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サイクルロードレース コラム 2026年1月1日

シリーズは大詰め 世界選手権を見据えたビルドアップの1カ月|シクロクロス2025/26 WC第9-12戦:プレビュー

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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シクロクロスシーズンもいよいよ大詰め

2026年を迎え、ロードレースであれば新シーズンの入口の時期だが、冬がメインであるシクロクロスは年またぎでレースシリーズが進行中。最高峰リーグであるワールドカップは大詰めを迎えている。12月は本場ベルギーをメインに転戦し、絶対王者マチュー・ファンデルプール(アルペシン・プレミアテック)が遅れてのシーズンインながら一気にトップスロットル。世界選手権を視野に入れていることも公言しており、同大会へとつながるここからの1カ月でも一層調子を上げていくことだろう。

今回は、1月開催の第9戦から最終・第12戦までの展望を中心にお届けする。

マチューの戦線合流で勢力図に変化

昨年のベニドルムはティボー・ネイスが勝利

その前に、ここまでのワールドカップの戦いを振り返ってみたい。

11月30日にフランス・フラマンヴィルで行われた第2戦は、開幕戦に続きティボー・ネイス(バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)が勝利。チームメートであり、今季限りでの引退を表明しているラルス・ファンデルハールとの共闘で、ワン・ツーフィニッシュを決めた。

12月7日には、イタリア・サルデーニャ島のテッラルバで第3戦。海沿いのコースはぬかるんだマッドコンディション。この日はネイスが不在の中、4選手が優勝争い。最終周回で飛び出したマイケル・ファントゥレンハウト(パウェルスサウゼン・アルテスインタストリーバウ)がライバルの追い上げを振り切って、今季ワールドカップ初勝利。他シリーズでは好調ぶりを発揮していたが、いよいよワールドカップでもその強さを見せつけた。

翌週、第4戦ナミュールから本場・ベルギーを転戦。そして、マチューが戦線合流。今シーズン初戦とあり後方グリッドからのスタートとなったが、1周目から先頭を射程圏に捉えて進行。2周目にはトップ争いに加わった。途中で落車があったものの、持ち直してネイスとの優勝争いへ。ネイスのミスを見逃さなかったマチューは最終周回で独走に持ち込んで、シーズン初戦を勝利で飾った。

6日後の12月20日には、アントワープでの第5戦。ここには2大巨頭のもう一方、ワウト・ファンアールトチーム ヴィスマ・リースアバイク)が参戦。マチューとワウト、長年のライバルがマッチアップを迎えた。後方グリッドでのスタートとなった両者だが、明暗はくっきり。徐々に前線へと上がって、2周目以降は完全に勝ちパターンに持ち込んだマチューに対し、いまひとつペースに乗り切れなかったワウト。連勝を飾ったマチューから、51秒遅れの7位でワウトは戦いを終えた。

中1日でのレースとなった第6戦コクスアイデから最前列スタートとなったマチュー。トゥーン・アールツ(デスハフト・ヘンスCXチーム)やローレンス・スウィーク(クレラン・コレンドン)、さらにはチームメートであるティボール・デルグロッソらと先行していく。前半からデルグロッソが何度か前をうかがったが、4周目でマチューがスピードアップ。このワンアクションで勝負を決めると、あとはフィニッシュまで独走。最終周回で意識的にペースを落としたこともあって後続が迫ったが、トップの座は脅かされることなくシリーズ3連勝を飾った。

クリスマス明けの26日には、ガーフェレでの第7戦。この日はマチューではなく、ネイスが長くレースを引っ張った。ハイペースを刻むと、中盤までにマチュー以外のライバルたちを振り切っていく。快調に飛ばしているように見えたネイスだったが、轍にタイヤを取られてバランスを崩すと、マチューがリードを拡大。これで4連勝とした。

1日おいて、2025年最後のレースとなる第8戦デンデルモンデ。マチューがお休みとなり、代わって注目を集めたのはワウト。ここまで好レースを続けてきたネイスやデルグロッソらとハイレベルの戦いを演じた。6〜7選手が先頭パックで最終周回を迎える激戦となったが、ワウトはここぞという局面で息切れ。好調をキープするネイスとデルフロッソの一騎打ちになって、最後はネイスに軍配。ワウトは6位で終えた。

過酷なコースが選手たちを待つ

趣きの異なる4コースが選手たちを待つ

第9戦 ゾンホーフェン

ワールドカップの残り4戦。年末年始は他シリーズも含めた連戦の日々だが、1月4日に行われる第9戦ゾンホーフェンでひと段落する。ゾンホーフェンといえば、砂地が名物。そんなサンドセクションには急坂の上り・下りがそれぞれあり、いかにスピードを落とさず乗り切れるかがポイントになる。

第10戦 ベニドルム

翌週は数カ国で国内選手権が行われることも関係し、同18日のスペイン・ベニドルムでの第10戦は新たなチャンピオンジャージ着用者を目にできることだろう。温暖なスペイン開催とあり、ベルギーやオランダとは違ったドライコンディションが特徴的。砂や土が舞う中での戦いが見ものとなる。

第11戦 マースメヘレン

舞台はベルギーに戻って、同24日にマースメヘレンでの第11戦。ぬかるんだ黒土はレースが進むにつれて選手たちの視界を遮るものに。昨シーズン同地で行われたレースでは落車が続出するなど、シリーズ屈指のハードさを示すコースでもある。

シクロクロス

第12戦 ホーヘルハイデ

そして最後を飾るのは、伝統のオランダ・ホーヘルハイデ。重たい泥が選手たちの行く手をさえぎるが、いかにコースを味方につけるかが重要に。昨季はマチューが地元レースで独走を披露。フライオーバーでのジャンプパフォーマンスで沸かせたのは最大のハイライトでもあった。

最後まで目が離せない

シリーズリーダー争いは佳境に シクロクロス引退示唆マチューの動向は?

第8戦までを終えての総合得点では、スウィークが186点で首位に立つ。優勝こそないものの、堅実に上位入りしていることがプラスに働き、ここ数戦はリーダージャージをキープしてきた。このまま残り数戦で逃げ切りを図りたいところだったが、12月29日に他シリーズ戦で落車。肩に重度の脱臼を負いシーズン終了が発表された。

代わってリーダーの座に就くのが、総合2番手に位置するネイス。スウィークを3点差で追っていた。今季のワールドカップでは第3戦と第6戦を欠場しているが、23位に終わった第5戦をのぞけば出場したレースでは優勝か2位フィニッシュを繰り返している。3位以下との差は15点以上の開きとなっていることや、ここ数戦の好調さを見る限りは総合争いで優位に立っていることは確かだ。

2月1日に行われる世界選手権を目標に据えるマチューは、第10戦ベニドルムを欠場するほかは出場を予定。他選手との力量差は明白で、よほどのトラブルがなければ上位進出は固い。ちなみに、今季限りでの“シクロクロス引退”を示唆しており、この1カ月がラストダンスとなる可能性も。「最高の形でキャリアを終えたい」との考えのもと、まだまだ力のあるうちにシクロクロスから身を引こうというスタンスか。その動向に一層目が離せない。

第3戦を勝ったファントゥレンハウト、たびたび見せ場をつくるアールツや、これがキャリア最後の1カ月となるファンデルハール、他シリーズではワウトに勝つなどその勢いは目を見張るものがあるデルグロッソと、タレントは十分そろっている。

なお、ワウトはゾンホーフェンを走ったのち、10日の国内選手権出場をもってシクロクロスシーズンを終了する見通し。あくまでも、今シーズンはロードレース・春のクラシック戦線につなげるための取り組みであることを強調している。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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