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サイクル ロードレース コラム 2025年7月26日

最後の週末は特別な2日間!第20・第21ステージで波乱は起きるか!?|ツール・ド・フランス2025

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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今年のツールも週末の2ステージを残すのみとなった

今年のツールも週末の2ステージを残すのみとなった

大詰めを迎えたツール・ド・フランス2025。今大会はアルプスでの山岳最終決戦が第19ステージまでに終わり、残る2ステージはいつもと違った趣きに。山での激しい個人総合争いとはひと味違った楽しみが待っている。

最後の週末は爆発的な盛り上がり?

現地フランスでは、「最後の週末は爆発的な盛り上がりを見せるかもしれない!」との煽り文句で、第20・第21ステージへの期待感を膨らませている。グランツールではこれまで、最終日前日に山岳で劇的な逆転劇や感動的なステージ優勝が見られているけど、「2025年大会はちょっと違うのではないか」というのが現場での見方である。

第20ステージには丘陵コースが採用された。ツールの最終日前日は、個人タイムトライアルや山岳ステージとなるのが“慣例”。特にクリスティアン・プリュドム氏が大会委員長に就任してからは、同氏の意向もあって「山頂フィニッシュをこなして、いざパリへ!」とのムードが強くなっていた。山岳でも、個人タイムトライアルでもないコースが第20ステージに用いられるのは、2001年以来となる。

選手・チームそれぞれの思惑が交差する週末となりそうだ

選手・チームそれぞれの思惑が交差する週末となりそうだ

この日はマシフ・デュ・ジュラ、つまりはジュラ山脈を走る。ナンテュアをスタートし、ポンタルリエを目指す184.2km。序盤から3級・4級のカテゴリー山岳が連続し、その後も“無印”の登坂を繰り返していく。

一見「上れるスプリンターなら対応できるのでは?」と思わせるレイアウトだが、実際のところはなかなかにハードだ。ここまで失望続きだったライダーたちにとっては、大きな成功を手にするために躍起となるのは間違いない。ありとあらゆる思惑がプロトン内に交錯し、リアルスタート直後からアタックの応酬となる可能性が高い。

難産の末につかむ勝利こそ、大きな、大きな価値のあるものとなる。

2年ぶりのパリ帰還、モンマントルがツール最終日の形を変えるか

そして第21ステージ。今年のツール最終日は、ひときわエモーショナルになる。

何より、パリへの帰還だ。2年ぶりにシャンゼリゼ通りにツールの勇者たちが到達する。ただ、これまで祝福ムードに包まれながら走ってきた最終日だけど、今回は少々事情が異なる。

パリに到達するとまず、シャンゼリゼ通りを走行。エトワール凱旋門をめぐり、コンコルド広場を抜けてシャンゼリゼの直線へと戻る。これを3周回。次に同コースを途中まで走り、コンコルド広場から右折。新しい周回コースへと入っていく。

待ちわびたパリ・シャンゼリゼへ2年ぶりの帰還

待ちわびたパリ・シャンゼリゼへ2年ぶりの帰還

目指すはモンマントルの丘。昨年のパリ五輪でも重要区間となった石畳の上りを行き、頂上のサクレ・クール寺院前を通過する。モンマントルは4級山岳にも設定される。新たな周回コースは16.8kmで、3回めぐる。

今まではパレード走行でパリまで進み、シャンゼリゼ周回に入ったのを機に本格レースへ。そして“世界スプリント選手権”とも言われるハイスピードバトルでツールは締めくくられた。それが、モンマントルをコースに組み込んだことでどう変化するのだろうか。

パレード走行は? モンマントルは? スプリントは? 初めてのツール最終日の形は、誰にも想像がつかない。

さあ、どんな仕掛けで観る者を驚かせてくれるのだろう。われわれも、ツール最後の週末を心から楽しむ準備をしておこう!

文:福光 俊介 from La Plagne, France

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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