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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引き込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
「栗村修の"輪"生相談」では、日頃のライドのお悩みからトレーニング方法、メンタル面の相談など、サイクリストからの様々な相談にお答えしております。栗村修に聞いてみたい、相談してみたいことを募集中。相談の投稿はこちらから。
【輪生相談】多くの選手が、白のソックス、白のシューズを着用する理由は何でしょうか?
多くの選手が、白のソックス、白のシューズを着用する理由は何ですか?スポンサーの載るジャージやビブの方に目がいくように、足もとはなるべく目立たないシンプルな物を着用にしてるんじゃないかと私は予想していますが......
(男性 会社員)
■栗村さんからの回答
質問者さんの考察には一理あると思います。他の色を引き立てて、さらに様々なデザインに合わせやすいシンプルな色は白か黒です。
そのせいかどうかはわかりませんが、白いソックスとシューズは完全に近年のトレンドになっていますね。白は足元を美しく見せ、黒は締まった印象を与えてくれます。あるいは白いシューズが流行っている気もしますので、それに合う色という意味で白いソックスやシューズカバーが選ばれているのかもしれません。
また、長くて細く、まっすぐな脚を持つ欧州のトッププロだからこそ白いソックスが映える可能性もあります。一般のファッションでも、白いパンツスタイルや、白いタイトなドレスなどは、相当のプロポーションを要求してきますよね。その意味ではハードルは高く、だからこそ多くのサイクリストが憧れるのかもしれません。ちなみに、白いソックスとシューズの代表格といえばやはりマチューが浮かびますが、みなさんはいかがでしょうか。
白・黒とソックス・シューズの組み合わせは2×2=4通りあります。汚れ対策を考えると黒&黒が良いのかもしれませんが、それをとりあえず度外視すると、個人的に好きな白と黒の組み合わせの順番は以下です。前提として、僕はソックスとシューズを同色で揃えるほうが統一感があり、また、足首とシューズの境目を馴染ませることで脚長効果が得られると感じるのですが、もしかしたら個人差があるかもしれません。
1位 白ソックス&白シューズ
白は膨張色なので足首周りを少し太く見せます。なので、細めの膝下が理想ですが、それはともかく白いシューズとの一体感が清潔感と脚の「真っ直ぐ感」を生み出します。
2位 黒ソックス&黒シューズ
黒いソックスが足首周りを細く見せますが、僕のように足が小さいと、シューズが足をさらに小さく見せるため、若干先細り感のある印象になってしまいます。
3位 黒ソックス&白シューズ
黒いソックスが足首周りを細く見せ、白いショーズが足を大きく見せるため、その対比で足首まわりがより締まって見えます。
4位 白ソックス&黒シューズ
白いソックスは足首周りをキレイに見せますが、黒いシューズとの組み合わせだと少し、「昭和のサラリーマン感」が出てしまう気がするのですが、どうでしょうか......。若いサイクリストだと違ったりするのでしょうか。
白いソックスとシューズは近年のトレンドだ
サイクリングのファッションには明確なトレンドがありますが、よくみると一般的なファッションとたくさんの共通点があることがわかります。
たとえば、シューズに目を向けると、街中では真っ白なスニーカーが定番アイテムとして確立されています。清潔感があり、どんなスタイルにも適応しやすいですよね。ただし、その美しさを保つための努力は必要です。
一方、真っ黒なスニーカーも同じように様々なスタイルに合わせやすいですが、サイクリングファッションに関してはショートパンツが基本である点に注意が必要です。一般的なファッションでショートパンツに白いミドル丈ソックスと真っ黒な革スニーカーを組み合わせたスタイルを想像してみてください。かなり強烈な個性があります。
サイクリングファッションはショートパンツにミドル丈のソックスの組み合わせがベースとなっているので、それらを一般のファッションに置き換えて色の組み合わせを考察してみると、いろいろと答えがみえてくるかもしれませんね。
文:栗村 修・佐藤 喬