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サイクルロードレース コラム 2026年3月26日

【サイクル4月の見どころ】クラシックシーズン最高潮の4月! 春の英雄が決まる大事な1カ月を制するのは?

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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モニュメント全制覇の偉業に挑むポガチャル

春のクラシックシーズンがピークを迎えようとしている。歴史的な激闘となったミラノ~サンレモを経て、流れは北のクラシックへ。パヴェ(石畳)での戦いを終えると、今度はベルギー・オランダの丘陵地帯を走るアルデンヌクラシック。そんな怒涛のレースカレンダーが組まれる4月。果たして“春の英雄”となるのは誰だろうか。世界を揺るがすであろう大きな、大きな1カ月。出場予定選手の顔触れを中心に見どころを押さえていこう。

モニュメント全制覇へ残すはルーベのポガチャル 同一シーズン全制覇への期待も

まぎれもなく、3月のヒーローはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)だった。ストラーデ・ビアンケで約80kmの独走劇を演じると、ミラノ~サンレモではトーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム)とのマッチアップを制して悲願の初優勝。ロンド・ファン・フラーンデレン、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、イル・ロンバルディアに続いて、4つ目のモニュメント制覇を果たした。

4月は過去にない壮大なチャレンジが控える。モニュメント全制覇の偉業へ、パリ~ルーベへと挑むことになる。リック・ファンローイ、エディ・メルクス、ロジェ・デフラーミンクの3人しか達成していない、サイクルロードレース界の高みへ。残すはルーベのタイトルを残すのみだ。

また、いささか気の早い話ではあるが、この1カ月で出走を予定するロンド、ルーベ、リエージュの3つを勝つとなれば、史上初となる同一シーズンモニュメント全制覇に王手をかけることになる。秋のイル・ロンバルディアを残す形にはなるが、もしこの展開になれば、2026年のサイクルロードレースシーズンの楽しみが一層膨らむ。

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イメージばかりが先行してしまうが、いま一度ポガチャルの出場予定のクラシックレースを整理すると、

4月5日 ロンド・ファン・フラーンデレン
4月12日 パリ~ルーベ
4月26日 リエージュ~バストーニュ~リエージュ

の3つ。いずれも250kmを超える長丁場の戦いだ。3月のイタリアで見せた集中力と勝負強さを再び発揮するか。なお、これらのレースを走り終えると、ツール・ド・フランスを見据えてステージレースへとシフトしていく見通しだ。

マチューも大記録に挑む

勢いが増すばかりのポガチャルに待ったをかけるとするなら、やはりマチュー・ファンデルプール(アルペシン・プレミアテック)の名が一番に挙がる。

ファンデルプールはパリ~ルーベ4連覇に挑む

ミラノ~サンレモでの落車で負った左手の怪我が気がかりだが、3月中に2レースを走って状態確認をする心づもり。すでにトレーニングも進めており、当面の目標はロンドとルーベだ。

ロンドに関してはここ4年間、ポガチャルと優勝を2回ずつ分け合っている。今年勝つことができれば4度目の制覇となり、自身を含め7人が並んでいる最多優勝記録を更新することになる。

ルーベも同様に記録がかかっており、史上初となる4連覇に挑戦。4勝目となればデフラミンクやトム・ボーネンと並ぶことにもなり、その価値はより高いものとなる。

昨年はロンドでポガチャルに1分以上の差を付けられ敗れたが、1週間後のルーベでは逆に同等の差をつけて雪辱。北のクラシックでの“2強時代”の到来を観る者、そして彼らにとっても実感する機会になった。今年ももちろん、マチューとポガチャルが戦いの中心になるだろう。

アルデンヌに比重を置くピドコック

ミラノ~サンレモでポガチャルに唯一最後まで食らいついたピドコックは、ここ数年と同様にアルデンヌクラシックに比重を置く。

ピドコックはアルデンヌクラシックに照準を定める

昨年3位で終えているラ・フレーシュ・ワロンヌ(4月22日)は、急坂でパンチ力を生かせる彼にとっては大きなチャンス。過去2回勝っているポガチャルが欠場する公算とあり、名所・ユイの壁を征服する一番手に名が挙がりそうだ。

かたや、ポガチャルとの再戦となるのがリエージュ。早めの仕掛けで独走に持っていきたいライバルに対して、先のミラノ~サンレモ同様にしっかりとチェックして良ければフィニッシュ前でのスプリントで勝機が高まるか。このレースでの自己最高は3年前の2位。コンディションと展開次第では、ラ・フレーシュ・ワロンヌとの2冠も見えてくる。

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復調ワウトやピーダスン、デルトロらにもチャンス

“春の英雄”となるだけの力を持った選手はまだまだたくさん。パヴェや天候があらゆる要素を生み出し、展開が読めない北のクラシックにおいては脚だけでなく、その日最も幸運であるかも重要。チャンスを手繰り寄せられるのは果たして誰だろうか。

険しい坂に挑む選手たち

ミラノ~サンレモでは怪我からの復調をアピールし、それぞれ3位と4位に食い込んだワウト・ファンアールト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)とマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)。4月はともにロンドとルーベに参戦する。これまで幾度となく上位進出をしているが、意外にもどちらのレースも未勝利。ともにビッグタイトルまであと一歩のところまで来ており、今度こその思いは強い。

4月なかばからのアルデンヌクラシックは、北のクラシックとは趣きがまったく異なるレース群とあり、参戦ライダーの顔触れも変わる。

新天地でのアクティブなレース活動に取り組むレムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)はラ・フレーシュ・ワロンヌとリエージュを予定。2022年と2023年に勝っているリエージュに対して、ラ・フレーシュ・ワロンヌはこれが初参戦。激坂ユイの壁をいかに攻略するか。一気に勢いづいて、リエージュではポガチャルやピドコックとの好勝負へとつなげることも大いに考えられる。

UAEチームエミレーツ・XRGは、ポガチャルだけでなくイサーク・デルトロというカードも持ち合わせる。2023年、2025年とポガチャルが勝ってきたラ・フレーシュ・ワロンヌは今年、デルトロがエースとして走る見込みだ。一発のアタック、そして一瞬の爆発力は今のプロトンでも指折り。勝負の観点ではユイの壁だけに集中できるあたり、デルトロの脚質にピッタリと言える。リエージュにも初の参戦を予定していて、要所でポガチャルを支えるだけでなく、自身も上位進出のチャンスをうかがっていくことだろう。

チーム ヴィスマ・リースアバイクは、北のクラシックをワウト、アルデンヌクラシックをマッテオ・ジョーゲンソンと、計算できるエースをそろえるあたりに強み。特にジョーゲンソンは得意としていた石畳系のレースをすべて回避し、アルデンヌへと構える。自身も「その方がアルデンヌに向けてコンディションを整えられる」と前向きで、このスタンスが奏功するか見もの。

レース距離259.5km、登坂セクション11カ所を数えるリエージュには、例年グランツールレーサーも多数出走し、登坂力とタフさで上位争いに食い込む。今年も多くの猛者が集うと見られ、その先に待つジロ・デ・イタリアやツールを占ううえで大きな意味を持つ一戦になるはずだ。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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