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Jリーグでも、ここ数年川崎フロンターレのポゼッション・サッカーが圧倒的な存在感を放っていたが、今シーズンはハイプレスをかけてショートカウンターで勝負するチームが上位を占めるようになっている。
サッカーのスタイルやコンセプトは、日々刻々と変化しているのである。
5月14日の鹿島対名古屋もそんな世界のサッカーの、あるいはJリーグのサッカーの進化(変化)を印象付けるような試合だった。
前節(第12節)までヴィッセル神戸、横浜F・マリノスに次いで3位に付けていた名古屋は前線のマテウス・カストロや永井謙佑、キャスパー・ユンカーといったスピードスターたちを生かすカウンター・サッカーが売り物のチームだ。
一方、鹿島の方も前線からの組織的な守備を構築することによってリーグ序盤戦の不振から脱出し、前節まで4連勝して順位を上げてきていた。
そして、J1リーグ第13節の戦いも、お互いのしっかりした組織的な守備でがっちりと組み合った、非常に重厚感のある試合となった。
先手を取ったのが鹿島だった。
12分に右CKから鈴木優磨がヘディングを決めて早くも先制かと思われたが、VARが介入して、CKを蹴る前に攻撃側にファウルがあったとしてCKのやり直しとなってしまう。
だが、29分にはやはり右からのCKをまたも鈴木がヘディングで決めて、ようやく先制に成功した。ペナルティーエリア内に鈴木やDFの関川郁万、植田直通といった3人の長身選手を置き、関川と植田がニアサイドに走ることによって鈴木へのマークをはがすデザインされたセットプレーだった(名古屋としては、ゴールが取り消された12分と同じような形で失点してしまったところが不用意だった)。
先制したことによって鹿島は攻め急ぐ必要がなくなり、しっかりと構えて守備をすることができるようになった。
こうなると、名古屋の最大の武器であるカウンターの形は作れない。パスをつないでビルドアップする必要が生じたのだ。
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