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ポジティブにチームを明るく照らす「山田の太陽」。青森山田高校・小沼蒼珠が引き継ぐ“日本一の次の代”のキャプテンマーク 【NEXT TEENS FILE.】
土屋雅史コラム by 土屋 雅史青森山田高校・小沼蒼珠
「春遠征で結果が出なかった分、この試合は不安でしかなかったんですけど、試合をやっていくうちにゴールを隠す守備とか、山田のやるべきことがしっかり徹底できたので、そこは本当に次の試合への自信に繋がったかなと思います」
前年王者として臨んだ、プレミアリーグEAST開幕戦の市立船橋高校戦を勝利で終え、笑顔を浮かべながらそう話したのは、青森山田高校のキャプテンマークを託された背番号5。今シーズンのプレミアリーグの中でも屈指の知名度を誇る小沼蒼珠だ。
その存在が大きく知られることになったのは、昨年度の高校選手権。圧倒的な飛距離を誇るロングスローも武器に、左サイドバックの位置で奮闘した2年生ではただ1人のレギュラーは、チームの日本一に大きく貢献。短く刈り込まれた坊主頭のビジュアルも相まって、一躍脚光を浴びる形となった。
それでもシーズンを振り返ってみると、2022年は決して順風満帆に事が進んだ1年ではなかった。春先はケガの影響もあってやや出遅れてしまい、プレミアでの出場は後半終盤のクローザー起用が主。だが、アウェイの川崎フロンターレU-18戦では1点リードの終了間際にPKを与えてしまい、ドロー決着となった試合後には涙を流す一幕もあった。
プレミアでの初スタメンは第17節のホームゲーム、首位攻防戦の川崎U-18戦。先輩のケガもあり、右サイドバックで巡ってきたチャンスを小沼はきっちりと生かし、自身にとって因縁の相手から挙げた勝利の一翼を担う。以降は先発起用が続いた中で、第21節の昌平高校戦やプレミアリーグファイナルのサンフレッチェ広島ユース戦など、追い込まれた状況で勝敗を左右する印象的な活躍を披露。プレミアと選手権の二冠達成を主力として味わった。
「去年はアップダウンが激しい1年で、春はケガで出れなくて、秋ぐらいからやっと出番を掴めたという感じなので、今年はもっと小沼蒼珠という存在を伝えられたらと思っていますし、誰よりも努力して、誰よりも苦労して、飛躍の1年にしたいと思っています」。まだ新たなシーズンが本格的に始まる前の春先。そう言い切った小沼の凛々しい表情が記憶に強く残っている。
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