネストラズ(ニッサン)が予選8番手という位置につけ、追い上げが期待されましたが、15位フィニッシュ。ノルマン・ナト(ニッサン)は予選から苦しみ、サスペンションのダメージによりレース序盤で姿を消しました。サウジアラビアではニッサンパワートレイン勢の巻き返しにも期待したいところです。

マシンが変わり、まだまだデータ不足は否めず、タイヤもハンコックに変わったことで新車Gen3が本来持つポテンシャルを引き出してくるのはまだまだこれから。ツイスティでテクニカルなリヤド市街地コースはGen2マシン時代にはたくさんのオーバーテイクやバトルが展開されましたから、Gen3マシンでも熱いバトルを期待しましょう。サウジアラビアの2連戦で流れに乗るのはどのドライバー、どのメーカーになるのでしょうか。

文:辻野ヒロシ

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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