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モーター スポーツ コラム 2020年10月21日

SUPER GT第6戦プレビュー|ウエイトハンデMAXの戦い、やはり軽さがモノを言う?

SUPER GT by 秦 直之
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3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは第5戦での悔しさを晴らすことができるのか?

駆け足でラウンドが進む、今年のSUPER GTはもう残るは3戦となり、今回がウエイトをMAXに積んだレースとなる。前回の富士スピードウェイでのレースは、DENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネン/中山雄一組が優勝。やはり38kgが効いた格好だ。
ご存知のとおり次回はウエイト半減、最終戦はノーハンデとなるため、今回の鈴鹿サーキットのレースが今まで以上に重さが響いて、軽さが活かされるはず。そのあたりも特に踏まえ、今回のレースを予想してみることとしよう。

鈴鹿では、またしても強いかGT-R

第3戦にてチームとしては2年ぶりとなる優勝を飾った23号車 MOTUL AUTECH GT-R。

同じ鈴鹿で行われた第3戦を制したのは、MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリ組だった。この時、テクニカルコース重視のエアロパーツを装着していたことが最大の勝因だったと明言しており、今回もGT-R勢が有利にレースを進めるのは間違いないだろう。ただし、MOTUL AUTECH GT-Rに関しては、ウエイトが50kgに達しているのが、重要なポイント。表彰台は狙えそうだが、優勝となると厳しいのでは。

そこで注目したいのが、CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平/千代勝正組、そしてリアライズコーポレーションADVAN GT-Rの高星明誠/ヤン・マーデンボロー組だ。この2台、ウエイトは32kg、2kgと軽く、いずれも狙える数値である。前回も予選はQ2進出なって、それぞれ7番手、4番手と、十分なスピードもある一方で、決勝ではアクシデントに泣いた。そういった意味で今回は、逆襲を果たすに絶好の機会と言える。

第5戦富士も予選では好調だっただけに悔しさが残った。今度こそ勝利を掴みたい12号車カルソニックIMPUL GT-R。

ならば、もっと軽いどころか、未だノーハンデのカルソニックIMPUL GT-Rの佐々木大樹/平峰一貴組はどうなのか、という声もあるだろう。チーム、ドライバーとも実力は申し分なく、タイヤも5戦4勝のブリヂストン。なのに、今年は結果が伴わない。一時、上位を走っても順位を落とす展開が続いているのは、むしろ「謎」でさえある。そろそろ負の連鎖を断ち切って欲しいところだ。

WAKO’S 4CR GR Supraがランク首位に躍り出た!

走りの安定感は群を抜いている14号車 WAKO’S 4CR GR Supra。

一方、GR Supra勢はどうか。未勝利ながら、前回の2位を含み、3度も表彰台に上がって、ランキングのトップに躍り出たのが、WAKO’S 4CR GR Supraの大嶋和也/坪井翔組。ここまで1戦も落としたレースがなく、逆にいうとレース展開的には派手さはないのだが、確実であることはタイトルを狙う上では重要な要素だ。これから2戦は、しっかりポイントを獲るレース展開とし、ノーハンデとなった最終戦に、このチームはすべてを賭けてくるだろう。

そこで3戦連続の「推し」となり、今度こその期待がかかるのがWedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資/宮田莉朋組。まだハンデは14kgでしかなく、前回は予選3番手。ここも速さは申し分ない。チームとしても、テクニカルコースに強い側面はあり、三度目の正直が実現されることを期待したい。

ここまで表彰台に上がっていない19号車 WedsSport ADVAN GR Supra。第6戦に期する思いは強いはずだ。

またシリーズ前半を席巻した、KeePer TOM’S GR Supraの平川亮/ニック・キャシディ組、au TOM’S GR Supraの関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組は、最もハンデが厳しいこのレースをどこまで我慢できるか。若さゆえ……の展開がなければ、続く2戦に希望を託せるだけに。

第3戦・鈴鹿のリベンジなるか、Modulo NSX-GT

第3戦での4位が今シーズン最高位の64号車Modulo NSX-GT。ハンデの軽さを活かすことができるのか?

そしてNSX勢では、前回の鈴鹿でポールポジションを奪った、Modulo NSX-GTの伊沢拓也/大津弘樹組が最も気になる存在だ。決勝では悔しい思いをしたが、その反省を踏まえたレースをしてくるのは間違いなく、さらにハンデが20kgであるのが重要な要素。そろそろの予感は十分にある。

ランキング3位につける、KEIHIN NSX-GTの塚越広大/ベルトラン・バケット組は、今は我慢の時と前回のレースもそうだったが、割り切っている感がうかがえる。勝負をかけるのはラスト2戦だと。同じようなことが目下ランキング6位ではあるが、RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴/牧野任祐組にも当てはまるのではないか。今年はここまで表彰台に一度しか上がっていないが、それが鈴鹿で、他のレースはとにかく手堅い。終わり良ければ、すべて良し、そんな展開を狙っていそうだ。

GT300はウエイトハンデに屈しない?

第5戦では100kgのハンデをものともしない走りをみせた65号車 LEON PYRAMID AMG。

前回、GT300を制したのは、リアライズ日産自動車大学校GT-Rの藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組で、これがKONDO RACINGにとって、GT300での初優勝ともなった。ランキングでも3位に浮上し、ウエイトハンデ100kg超チームの仲間入りも果たしている。この重さでは、もはや勝ちはおろか、表彰台さえ困難で、それこそ我慢のレースを強いられるだろう。

……と言いたいところなのだが、前回3位に入ったLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/菅波冬悟組が、そんなセオリーを打ち崩した。このチームも100kg積んでいたからだ! この結果により、数値上のハンデは150kgにも達しているが、上限100kgだから現状維持でもあって、もはや、その勢いは止められないと言ってもいいのではないか。

少なくても優勝は狙えないにせよ、展開や戦術次第では表彰台を狙え得る、ということが明らかになった。100kg積む5チームすべてに当てはまるだろう。というのは、それだけの経験と実力が備わっているからだ。

その上で、今回優勝するのは……となれば、60kgぐらいまでのウエイトを積んだFIA-GT3と、それほどウエイトに苦しんでいないJAF-GTになりそう。FIA-GT3としては序盤戦の苦戦が嘘のように、ここ2戦入賞を果たしている、JLOCランボルギーニGT3の小暮卓史/元嶋佑弥組を、まず筆頭に挙げたい。タイヤとマシンのマッチングが進んだことが好調の理由で、なにより小暮と元嶋が、鈴鹿を非常に得意としているからだ。

第4戦、5戦と連続してポイントを獲得し、調子を上げつつある88号車 JLOCランボルギーニGT3。

JAF-GTでは、マッハ車検GTNET MC86の坂口夏月/平木湧也組、そしてTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの嵯峨宏紀/中山友貴組を挙げたい。この2チームは爆発力を持っているが、それは歯車が完璧に噛み合った時。そういった境地になかなか達せずにはいるが、今回達する可能性もなきにもあらず。これが現在のGT300の面白さでもある。

今回は有観客試合として2回目のレースとなるが、前回やはり人数限定とはいえ、手を振ってくれる、旗を振ってくれる、あるいは熱い視線を注いでくれるファンの存在は、ドライバーたちのモチベーションを高めてくれたようだ。その一方でグッと我慢して、モニター越しに観戦してくれているファンにも感謝したいとも!今回もJ SPORTSでの放映にもご期待していただきたい。

文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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