人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

サイクルロードレース コラム 2025年12月17日

【輪生相談】復帰したい気持ちはあるのに、漠然と練習するだけではモチベーションが続きません

輪生相談 by 栗村 修
  • Line
輪生相談 第97回

 

いつも発信を楽しみにしています。これまではレースを目標にして逆算でトレーニングしてきましたが、子どもが生まれてからは思うように練習できず、楽しく走る時間もなかなか取れなくなってしまいました。当たり前のことだとは思いつつ、目標も立てられずに、他の人が走っている写真を羨ましく眺めるばかりです。復帰したい気持ちはあるのに、漠然と練習するだけではモチベーションが続きません。こんな時、栗村さんならどうされるのか…アドバイスをいただけると嬉しいです。

(男性 会社役員)

 

質問者さんのご年齢が書かれていませんが、内容から、おそらく30歳台前後だと仮定してお話を進めますね。趣味はたくさんありますが、自転車レースは、その中でも時間をはじめ、さまざまなコスト負担が大きい部類に入ります。子育て世代にとって、続けにくくなるのは無理もないことです。

そこで、50歳を過ぎてからホビーレースに復帰した最近の僕が考えているのが、自転車との付き合い方のライフプランです。

プロ選手は、基本的に年齢とともに可能性が狭まっていくわけですが、実はホビーレーサーは逆であることに最近、気づきました。むしろ、可能性が広がっていくんです。

近年の自転車イベント参加者のボリュームゾーンは、僕もそこに含まれますが、50代ですね。つまり、50代になってもガチでトレーニングをしたり、レースに出たりと、本気で楽しめる趣味であるということです。

というのも、50代は、お子さんがいるならば子育ては一段落し、経済的にも少し余裕が生まれる時期かもしれません。つまり、自転車に集中しやすいんです。また、最近は多くのイベントで年齢別クラスが整備されていますから、年齢的にも、適切な枠内での競争を楽しめます。

もし質問者さんが30代ならば、少なくともこれから20年間はトレーニングを積めるわけですよね。だったら、基礎的な肉体づくりに5年→ペダリングやポジション研究に5年→世界レベルを目指した自転車トレーニングに10年……などと、フェーズ分けして取り組むことさえできます。これだけ準備期間が確保できるなら、将来、年代別カテゴリー内の世界チャンピオンとか、壮大な夢を目標にすることもできます。

これは自転車に限らないのですが、30代や40代のときは、50代や60代になると「人生のアクセル」を緩めてのんびりするんだろうな……と想像していることが多いと思うんですね。僕もそうでした。

しかし、実際に50代になってみて分かったのですが、まったく逆です。トレーニングに復帰して関連動画を見まくっている僕を含め、むしろ急にやる気を出す人が多いんです。60歳という、社会人としての最初の「ゴール」がちらっと見えてくることも、影響しているのかもしれません。

レースの中盤って、逃げ集団は遠くに行ってしまったし、脚はキツイしで一番苦しい時間帯ですよね。でもゴールが近づいてくると、意外と脚は回るし、やっぱり少しでも順位を上げたいしで、モチベーションが戻ってきたりします。人生も、それに近いのでしょう。

あえて極端な例を挙げましたが、50代で活躍している多くのサイクリストも、紆余曲折を経て今に至っています。遠い遠い目標を設定し、そこから逆算して「いま何をすべきか」「どうモチベーションを保つか」を考えるのは楽しいものです。質問に「これまではレースを目標にして逆算でトレーニングしてきましたが、」とありますが、その逆算の時間軸を長く取れば良いわけです。

最終目標は途中でいくらでも修正可能なのですが、長期的な視点を持つと心に余裕が生まれ、結果的に、短期的な「今」を楽しめることにつながっていく気がします。「20年後にピークを迎えられるようにしよう」という視点を持てれば、日々のトレーニングにも気楽に、しかし真面目に取り組めるのではないでしょうか。

たとえばですが、時間を食う自転車のトレーニングはいったんやめて、お子さんがもう少し大きくなるまでは筋トレだけに集中してみるのも面白いかもしれません。あるいは、「40代はシクロクロスに挑戦する時期」みたいに、他の分野にチャレンジするとか。そこで得られるものは極めて大きいと思います。そして、その積み重ねの先に、グランフォンドの年代別世界チャンピオンを目指すような目標を用意すると、よりバージョンアップしたご自身に出会えるはずです。

子育て世代がロードバイクに乗る時間を確保するのは難しいが、「20年後にピークを迎えられるようにしよう」という視点を持ってトレーニングしよう。

文:栗村 修・佐藤 喬

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ご質問の投稿はこちら

栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクルロードレースを応援しよう!

サイクルロードレースの放送・配信ページへ