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マチューはシクロクロスに別れ? ベルギーは早くも白旗? 尽きない疑問はレースでのみ答えが導き出される|Cycle*2026 UCI世界選手権大会シクロクロス男子:プレビュー
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介前人未到の8度目のマイヨ・アルカンシエルに挑むマチュー・ファンデルプール
シクロクロス王国オランダに鮮やかな虹がかかるだろうか。昨年末から続いてきたシクロクロスシーズン、ビッグイベントはUCI世界選手権大会のみとなった。絶対王者マチュー・ファンデルプール(オランダ)は、前人未到の8度目のマイヨ・アルカンシエルに向け出走を表明。直近のレースでも仕上がりの順調さをアピールし、満を持してスタートラインにつく。一方で、“打倒マチュー”に燃えるのは? 大一番が刻一刻と迫っている。
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【先行】Cycle*2026 UCI世界選手権大会 女子エリート シクロクロス(英語コメンタリー版)
配信日時 : 2026年1月31日(土)午後10:50 ~
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Cycle*2026 UCI世界選手権大会 男女エリート シクロクロス
配信日時 : 2026年2月1日(日)午後9:30 ~
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Cycle*2026 ツール・ド・ラ・プロヴァンス 第1ステージ
配信日時 : 2026年2月13日(金)午後10:30 ~
マチューはアルカンシエルで有終の美? ライバルはアクシデントのみ
この冬出場したレースは12戦で12勝。超人的な……いや、もはや“超人”の領域へと到達しているマチュー。今大会も、“普通に走れば”アルカンシエルは固い。
そんな彼だが、このイベントへの出場を直前まで悩んでいた。近く控えるロードレースのシーズンインを見据え、調整を優先したいというのが表向きの理由。ただ、心のどこかでは「シクロクロスをやり切った」との思いに満ちているのかもしれない。これだけ勝利を重ね、いくつものタイトルを手にしてきたのだ。そんな思いを抱いていても何も不思議なことではない。
実際、今大会の優勝、そしてアルカンシエル防衛をもって“シクロクロス引退”とする公算が高まっている。それは本人も、彼を支えるスタッフ陣も認めており、レース後に明かされる可能性もある。圧倒的な強さで、王者のままで、愛し愛されたシクロクロスと別れを告げるのはマチューらしくて美しい。
とはいっても、まずは目の前でレースである。今シーズンは12月から走り始めると、レースを追うごとにフィジカル・集中力ともに向上。難コースにおいても周を経るたびにライバルとの差を広げていく強さで、その走りは盤石そのものだった。
こうなると、敵はライバル選手たちではなく、落車やバイクトラブルといったアクシデントとなってくる。1月24日に行われたワールドカップ第11戦では、独走態勢に持ち込んだ矢先にパンク。すぐに先頭パックに追いつき、さらには彼らをパスして再び勝ちパターンに持ち込むも、最終ラップで2度目のパンク。後続の追い上げに遭いながら、力業でフィニッシュまで持ち込んでいる。トラブルのタイミングや状況によっては、命取りとなりかねないシクロクロスゆえ、いくら強い選手でも“絶対”はないことを忘れてはならない。その不安だけを払拭できれば、マチュー王朝は揺るがないだろう。
はたして、本当にシクロクロス終幕の舞台となるのか。マチューのラストダンスになることを頭の片隅に置きながらの観戦は、想像するだけでもエモーショナルだ。
ワウト欠場のベルギーはレース前からマチューに白旗?
本来であればオランダと2強を形成するベルギーである。いつもならオランダと、さらにはマチューと真っ向勝負を挑む彼らだが、今年は何だかムードが異なっている。
それはチームを指揮するアンジェロ・デクレルク氏の言葉である。
「マチューが無敵であることを認めざるを得ない。われわれに勝ち目はあるか? 彼がよほど調子が悪くない限り、それは現実的に無理だ」
もっとも、今回のベルギー代表メンバーではマチューとの実力差が大きすぎると見ているという。何より今年は、幾度となくマチューと激戦を繰り広げてきたワウト・ファンアールトを欠く。それでも、デクレルク氏は「選手たちはそれを受け入れ、モチベーションを下げることなく準備している。特にティボーとニールスは、マチューに何かがあれば確実に付け込んでいくつもりだ」と述べる。
名前が挙がった2人のうち、同国のエースであるティボー・ネイスは今季6勝。マチュー合流前のワールドカップでは勝利を挙げ、1月にはベルギー選手権にも勝利。直近の同シリーズではミスがあり表彰台を逃しているが、きっちり走ればマチューを追う一番手であることは確かだ。
一方のニールス・ファンデピュットも好調。今季は特に表彰台の常連となり、ワールドカップ第11戦・第12戦でも3位に入っている。シリーズ戦ではアルペシン・プレミアテックのチームメートであるマチューやティボール・デルグロッソ(オランダ)と共闘する場面も見られるが、国別対抗となる今回は戦い方が変化する。ネイスと組んでマチューを追いたいところだ。
ベルギー勢としては、序盤から攻勢をかけてネイスとファンデピュットを最前線に送りたいという。キーマンとして、スタートダッシュを得意とするデルフロッソを挙げ、彼の動きをきっかけにベルギー対オランダの構図に持っていきたいとしている。
フルスト コースマップ
フィジカル、テクニック、運が試されるフルストのコース
選手層で群を抜くオランダ、ベルギーの2カ国に割って入らんとする選手たちの存在も押さえておきたい。
ワールドカップで表彰台にも上がっているフェリペ・オルツ(スペイン)は、両国首脳陣も一目置く存在。ケヴィン・クーン(スイス)やシーズン前半戦に好調だったキャメロン・メイソン(イギリス)といった選手たちの上位進出も期待したい。
最後に、今大会の開催地はオランダのフルスト。これまでワールドカップなどでは、平坦と急坂とのギャップの大きなコースレイアウトが選手たちを苦しめてきた。今回も、オランダらしい風車やお城を見ながらのポイントや、少しでもぬかるむとスリッピーになる路面がレース展開に影響を与えそう。フィジカル、テクニック、そして運の要素も大事になってくる。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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