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排気量600ccのスポーツバイクで争う「スーパースポーツ世界選手権」の第3戦がスペインのモーターランド・アラゴンで4月13日(金)~15日(日)に開催されます。排気量1000ccの「スーパーバイク世界選手権」がこのシリーズのメインカテゴリーなのですが、J SPORTSでは日本人ライダーの大久保光(おおくぼ・ひかり)が出場するこのレースをなんと生放送することに!4月15日(日)午後6:10からJ SPORTS 3にてオンエア。またJ SPORTSオンデマンドでもLive配信されます。
「世界選手権」のタイトルがかけられているレースとはいえ、サブカテゴリーであるはずの「スーパースポーツ世界選手権」を生放送するという前代未聞のタイムテーブルを作ってきたJ SPORTS。今季唯一の日本人ライダーとなった大久保光はまさにテレビのVIP待遇状態でヨーロッパラウンドに挑むことになります。だからこそ頑張って欲しいですね。
今回は生放送と言うことで、初めてご覧になられる方も多いでしょうから、「スーパースポーツ世界選手権」について少し丁寧に解説しましょう。シリーズはすでに2戦消化。オーストラリア、タイと転戦し、これからヨーロッパのサーキットを転戦します。ほとんどのチームがヨーロッパをベースにしていますので、これからがある意味、本格的な開幕と言えるでしょう。基本的には「スーパーバイク世界選手権」に帯同しますが、アメリカ戦だけは開催が無く、全12戦でワールドチャンピオンの座を争います。
使用するバイクは排気量が約600ccの市販スポーツモデルをベースにしたマシン。国内メーカーとしてはヤマハ、カワサキ、ホンダのバイクが出場しており、これらはスタンダードとなる4気筒600ccのモデルですが、海外メーカーのMVアグスタとトライアンフは3気筒675ccのモデルで戦います。
上位カテゴリーとして1000ccの「スーパーバイク世界選手権」がありますから、基本的にはメーカーとしての参戦というよりはプライベーターが協力関係にあるメーカーの製品を使用しての戦いという形態にはなりますが、近年はアジアなどの新興マーケットへのプロモーションを考えて力を入れているメーカーもあります。
その代表格と言えるのがヤマハ。新型の「ヤマハYZF-R6」を投入して、マニュファクチャラー(バイクメーカー)として2017年のシーズンを見事に制しました。マニュファクチャラータイトルは6年ぶり、ライダーがチャンピオンを獲得するのは4年ぶりのことでした。ニューモデルのポテンシャルは非常に高く、今季はヤマハユーザーが急増し、上位陣はヤマハのライダーで占められている状況です。
第3戦アラゴンを前に獲得ポイント45点の首位で並んでいるのは昨年のチャンピオンであるフランス人のルーカス・マヒアス(ヤマハ)、スーパーバイク世界選手権から移ってきたスイス人のランディ・クルメナッハー(ヤマハ)です。タイではファイナルラップの最終コーナーでトップ争いのバトルを展開し、ストレートで接触もする激しいフィニッシュを演じた2人が今季をリードしています。
バイクの素性の良さもさることながら速さが際立つ2人が今後もシリーズの流れをリードしていくのは間違い無いでしょう。ヤマハには他にジュール・クルーゼル、サンドロ・コルテセといった速さが光るグランプリライダーも多く乗っていますから、ヨーロッパラウンドに入って彼らがどのサーキットdで流れを掴みにくるか、ヤマハ内での争いは今季の大きな見所といえます。
そして、日本期待の大久保光が乗るのは「カワサキZX-6R」。カワサキは2013年、15年、16年とマニュファクチャラータイトルを獲得するなど600ccクラスの新興勢力となっていましたが、新型ヤマハの躍進で序盤2戦は苦しい戦いを強いられました。しかし、今季の大久保は「スーパースポーツ世界選手権」で5度のチャンピオンに輝いているマイスター、ケナン・ソフォーグルを擁するトップチーム「Kawasaki Pucetti Racing」のシートを獲得。タイではシングルフィニッシュできる位置を走ることができました。
先日、大久保に会う機会があり聞いてみると、マシンは基本的にエースのソフォーグルと同じものが与えられているそうで、チームメイトと比較して言い訳できない環境でレースができているとのこと。「ヤマハの新型マシンの速さに翻弄されましたが、次のアラゴンからはカワサキの良さを引き出せるコースなので、ヨーロッパラウンドは期待してください」と大久保。生中継されることに関しては「え?本当ですか?頑張らなきゃ」と驚いていました。
チームメイトのケナン・ソフォーグルは前戦タイを欠場。ヨーロッパラウンドからは復帰することになるはずですが、昨年も前半2戦を欠場して、復帰してから早速トップ争いに加わり、連勝を重ねて行きましたから、やはりカワサキ陣営の巻き返しが第3戦アラゴンの注目どころと言えるでしょう。日本人ライダーの大久保はどこまで600ccマイスターに近づいて行くことができるか、まさに勝負のシーズンがいよいよ本格的にスタートします。
辻野 ヒロシ
1976年 鈴鹿市出身。アメリカ留学後、ラジオDJとして2002年より京都、大阪、名古屋などで活動。並行して2004年から鈴鹿サーキットで場内実況のレースアナウンサーに。
以後、テレビ中継のアナウンサーやリポーターとしても活動し、現在は鈴鹿サーキットの7割以上のレースイベントで実況、MCを行う。ジャーナリストとしてもWEB媒体を中心に執筆。海外のF1グランプリやマカオF3など海外取材も行っている。
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