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モーター スポーツ コラム 2018年7月6日

【スーパーフォーミュラ第4戦・富士 プレビュー】~前半戦ラストの高速バトル!山本尚貴が3連勝なるか?~

モータースポーツコラム by 辻野 ヒロシ
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野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)

4月から5月に立て続けに3戦が開催された「全日本スーパーフォーミュラ選手権」は長い1ヶ月以上のインターバルで第4戦を迎えます。7月7日(土)~8日(日)に開催される第4戦の舞台は富士スピードウェイ(静岡県)。暑さとの戦いになりそうな富士での高速バトルをJ SPORTSでは予選、決勝ともに生中継。場内実況と同じ現地からの放送をお届けします。また、J SPORTSオンデマンドでもLIVE配信します。

今季も全7ラウンドで選手権シリーズが組まれている「スーパーフォーミュラ」ですが、5月の第2戦・オートポリスが悪天候によって決勝レース中止となり、今回の富士は実質的には3レース目。前半戦のラストを飾る闘いということになります。

これまで開催された鈴鹿と菅生の2レースを2つとも勝利したのが山本尚貴 (TEAM 無限/ホンダ)で獲得ポイントが21点。ランキング2位のニック・キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)に対して1レース分に当たる11点もの大量リードをすでに築くことに成功しています。シリーズの流れとしては山本がこのままリードを保ったままシーズンを折り返せるかどうかという所が焦点です。

昨年はピエール・ガスリーをチームメイトに迎えたことでその影に隠れがちだった山本ですが、子供も誕生し、パパになった今年は前半戦「スーパーフォーミュラ」「SUPER GT」共に好調を維持。今、国内レースで最も良い流れに乗っているドライバーと言えるでしょう。速さはもちろん苦しい展開になった時の粘り強さは山本尚貴の最大の魅力ですし、相当な暑さも予想される富士スピードウェイでどんなレースを展開するか注目されます。山本にとって、前回の菅生での優勝は鈴鹿以外のサーキットでの初勝利。一皮剥けた感のある勝利でしたが、富士スピードウェイではチャンピオンを獲得した2013年に3位表彰台に上がったのがベストリザルトで、現行マシンの「SF14/2.0L・NRE」の規定になってからは5位が最上位なのが気がかりです。

接戦とオーバーテイク合戦が必至の富士スピードウェイ。ここでポイントを詰めたいライバルたちにとっては山本の前でゴールする事がチャンピオンシップを考えれば最重要課題です。昨年の富士ではホームコースであるトヨタエンジン勢が躍進。石浦宏明(P.MU CERUMO INGING/トヨタ)が優勝するなどトヨタが表彰台を独占しました。今季は昨年以上にトヨタエンジンとホンダエンジンが接戦になっていますから、トヨタ陣営の巻き返しに注目です。

そんな中、前戦・菅生で4位フィニッシュと躍進したのが実質デビューレースとなったトム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LE MANS/トヨタ)。ピットストップのタイミングを序盤に持って来てソフトタイヤで引っ張る作戦がドンピシャで当たり、予選18位からの大ジャンプアップを果たしました。当初は菅生までの参戦だったディルマンですが、ピエトロ・フィッティパルディがWEC開幕戦のアクシデントからまだ復帰できない状態ということで継続参戦が決定。運も大いに味方仕方とはいえ、未経験の菅生で見せた印象的な走りが富士スピードウェイでどういう結果を産むかは今回の見どころですね。フォーミュラV8・3.5シリーズで2016年にチャンピオンを獲得し、ビッグフォーミュラでの実績があるドライバーですし、フォーミュラEでは4度のトップ10フィニッシュを果たし、GTレースやル・マン24時間も経験しています。ワンチャンスを活かせる器用さが光りますね。

またトヨタエンジンユーザーでは前戦・菅生で好走を見せた小林可夢偉(KCMG/トヨタ)のリベンジに大いに期待。昨年に続きピット作業でのタイムロスに泣いた菅生のレースでしたが、その後はル・マン24時間で2位表彰台、タイの「SUPER GT」では初優勝を達成するなど、流れは良い方向に来ています。やはり可夢偉は速い!ということは様々なレースで顕著に現れていますから、彼の速さをスポイルしないピットワークを含めたチーム力が必要です。

そして、小林可夢偉と共にル・マン24時間で活躍した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S/トヨタ)も国内での凱旋レースになりますから、富士スピードウェイではル・マン優勝のお祝いムードに包まれるでしょう。中嶋一貴は前戦・菅生で今季初の3位表彰台を獲得。WEC、SUPER GTとの過密スケジュールの中、WECと共にフル参戦となる「スーパーフォーミュラ」でキッチリと結果を残してくるあたりは流石です。ル・マン制覇という彼にとって最大の課題と重圧から解放された今、ウイナーとしての走りを存分に堪能したいものです。ちなみに中嶋一貴は現行規定になった2014年以降、富士では1回優勝を果たしていますが、昨年のレース以外は全て表彰台に登っているという相性バツグンのコースです。

そして今回の富士でやはり大本命と言えるのが野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。現在、トップの山本からは12点差のランキング3位につける野尻は菅生でポールポジションも獲得していますし、今季は確実に速さがあるドライバーです。「SUPER GT」鈴鹿の優勝もありましたし、山本とのホンダのエース争いとも言える戦いが「スーパーフォーミュラ」でも展開。ここ富士では「スーパーフォーミュラ」の表彰台経験がありませんが、春の事前テストではトップタイムもマークしていますし、野尻にとって決して不得意なコースではないはず。山本との差を詰めるためにはやはり優勝しか考えていないでしょう。

ドライバーの名前を挙げ出せばキリがないほどの接戦状態である今季の「スーパーフォーミュラ」。関東地方は梅雨明けしたものの、台風の動き次第では雨天のレースも予想される第4戦・富士。勝負を分けるのはチームの総合力とトップドライバーたちの勝利への執念でしょう。サッカー日本代表に負けない、強い気持ちが垣間見れるレースになることを期待したいですね。

辻野 ヒロシ

辻野 ヒロシ

1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。

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