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デルトロがメキシコ勢としてティレーノ〜アドリアティコ初制覇、次のミラノ〜サンレモではポガチャルのアシストを宣言|Cycle*2026 ティレーノ〜アドリアティコ:レビュー
サイクルロードレースレポート by 山口 和幸総合優勝イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG)
イタリア半島の西に広がるティレニア海から東側のアドリア海までを走るティレーノ〜アドリアティコが3月9日から15日まで行われ、UAEチームエミレーツ・XRGのイサーク・デルトロがメキシコ選手として初めて総合優勝した。これまでの同国最高成績は1992年のラウル・アルカラの総合2位。
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配信日時 : 2026年3月18日(水)午後10:20 ~
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【限定】【スタート~フィニッシュまで】Cycle*2026 ミラノ~サンレモ (英語コメンタリー版)
配信日時 : 2026年3月21日(土)午後5:50 ~
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配信日時 : 2026年3月21日(土)午後10:00 ~
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【第1ステージ】イネオス・グレナディアーズが強さを見せつける
「レース・オブ・ザ・トゥー・シーズ」と呼ばれるイタリアのステージレース。初日の個人タイムトライアルはイネオス・グレナディアーズのフィリッポ・ガンナ(イタリア)が優勝し、まずは総合成績で首位に立った。イタリアのタイムトライアルチャンピオンジャージを着たガンナは10回連続出場で、5回目のステージ優勝を果たした。そのうち4ステージは開幕地のリド・ディ・カマイオーレで行われた個人タイムトライアルだ。平均時速56.858kmを記録し、ガンナは自身が持つ記録を更新した。
この日はイネオス・グレナディアーズが圧倒的な強さを見せ、テイメン・アレンスマン(オランダ)と最優秀若手選手のマグナス・シェフィールド(米国)を加えた3選手がトップ4に入った。
「今日の自分の走りを、オムループ・ヘット・ニュースブラッドのマチュー・ファンデルプールやストラーデ・ビアンケのタデイ・ポガチャルと比較することはできないが、今日は素晴らしい結果を目指して頑張ったし、結果に満足している」とガンナ。
「数年前のような筋肉のフレッシュさと弾力性はないかもしれないが、ミラノ〜サンレモから始まる次の目標を見据え、ティレーノ〜アドリアティコを後悔なく完走するために準備してきた。無理なエネルギーを使わずにティレーノ〜アドリアティコでもう1ステージ優勝できれば最高だが、まずは来週のミラノ〜サンレモに向けて最高の感触を得るためにここにきているんだ」
世界最速のTTスペシャリストフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)
【第2ステージ】区間2位のデルトロがボーナスタイムを利して首位に
未舗装路区間を含む第2ステージはアルペシン・プレミアテックのマチュー・ファンデルプール(オランダ)がデルトロを制して優勝。総合成績ではデルトロがガンナを逆転して首位に立った。
シクロクロスの世界チャンピオンでもあるファンデルプールはグラベルロードと呼ばれる未舗装路で決して期待を裏切らない。チューダー プロサイクリングチームのジュリアン・アラフィリップ(フランス)がレースを盛り上げた後、5.3kmの長い上り坂でファンデルプールが抜け出した。
チーム ヴィスマ・リースアバイクのエース、マッテオ・ジョーゲンソン(米国)がクラッシュしたため、ファンデルプールとの差を埋めることができたのはデルトロとレッドブル・ボーラ・ハンスグローエのジュリオ・ペリツァーリ(イタリア)だけだった。中世の町サン・ジミニャーノまでの上り坂のスプリントは3人で争われ、ファンデルプールが僅差で勝利。デルトロはペリツァーリに総合成績で3秒差をつけ、首位に躍り出た。
