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ポガチャルがいよいよシーズンイン 4度目の“トスカーナ・センセーション”はあるか!?|Cycle*2026 ストラーデ・ビアンケ:プレビュー
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介タデイ・ポガチャルのシーズン開幕戦、ストラーデ・ビアンケ
十分すぎるほどの準備期間を経て、新しいシーズンへと踏み込む。絶対王者タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)が2026年の初戦に選んだのは、イタリア・トスカーナを駆けるワンデークラシック「ストラーデ・ビアンケ」。ここ4年間で3回制している(2023年は欠場)相性抜群のレースであり、いずれもサイクルロードレース史に残る独走劇を演じている。よたびの“トスカーナ・センセーション”はあるのか。ライバルの名は挙がれど、今のポガチャルには死角が見当たらないのである。
J SPORTS オンデマンド番組情報
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Cycle*2026 Arenberg Cycling 編集部TV 増刊号
配信日時 : 2026年3月6日(金)午後9:00 ~
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配信日時 : 2026年3月7日(土)午後10:20 ~
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配信日時 : 2026年3月8日(日)午後11:20 ~
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ストラーデ・ビアンケ コースプロフィール
レース距離短縮でグラベルセクションは14カ所・総距離64kmに
ポガチャルら注目選手の動静に触れる前に、レースの大枠を押さえておこう。
トスカーナ地方特有の白色の未舗装路が舞台となる丘陵レース。ストラーデ・ビアンケの名はレース追いをしている人たちなら誰もが知る、春の人気クラシックレースだ。主催はジロ・デ・イタリアなどの同国開催のビッグレースを運営するRCSスポルトが務める。
2007年に初開催され、昨今のグラベルレースの知名度やレベルの向上に、このレースが大きく寄与しているとの声も多い。何よりバリューが年々高まっていて、2017年のUCIワールドツアー入り後はより一層、重要レースとしての位置づけがなされるようになった。
そうして迎えるのが、20回の記念大会である。前回よりコースが14km短縮され、201kmで争われる。これにともなって、レースの華にして難所であるグラベルセクションの総距離は前回の80kmから64kmと短くなる。とはいえ、これまで勝負を動かしてきた重要区間は揺るがず、今回も選手たちを待ち受ける。
全14カ所あるグラベル区間のうち、9番目に通過するコッレ・ピンツート(2.4km、最大勾配15%、難易度4)は、昨年ポガチャルが独走に持ち込んだポイント。ここから約50kmに及ぶ独り旅を演じたのだった。これを記念し、「タデイ・ポガチャル・セクター」との称号が今回から与えられることになっている。
ストラーデ・ビアンケ コースマップ
優勝争いの観点からすると、フィニッシュまでの60kmをいかに走るかがカギになる。前述のコッレ・ピンツートやレ・トルフェ(1.1km、最大勾配18%、難易度4)といった未舗装の急坂を2回通過することで、展開は大きく変化することだろう。
そして、フィニッシュ地・シエナのカンポ広場へと向かうサンタ・カテリーナ通りの急坂が戦いのクライマックス。白い道を走り抜いた勇者たちが、大歓声の中を抜けて戦いを終える。
敵は己の落車だけ? 大会最多4度目の優勝を目指すポガチャル
いまのプロトンのトップにして、白砂の王、タデイ・ポガチャル。昨年に続き、トスカーナからレース活動を活性化させていく。今回は大会最多の4度目となる優勝を目指し、スタートラインに並ぶ。
過去3度の優勝を振り返ると、2022年19km、2024年81km、2025年50kmといずれも独走で勝っている。細かなアップダウンや一瞬のパワーを必要とする急坂への対応に不足はなく、未舗装区間への不安もない。
昨年は3位に続いたティム・ウェレンスとの共闘もうまくハマったが、今回はウェレンスが負傷により戦線を離脱中。同様に右腕となるはずだったジョナタン・ナルバエスも今大会には間に合わない。ただ、この2人の穴を埋めるどころか、さらに強力な選手たちが脇を固める。
そのひとりがイサーク・デルトロ。先のUAEツアーを制したばかりのヤングスターがポガチャルとの共闘で自身も上位進出をもくろむ。大ブレイクした昨年は、その多くがワンデーレースでの勝利だった。短期決戦の戦い方をすっかり熟知したメキシカンは、ポガチャルと肩を並べどんなアクションを見せるか。もうひとり、クラシックスペシャリストのフロリアン・フェルミールスへの評価も高まっており、同一チームから3人が上位を占める可能性も大いにある。
そんなポガチャルが注意すべきは落車。2022年と昨年、レース途中で地面に叩きつけられるトラブルを経験している。今回もコースを攻めるあまりクラッシュ…なんてことだけは避けたいところだ。
丘陵地帯に白煙が舞う
ストップ・ポガチャルにトライする選手たち
ポガチャルの圧倒的な強さにチャレンジする選手は誰だろうか。
前回終盤まで食らいついたトーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム)は2023年大会の覇者。2月からの好調をキープしており、復権を目指してトスカーナへと乗り込む。
ここにきて注目度が一気に高まっているのが、ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム)。プロ2年目の19歳は、「将来のツール・ド・フランス王者」としての期待を背負っており、自身もその可能性を認めている。今季は2月にシーズンインし、すでに2勝。トスカーナの未舗装路はジュニア時代に経験しているほか、シクロクロスをバックボーンとするあたりも強み。「自分に合っているコース」とも公言し、チャレンジングな一戦に挑む。
相次ぐけがでシーズンインが遅れたワウト・ファンアールト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)は、何とかこの大会に間に合わせた。自国ベルギーで1レース走り、順位こそついてこなかったもののコンディション面での問題がないことを確認した。当日はトップ争いに加われるだろうか。チームとしては、マッテオ・ジョーゲンソンにも高いプライオリティを与えており、双頭体制で上位進出を目指すことになる。
5年ぶりの参戦となるエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)や、前回4位のベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、同5位のペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)らもチャンスをうかがう。アルペシン・プレミアテックは欠場するマチュー・ファンデルプールに替わり、こちらもシクロクロスをベースとするティボール・デルフロッソがエースの大役を務める。
ストラーデ・ビアンケ
超高速レースを予想させる好コンディション
最後に、レース開催日3月7日のイタリア・トスカーナ地方のコンディションを。
同地の春到来が今年は早く、レース当日は晴れて気温は17度まで上がるとの予報。未舗装路はドライで、硬い路面が超高速レースを誘発するとの予想も出ている。風も穏やかで、選手たちが巻き上げる砂がいつも以上に白く映えることになりそうだ。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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