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モーター スポーツ コラム 2022年4月12日

SUPER GT第1戦プレビュー|今年も岡山から幕を開けるSUPER GT、デビューウィンなるか、ニッサンZ

SUPER GT by 秦 直之
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デビュー戦での走りに注目が集まる日産Z GT500

2022年のSUPER GTが、間もなく岡山国際サーキットで幕を開ける。レースごと、またドラマティックなバトルが、我々の想像を超えて繰り広げられることだろう。

ここ2年、新型コロナウイルスの感染拡大によって、レース開催にもさまざまな制約があったが、今は元どおりとまではいかないまでも、かなり緩和されて“サーキットでの日常”を取り戻しつつある。見応えのあるレースで、見る側にもストレス発散となることを期待したい。

岡山テストで、絶えず最速だったau TOM’S GR Supra

これよりほぼ1か月前の3月12〜13日に、今年最初の公式テストが岡山国際サーキットで開催された。その後、富士スピードウェイで2回目の公式テストが行われ、その間にマシンもより進化しているだろうが、ターゲットとしてはむしろ1回目の方が参考にしやすいのではないか。

しかしながら、テスト時よりもタイムは落ちるかもしれない。GT500クラスに関して言えば、通常90.0kg/hの燃料流量リストリクター流量が90.2kg/hに下げられているからだ。この規制は今年に限ったことではなく、昨年も実施されているだけに見越して、この数値でテストしていたチームもあったかもしれない。そもそも、テストはあくまでテスト。ライバルに手の内を明かさないため、全力で走っていなかったという可能性もある。

岡山テストの初日、最初のセッションでトップに立ったのは、au TOM’S GR Supraの坪井翔/ジュリアーノ・アレジ組。坪井がディフェンディングチャンピオンの意地を見せ、1分18秒150を叩き出している。そして、午後からのセッション2においては、Astemo NSX-GTの塚越広大/松下信治組がトップだったが、松下は1分18秒215を出すに留まり、この日の最速ドライバーは坪井ということになった。

2日目も坪井の勢いは止まらない。セッション3において、さらにタイムを詰めて1分18秒116をマークしていたからだ。続くセッション4は、どのチームもロングランをメインに走行していたようで、全体的にタイムアップならず。最後まで坪井が最速の座をキープしていた格好だ。

岡山テストで好調な走りを見せた36号車au TOM’S GR Supra 

しかし、この日、2番手、3番手につけていたのは、MOTUL AUTECH Zの松田次生/ロニー・クインタレッリ組、そしてCRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正/高星明誠組で、話題のマシンがしっかり結果を残すことともなっていた。

ニッサンがGT-Rに代えて新たに投入したZは、規定によりシャシーは大きく変えられていないものの、上物すなわちボディの一新によって空力性能は大幅に向上したという。一口に言うならばセダン然としたGT-Rに比べ、Zはまさしくスポーツカーであり、それだけでも空力に優れるのは目にも明らか。実際、ストレートスピードも上昇したという。

また、この2台のZはともにニスモがメンテナンスを担当することとなった。さらにニスモはZを走らせる4チームに、すべての情報を共有することを決定。この効果は絶大なのではないだろうか。

もちろん、熟成の進んだGR Supra、NSX-GTの優位性は見逃せないところだが、もともとニッサンはテクニカルコースを得意としていただけに、デビューウィンもあながち夢ではなさそうだ。やはり岡山のテストでZ勢最速だった、MOTUL AUTECH Zが有利だと予想したい。ゼッケンの23を超える、松田の最多勝記録24勝目に期待がかかる。

GR Supra勢ではau TOM’S GR Supraをイチ推しとしよう。この理由はもはや言うまでもなかろう。そして、NSX勢では安定のAstemo NSX-GTを。しかし、テストなど三味線を弾いて然りということもあり、むしろ意外な展開にも期待したいところだ。

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そろそろ来るか、GT300クラスにランボルギーニが?

岡山のテストにおいて、GT300クラスで好調だったのは、JLOCのランボルギーニ・ウラカンだった。初日のセッション1では88号車の小暮卓史/元嶋佑弥組が1分25秒210で、セッション2では87号車の松浦孝亮/坂口夏月組が1分26秒149で、それぞれトップにつけていた。FIA-GT3とあって、マシン的な変化はないものの、好調ぶりの一因としてヨコハマのタイヤとの最適化が大きいという。

88号車Weibo Primez ランボルギーニ GT3はテストでの勢いを開幕戦でも見せることができるのか!?

なお、この時、車名は公表されていなかったが、後に明らかになって88号車がWeibo PrimezランボルギーニGT3に、87号車がBamboo AirwaysランボルギーニGT3とされている。それぞれ新スポンサー獲得で、意気上がるといったところなのではないか。特に小暮、元嶋の速さは誰もが認めるところ、まだ手にしていないGT300クラスの優勝が欲しいところだ。

一方、ディフェンディングチャンピオンであるSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組は、この岡山テストではトラブルが相次ぎ、まさかのクラッシュも。マシンには空力の改善、さらにECUの仕様変更を行なっているが、その後の富士のテストも含め、決して順調ではないという情報も伝わってきた。もっとも昨年とて、開幕時にはマシンの状態は良くなかったのが、レースを重ねるごと進化していったように、チームの合わせ込み能力は高いので、情報をそのまま鵜呑みにしない方がいいのかもしれない。

ただ、GTA-GT300勢には、今シーズンはかなり厳しそうだ。総じてBoPによってリストリクター径が昨年より絞られており、どのチームからもパワーダウンを嘆く声が挙がっている。となれば、今年はFIA-GT3勢が有利なシーズンになりそうだ。

中でも気になる一台が、荒聖治選手とアウグスト・ファルフス選手のドライブするStudie BMW M4。昨年までのBMW M6から改められたM4は、一台だけクラスが違うのでは……と思えるほどのワイドボディが特徴ながら、空力にも優れ、しかも直線の伸びもいいという。そして、何よりGT300クラスでは唯一タイヤはミシュランを履くこと。GT300クラスにも一昨年、タイヤを供給していたが、その時はスタンダードタイヤだったとされ、目立った成績は残せなかったものの、今回はレースごとの対応もあるという。さらにBMWがファクトリードライバーのファルフスを投じているのだから、本気度が分かる。

前評判が高い7号車Studie BMW M4

また、岡山ではミッドシップ車両との相性も良く、PACIFIC hololive NAC Ferrariのケイ・コッツォリーノ/横溝直輝組や、UPGARAGE NSX GT3の小林崇志/太田格之進組あたりもテストで上位につけており、面白そうな存在である。

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文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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