ピサの斜塔を横目に通りすぎるプロトン
「デルトロとペリツァーリを待ったわけではなく、彼らはすぐに追いついてきた。その時、デルトロが総合優勝を狙っていることがわかった。また勝てて最高だ。2025年はステージ優勝できなかったが、いい感触はあった。シーズンの目標に向けて、少しでも上達するためにここに来た」(ファンデルプール)
「フィニッシュの展開にはかなり満足している。リーダージャージを獲得できてまずはよかった。この順位にいられて本当にうれしい」と首位に立ったデルトロ。
【第3ステージ】首位デルトロは中間スプリントポイントで1秒を取りに行く
第3ステージはデカトロン・CMA CGM チームのトビアスルンド・アンドレースン(デンマーク)がスプリント優勝。
「早めに先頭に出て、自分のサイドを守りたかった。左サイドを完璧にキープできた。右からの横風もあったが、理想的な状況だった」とアンドレースン。
「幸運なことにチームメートはとても強く、最後まで私を支えてくれた。彼らは完璧な仕事をしてくれた。まさに計画通り。こんなに大きなステップアップができたことに、私自身も少し驚いている。これはたくさんの小さなことの積み重ねの結果だね」
首位のデルトロは中間スプリントポイントで1秒のボーナスタイムを獲得することに成功。「中間スプリントを行う計画は実際にはなかった。それでも、非常にいいポジションを確保することができ、1秒を獲得することができた。1秒でもリードを広げられる方が常に有利。ティレーノ〜アドリアティコでの総合成績を争う差はそれほど大きくないことは分かっていたので、中間スプリントも重要になる可能性があると感じた」とデルトロ。
ジュリオ・ペリツァーリ(右)とジロ覇者のジャイ・ヒンドレー(左)
【第4ステージ】ずっとデルトロとの差を埋めようと努力した(ペリツァーリ)
第4ステージはファンデルプール(オランダ)が優勝。
「最後の上りでデルトロの加速に反応した。上りではかなり調子がよかった。アタックするかどうか迷ったが、ゴールまでの道はアタッカーには向いていないことを知っていたので、冷静さを保ち、すべてを完璧にこなす必要があった」とファンデルプール。
「ガンナはミラノ〜サンレモ前に昨年と同じレベルにいると予想していた。今日はほぼクライマーだけの集団の中にいても、いい状態のようだね。今日のようなレースで全力を尽くして勝利を目指すのは、トレーニングでは到底できない。これまでティレーノ〜アドリアティコはクラシックレースに向けていい準備期間になってきた。今年もそうなることを願っている。ミラノ〜サンレモで3度目の優勝を飾りたい」
総合成績ではわずかなタイム差だが、大きな変動があった。4秒遅れの総合2位につけていたペリツァーリが区間2位に入ってボーナスタイム6秒を獲得。首位デルトロをわずか2秒差ながら逆転してその座を奪ったのだ。
「リーダージャージを楽しみたいし、明日は自分の地域であるマルケ州に初めて総合1位で凱旋できるのだから、みんな喜ぶだろう。感動的で素晴らしい経験になる」とペリツァーリ。
デルトロは2003年11月27日生まれ、ペリツァーリは6日遅れの21日生まれ。「ジュニア時代からイサークとの実力差を埋めようとしてきた。この日のレースは最後の坂をとても速く上った。調子もよく、アタックしたかった。デルトロが先に仕掛けるだろうと思っていたし、実際に仕掛けたので、僕も彼に続いた。最近一番成長したのはポジショニングだ。チームメートのおかげで、それが今日のリーダージャージ獲得の鍵となった」
【第5ステージ】デルトロがわずか1日で首位を奪還
2018年のアムステル・ゴールドレースの優勝者であるEFエデュケーション・イージーポストのミケル・ヴァルグレン(デンマーク)。2021年にジュリアン・アラフィリップ(フランス)とともに世界選手権の表彰台に立ち、この日もアラフィリップとともに逃げを仕掛けた。2人は序盤のアタッカーの中で最後まで残った選手だった。デルトロとジョーゲンソンが後方から追いかけたが、ヴァルグレンだけが逃げ切って2021年以来5年ぶりの勝利をものにした。
