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今回もウェイトが軽いチームが有利な展開となるのか!?
全8戦で争われるSUPER GTは、スポーツランドSUGOの第5戦からシリーズ後半戦に突入。昨年はコロナ禍で開催サーキットが絞られていたため、SUGOでは2年ぶりの開催でもある。コースの特性としては、アップダウンに富んだ高速テクニカルレイアウトであり、フルブレーキングを要するセクションは少ない一方で、アクセルを踏んで回るセクションは多い。特に登りながら回る、最終コーナーでかかる横Gは国内随一とも言われている。
コースのみならず、ピットロードも幅が狭いことから、アクシデントの発生しやすいサーキットとされてきたが、ことピットロードに関しては今年のオフに拡幅されたこともあり、混乱を来すことはなさそうだ。
二度あることは三度あった、前回は予想どおりMOTUL AUTECH GT-Rが優勝
鈴鹿3連勝を果たした#23 MOTUL AUTECH GT-R。
前回の鈴鹿では、大本命が来た! サクセスウェイトがわずか4kgだった、松田次生/ロニー・クインタレッリ組の#23 MOTUL AUTECH GT-Rが、予選3番手から優勝。同一サーキットの3連勝は新記録で、また松田は最多勝記録を23にまで伸ばすこととなった。しかし、予想外だったのは、ニッサン勢が表彰台を独占したこと。平手晃平/千代勝正組の#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが2位で、ここまで一度も入賞できずにいた、高星明誠/佐々木大樹組の#24リアライズコーポレーションADVAN GT-Rも3位につけたのだ。
3台ともウェイトに苦しんでいなかったとはいえ、ここまでの結果が残るとは誰が予想しただろうか? その一方で、前回までのポイントリーダー、大嶋和也/山下健太組の#14 ENEOS X PRIME GR Supraがノーポイントに終わったのとは対照的に、2位につけていた山本尚貴/牧野任祐組の#1 STANLEY NSX-GTは手堅く4位につけて、逆転でポイントリーダーに就くこととなった。
Modulo NSX-GTのリベンジに期待がかかる
#64 Modulo NSX-GTは悔しい結果となった鈴鹿でのリベンジを果たせるか!?
さて、その山本と牧野だが、今回背負うサクセスウェイトは80kg。実際には燃料リストリクターの調整域に入ったから、積んでいるのは上限の50kgながら、それにしても苦しい戦いは必至のはずだ。前回とて64kgだったから、望外の結果だったのは間違いない。積み重なっていく一方の2戦をなんとか凌いで、少しでもポイントを稼いでいこうと考えているはずだ。
軽さが何より優位性になるなら、前回ポールポジションの伊沢拓也/大津弘樹組の#64 Modulo NSX-GTは、たった4kgでしかない。だが、前回の決勝はあまりに不運であった。トップを快走しながら、わずか5周でブレーキトラブルに見舞われていたのだから。何事も起こらずに済んでいたら、こんなウェイトではなかったはずだ。タイヤや温度など、付帯する条件がマッチしていれば、今回も来ると予想しよう。いや、来なければならないのだ。
その他のチームはどうだろうか?参考となるデータが少ないため、今回も予想は極めて困難だ。まず公式テストが行われていないこと、そして何よりSUGOで昨年レースが行われていない。一昨年はウェイト半減の第7戦として開催され、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが優勝。しかし、この2年間でGT500クラスでは車両規定そのものが変更されているから、参考程度に過ぎない。
すると、やはり軽さか?だが、過去のデータは参考程度としつつ、2018年には80kg積んだ、#100 RAYBRIG NSX-GTが勝ったケースもある。今回を占う要素のひとつとして、前回ブリヂストン勢が明らかに苦戦を強いられていたことがある。その理由は予想をはるかに下回った温度だ。これによりレンジを外してしまったわけだが、2度も同じ轍を踏むとは思い難く、逆襲も十分可能だと予想する。
そこで軽いブリヂストン勢として、平峰一貴/松下信治組の#12カルソニックIMPUL GT-R、立川祐路/石浦宏明組の#38 ZENT CERUMO GR Supraを今回は注目したい。それぞれウェイトは16kgと22kg、勝負権は100%ある。
三度目の正直なるか、SUBARU BRZ R&D SPORT
予選での速さはあるが、決勝は結果が出ていない#61 SUBARU BRZ R&D SPORT。
前回のGT300クラスは、三宅淳詞/堤優威組の#244たかのこの湯GR Supra GTが初優勝。どこでも速いGR Supraが、ウェイトにそれほど苦しんでいないメリットを、最大限に引き出せた格好だ。ただ、今回はポイントランキングのトップに立って、ウェイト上限の100kgにいち早く達してしまったため、少しでも多くの得点に尽力することになるだろう。
一方、予選では井口卓人/山内英輝組の#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが、圧巻の速さを見せてポールポジションを獲得。決勝では苦戦を強いられたが、まだウェイトは54kgということもあり、今季3度目のポールもあり得るのではないか?
もともと旋回性能の高さにBRZは定評があり、今年から投入された新型はダウンフォースの増加を売りにしている。となれば、SUGOにはジャストフィット。過去にも結果を残しているサーキットでもある。ただ、決勝ではまだ思ったとおりの成績が残せていない。新車ならではの産みの苦しみとも言えようが、だからこそ「三度目の正直」を期待したいところではある。
そして一昨年、ウェイト半減の第7戦では、ランキングトップだった#55 ARTA NSX GT3が優勝。この時のウェイトは42kgだった。やはりウェイト感度は低いサーキットと考えるべきなのか。現在は高木真一と佐藤蓮がドライブする、#55 ARTA NSX GT3は目下45kg。条件はほぼ等しく、狙いに来る一戦と言えるだろう。
また、原稿を執筆している最中に、今季限りの引退を星野一樹が表明した。残り4戦を石川京侍とともに全力を尽くすという。#10 GAINER TANAX with IMPUL GT-Rのウェイトはまだ21kg、惜別の情も込めて「推し」としたい。
今季限りでのSUPER GT引退を表明した星野一樹(#10 GAINER TANAX with IMPUL GT-R)
大穴は、平木湧也/平木玲次組の#5マッハ車検GTNET MC86マッハ号。前回はタイヤ無交換でトップに浮上したが、後半を担当した平木玲次が体調不良を訴え、最後は意識も朦朧とした状態の中、5位でゴールした。スピードは改めて証明しただけに、改めて強さも発揮してもらいたいものだ。
文:秦 直之
秦 直之
大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。
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