人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

モーター スポーツ コラム 2018年10月15日

SUPER GT第7戦プレビュー

SUPER GT by 秦 直之
  • Line

今回もアップダウンに富んだテクニカルコースが舞台。でも、またミラクルは起こるのか?

GT500

2018年のSUPER GTも、いよいよ残すは2戦! シリーズ第7戦を九州のオートポリスで迎えるが、間違いなく言えるのは、ここで一気にチャンピオン候補が絞られるということ。また、ここまでの6戦は入賞を重ねるごとウエイトが積み重なって、どんどん厳しい戦いを強いられていたが、ご存知のとおり、この一戦はウエイトハンデが半減される。そう我慢を強いられずに済みそうだ。

しかしながら、前回のSUGOでRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴とジェンソン・バトン組が、80kg相当のハンデで優勝を飾るとは想像もつかなかった。あのアップダウンの激しいテクニカルコースで、影響を及ぼさなかったはずは絶対にない。なのに……。しかも、ARTA NSX-GTの野尻智紀/伊沢拓也組も2位と、ホンダ勢の仕上がり、さらにブリヂストンのタイヤとのマッチングが、それほど優れているということなのか。となれば、このオートポリスも、アップダウンの激しいテクニカルコース。引き続きの善戦も、決して不可能ではなさそうだ。

テストでは苦戦を強いられていたRAYBRIG NSX、唯一燃リスも絞られ……

さっそくいつものように、テストのおさらいをしてみよう。オートポリスでは8月28~29日に公開タイヤテストが行われ、GT500は7台が、GT300は10台が参加。合同テストとは異なり、ほぼ全車が出ているわけではないので、参考程度にはなってしまうが……。

注目のホンダ勢だが、初日はMOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀/中嶋大祐組が1分35秒693で4番手につけたのが最上位。2日目に至っては、RAYBRIG NSX-GTが1分35秒950で、ようやく6番手につけている。まぁ、温度域もまったく異なるし、この時に積まれたウエイトがどれほどだったか、さらに言うならばこなしていたメニューもそれぞれだろうから、そのまま当てはめることはできないが、苦戦を強いられたという印象は強い。

では、トップにつけたのは、というと初日がZENT CERUMO LC500の立川祐路/石浦宏明組で、1分35秒459をマーク。これに1分35秒522でフォーラムエンジニアリングADVAN GT-RのJ.P.デ・オリベイラ/高星明誠組が、そして1分35秒592でカルソニックIMPUL GT-Rの佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組が続いている。2日目は1分34秒855を記したカルソニックIMPUL GT-Rがトップで、1分35秒010のZENT CERUMO LC500、そして1分35秒220のフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rという順で、トップ3の顔ぶれは2日間とも一緒なのだ。

先にも述べたとおり、このタイヤテストには全車は出場していない。繰り返しにはなるが、参考程度。だが、この3台はマークすべき存在であるのは間違いない。カルソニックIMPUL GT-Rは29kg、フォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rは18kgと、幸か不幸かウエイトに苦しんでいない。一方、そこまでではないにせよ、ZENT CERUMO LC500も36kgだ。今年は第2戦・富士以外、絶対的な速さを見せられずにいるが、15台中ただ1台、全戦で入賞を重ね、手堅くポイントを重ね続けている。そろそろ我慢が実る時ではなかろうか。

逆にあくまでもテストはテスト、とするならば……。昨年のポールポジションはRAYBRIG NSX-GTが獲得し、決勝でも3位。優勝はau TOM’S LC500が飾って、2位はKEIHIN NSX-GT。この結果からすると、ホンダ勢がオートポリスを苦手としている印象はない。テストは三味線? ただ、今回のRAYBRIG NSX-GTは、ウエイト半減とはいえ唯一、燃料リストリクターを絞られており、重さ以上にそのことが影響を及ぼしそうだ。同じホンダ勢で、ブリヂストンということで、KEIHIN NSX-GTの塚越広大/小暮卓史組が鍵を握るのではないか?

SUBARU BRZ R&D SPORTの連勝も、決して夢ではない

GT300の公式タイヤテストは、初日のトップがSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組で、1分45秒521をマーク。これに続いたのが1分45秒833を記したGAINER TANAX GT-Rの平中克幸/安田裕信組で、3番手は1分45秒917を記したGAINER TANAX triple a GT-Rの星野一樹/吉田広樹組だった。2日目のトップは、初日に6番手だったLEON CVSTOS AMGの黒澤治樹/蒲生尚弥組が躍進を果たし、1分45秒324をマーク。2番手が1分45秒660のGAINER TANAX GT-Rで、3番手が1分46秒028のSUBARU BRZ R&D SPORTだ。

一方、昨年の結果はといえば、VivaC 86 MCがポール・トゥ・ウィン。2位がSUBARU BRZ R&D SPORTで、3位はARTA BMW M6 GT3だった。2連覇の期待がかかる、HOPPY 86 MCの松井孝允/坪井翔組はテスト初日で5番手だったが、これはトラブルに見舞われていたため。2日目はまったく走れず、データの蓄積という点では不満は残っただろうが、引き続き相性はいいはずである。

SUGO同様、オートポリスもJAF-GTとの相性良しは定説ながら、テスト最速タイムはLEON CVSTOS AMGがマークし、GAINERのGT-R2台も安定の上位につけて、FIA-GT3も侮りがたしという印象だ。一方、ARTA BMW M6 GT3の高木真一/ショーン・ウォーキンショー組が昨年3位というのは意外な感じもするが、ポイントリーダーとして今年は52kgのヘビー級であるだけに手堅く戦い、少しでも多くポイントを稼ごう、ということになるだろう。

SUBARU BRZ R&D SPORTの、SUGOに続く連勝は大いにありと予想する。前半戦の苦戦もあって、ウエイトが32kgでそう厳しくもなく、テストでもいたって安定したのが、その理由である。また、HOPPY 86 MCも35kgで、しかも今季未勝利。ここで勝たずして、どこで勝つの思いは、他のどのチームより大きいはずだ。そこに対抗馬として、LEON CVSTOS AMGを。このチームも今季未勝利で、全戦入賞を果たすも4位4回、表彰台が近くて遠い。優勝への渇望感は、相当なものとなっているはずだ。

そして、ダークホースとして表彰台獲得の期待をかけたいのが、マッハ車検MC86 Y’s distractionの坂口夏月/平木湧也組である。ご存知のとおり、チームMACHにとってオートポリスはホームコースで、坂口も福岡出身。前回も予選4番手につけるなど、スピードは身についてきた。トラブルにさえ見舞われなければ、地元のミラクルパワーが炸裂するのでは。ここは温かい目で見守りたい。

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!

モーター スポーツの放送・配信ページへ