ミケル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・イージーポスト)とジュリアン・アラフィリップ(チューダー プロサイクリングチーム)
「復帰するまでかなり時間が経った。怪我をして元のレベルに戻るのは大変だったが、なんとか戻った」とヴァルグレン。
「デルトロとジョーゲンソンが後ろから猛追してくるのは分かっていたので、最善を尽くして全力で走った。最後にレースで勝ってからかなり経ったが、勝利へのメンタリティは決して失っていなかった」
デルトロはその日最後の上りでアタックを仕掛けた。ジョーゲンソンだけが後に続き、首位のペリッツァーリは脱落。前日にペリツァーリに首位の座を奪われたデルトロだが、この日区間2位に入り、わずか1日でその座を奪還した。
「今日は再びジャージを獲得するのが目標だったし、明日もそれを守り抜くつもりだ。リードがもっと大きければうれしいけど、23秒のリードでも満足している。明日のカメリーノはサンマリノの自宅からそう遠くないものの、これまで走ったことはない。明日は先頭集団に加わってステージ優勝を目指したい」
【第6ステージ】デルトロがメキシコに初のステージ勝利をもたらす
イサーク・デルトロがメキシコにサイクルロードレース旋風を巻き起こす
総合1位のデルトロが少人数のスプリントを制して優勝した。ティレーノ〜アドリアティコでメキシコ人として初のステージ優勝を果たしたデルトロはプロ通算25勝目。2025年は18勝を記録している。
デルトロはジョーゲンソンに3秒、ペリツァーリに9秒の差をつけるとともに、ボーナスタイムを獲得。この日終わって総合2位ペリツァーリに42秒、総合3位ジョーゲンソンに43秒の差をつけて最終日に臨むことになった。
【第7ステージ】ミラノ〜サンレモではポガチャルのために走りたい(デルトロ)
7日間のレースを走り終えた選手がイタリア半島の東海岸に到着。デルトロが初優勝を決めた。総合2位は40秒遅れのジョーゲンソン。中間スプリントポイントで3秒のボーナスタイムを獲得し、ペリツァーリを逆転。1982年に3位に入ったグレッグ・レモン、2012年に2位に入ったクリス・ホーナーに続き、ティレーノ〜アドリアティコで表彰台に立った3人目の米国選手となる。42秒遅れの総合3位はペリツァーリ。
「チームとともにこの勝利を手にすることができた。3年間このレースに出場してきたが、チームとして成し遂げてきたことをとても誇りに思っている。リーダーとしてもっと積極的にレースに臨んでいきたい」とデルトロ。
「今週はファンデルプールの後ろにつくことが多かったので、ミラノ〜サンレモではそれが役に立つかもしれない。チームエースのタデイ・ポガチャルのためにレースに臨み、自分のために結果を出そうとは考えていない。ジョナタン・ナルバエスもティム・ウェレンスも怪我のため出場できないので、チームメートとして最高のパフォーマンスを発揮したいと思っている。役割を切り替えられる選手であることに喜びを感じているし、できるだけ早く成長していきたい。ティレーノ〜アドリアティコでメキシコ人として初めて優勝できたことは、本当に素晴らしい。故郷の人々は熱狂的に応援してくれていて、このスポーツを理解し始めてくれている」
最終日も話題独占のマチュー・ファンデルプール
文:山口和幸
山口 和幸
ツール・ド・フランス取材歴30年超のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、東京中日スポーツ、ダイヤモンド・オンライン、LINEニュース、Pressportsなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)、講談社現代新書『ツール・ド・フランス』。青山学院大学文学部フランス文学科卒。
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【デイリーハイライト】Cycle*2026 ティレーノ~アドリアティコ 第5ステージ
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